最近のトラックバック

無料ブログはココログ

宇宙・サイエンス・科学技術

2016年9月 4日 (日)

妊娠中の果物摂取、子供の知能向上に影響か!

 妊婦が果物を多く摂取すると、生まれてくる健康な子供の知能指数が高くなる可能性があることが、新たに発表された研究で明らかになりました。

 

 カナダ・アルバータ大学の研究グループが同国の688人の子供を調査したところ、妊婦の果物摂取量の多さと比例して、生まれてきた子供の生後1年後の知能が高い傾向があったといいます。グループは新生児の発達の経年研究をする同国の機関から得られたデータを元に調査を行いました。

 

 4月にEバイオ・メディシン誌に掲載された研究結果はあくまでも予備段階で、ほ乳類や人体での今後の研究の参考にすべき程度のものだと専門家は話します。しかし子供の知能発達に影響を与えるとされる食物はこれまで魚しかなかったことを考えると、今回の発表は大きな出来事です。

 

 アルバータ大学で小児科学を研究し今回の調査も行ったピウシ・マンダネ准教授は、明確な違いが見られた実験結果に驚いたと話します。記憶力や学習能力の研究によく使われるハエを使った実験の再確認を同僚に依頼したところ、自らの調査と一致する結論が得られたといいます。

 

 ただ、マンダネ氏は「妊婦に大量の果物を摂取してもらいたいわけではない」とし、「これはあくまでも1回の研究であり、果物の摂取増加による健康への影響はまだ調査していない」と語っています。

 

 専門家らによると、妊娠中に大量の果物を摂取すると血糖値が上がり、妊娠糖尿病や急激な体重増加などを引き起こす可能性があるといいます。

 

 今回の研究で調査対象となった妊婦の半数は、米政府が推奨する量の果物(1日当たり1.5カップから2カップ)を食べていなかったといいます。マンダネ氏は妊婦への助言として、「この推奨量程度は摂取すべき」と話しています。 

 

果物以外にオメガ3脂肪酸も

 

 妊婦の栄養不足が胎児の発達にどう影響をするのかを調査した研究はこれまでもあり、妊娠初期に葉酸の摂取が足りないと胎児の神経管に影響が出ることや、鉄分やヨウ素を十分に摂取することが胎児の脳の発達に必要であることなどは明らかになってきています。しかし、妊婦の栄養摂取が生まれてくる子供の知能に与える影響を調査した研究は、これまでにあまりありません。

 

 魚などに含まれるオメガ3脂肪酸は脳細胞の膜組織を作るのに必要とされ、妊娠中に多くの魚を摂取した場合、生まれた子供が認知機能テストでより高い点数を得る傾向があるとされています。しかし魚油のサプリなどを使った無作為での実験ではこの結果は実証されていません。また、魚の摂取量だけでなく、それと関連する他の条件があって初めて認知力の向上に結びつくとする意見もあります。

 

 果物の実験に関しても「果物の摂取が大切なのかもしれないし、果物を多く摂取する女性は最初から健康を意識した生活をしているのかもしれない」と、ハーバード・メディカル・スクールなどで栄養学等を教えるエミリー・オーケン教授は指摘しています。ただ、研究成果はいろいろな可能性が含まれているので「より深く調査を進める価値がある」とも同教授は話します。

 

目を疑うほどの研究成果

 

 マンダネ氏の研究は、2008年から2012年にかけてカナダの妊婦3600人を対象として行われた。世帯収入や母親の学歴、ビタミン剤の摂取、母乳で育てたかどうかなどを考慮した他、妊婦の食事に関しては内容やカロリー、そして栄養のバランスなども調査。生まれてきた子供が1歳になる時点で、妊婦の食事が知能発達にどのような影響を与えるのかを研究した。

 

 知能の発達レベルと栄養の項目を調べていくと、果物との関連が目についたといいます。「ここまで大きな違いが見られることに一番驚いた」と話すマンダネ氏は、分析官からデータを渡された時に再検査をするよう指示したといいます。なお実験においては、どのタイプの果物が摂取されたかについての情報はあまり含まれていなかったそうです。

 

 乳児の知能発達を調べるにあたっては、広く使われているベイリー・スケールが使用されました。テストではコップの下に隠されたコインを子供が覚えているかどうかや、ブロックの積み上げなどを通して検査を実施。その結果、妊娠中の母親が推奨量よりも多くの果物を摂取しているほど子供のテスト結果も高く、その傾向は果物摂取量が推奨の6倍から7倍あたりに到達するまで見られたといいます。

 

ハエを使った実証実験では

 

 この結果を受けてマンダネ氏は同僚のフランソワ・ボルダック准教授に実証を依頼。小児神経科を専門とするボルダック氏はハエの遺伝子を操作し、それが記憶力や嗅覚力にどのような影響を与えるかを研究しています。研究室には30万匹以上のミバエを飼っているため、大学では「ハエの人」としても知られる存在です。

 

 野生のミバエは台所に残された果物などを食べますが、研究室ではイースト菌、砂糖、そしてトウモロコシ粉から作られたゼリーが与えられています。しかし実験のため、今回は繁殖や排卵期間中の一部のハエと幼虫にはオレンジジュースとトマトジュースが与えられました。

 

 ボルダック氏はミバエに2種類の香りを嗅がせ、そのうちの一つを嗅がせたあとは軽い電気ショックを足から流しました。2分後、再び同じ2種類の臭いをミバエに嗅がせてその行動を観察。また長期に渡った記憶力も確かめるため、その翌日にも同じ実験を行って反応を試しています。なおミバエは寿命が一カ月程度とされています。

 

 実験の結果、親バエがオレンジジュースやトマトジュースを与えられたハエはテストで30%高い学習能力を見せ、長期的な記憶力では通常の餌を与えられたハエの2倍も高い数値を出したといいます。

 

 「一般的なハエの記憶力と学習能力を向上させた実験は、今回が初めてだと思う」と話すボルダック氏。「生まれた後に果物を摂取させても知能に向上は見られなかったので、脳が発達する段階での摂取が何かしら影響をしているはずだ」と同氏は言います。

 

 マンダネ氏は今後の研究を通じ、具体的にどの栄養素や果物が知能の向上に影響を与えているのか明らかにしてきたいとしています。また乳児が成長するにつれて母親が妊娠中の果物摂取による影響がどう変化するかも観察する予定です。現在、同氏は妊娠中のラットに果物入りのジュースを与え、生まれてくる子供にどのような影響が生じるのかを調べているといいます。現時点で得られたデータは自分たちの主張に沿ったものですが、他者に検証してもらい発表するまでの段階には至ってないそうです。

 

 妊娠中にどの栄養素を取ることが神経の発達に最適なのかを調べ、知的発達障害のリスクがある子を救うような研究もしたいとマンダネ氏は言います。

 

 「知能指数(IQ)が100から105に上がってもあまり違いはありません。しかし85から90になるのは、とても大きい違いだ」と同氏は指摘。「それが可能になれば、社会に大きな違いをもたらすことができると思う」と話しています。(ソースWSJ

2016年8月28日 (日)

自動運転車がハッカーに乗っ取られる日!

デジタル世界の情報セキュリティー問題を扱う専門家は悪夢のシナリオを思い描くのが大好きです。私たちの401K(確定拠出年金)を空っぽにしてしまうドローン。冷蔵庫を爆発させる電子メールの添付ファイル。映画をハッキングし、出演している豪女優マーゴット・ロビーの映像をすべてCG(コンピューターグラフィックス)のドクター・フィル(米で人気のトーク番組で司会を務める精神科医)に置き換えてしまうソフトウエア――。

 

 8月上旬にラスベガスで開催された情報セキュリティーの専門家による毎年恒例の国際会議「ブラックハット」とハッカーの技術力を競う「デフコン」で、こんな悪夢のシナリオが話題に上りました(ラスベガス自体がある意味、悪夢のような街ですが)。ブラックハットのようなイベントではすでに、自動運転車を狙ったランサムウエア(身代金要求ソフト)の話が専門家の間で取り沙汰されています。ドライバーがお金を支払わない限り、車内から出られないという悪意あるソフトのことです。また、自動運転車の操縦を乗っ取り、ドライバーが望まない場所、例えばラスベガスのような場所へ強制的に連れて行くというシナリオも考えています。

 

 あらゆる悪夢のシナリオの中で、自動運転車を標的にしたランサムウエアが最も悪質のように聞こえます。加害者は車の中に被害者を閉じ込めて、カネを支払うまで待つだけでなく、被害者を拷問のような状態に置くこともあり得るからです。車載ラジオが操作され、野球の指名代打者制度の廃止を巡るトーク番組をずっと聞かされ、その後、オクラを食べてどれだけ人生が変わったかについて本を書いた女性にNPR(公共ラジオ局)がインタビューした番組を24時間にわたって聞かされ続けることもあり得るというわけです。そうなれば、あなたは耳をそろえてカネを払うことになるでしょう。きっとそうなります。

 

 払わなければ、ハッカーたちはさらにヒートアップするでしょう。スポティファイ(スウェーデンの音楽配信大手)のアカウントから、あなたが運転中にどんな音楽を好んで聴いているのか、どんな音楽をひどく嫌っているのかを彼らは正確に把握しています。そして容赦なく攻撃するのです。

 

 自動運転車に閉じ込めたまま、ドライバーを望まない場所へ連れて行くことも想定できます。カナダ西部のアルバータ州。母親の家。職場。フーリガン(過激なファン)が自動運転車の操縦を奪えば、はるばるカリフォルニア州サンディエゴまでメジャーリーグ(MLB)のパドレスとブリュワーズの試合に無理やり連れて行かれるかもしれません。

 

 しかし、良い面もあります。ランサムウエアは適切な扱われかたをすれば、社会のニーズに応えて、暮らしをより快適にすることもできるのです。

 

 ランサムウエアに政治家の自動運転車を乗っ取らせ、長い間苦しめられてきた国民による遅すぎた報復を味わわせることができます。車内に閉じ込められた政治家はトーク番組で自分の口から出てきた発言を聞かされ続けます。もう二度と空虚な約束はしないと誓うまでそれは終わりません。そしてすべてがうまく運んだら、アイドル歌手のジャスティン・ビーバーや、シンガーソングライターでギタリストのデイブ・マシューズ、そしてロックバンドのフィッシュにモーツァルトの「レクイエム」を車内で聞かせ続けることができます。永遠に。全員が同じ車内にいれば尚のこといいでしょう。(ソースWSJ

2016年8月25日 (木)

テスラ、航続距離500キロのEV電池を発表!

米電気自動車(EV)メーカーのテスラモーターズは23日、1回の充電での走行距離が315マイル(約507キロメートル)のEV用電池を発表しました。

 

 テスラは、この容量100キロワット時の電池「P100」を搭載するセダン「モデルS」と多目的スポーツ車(SUV)「モデルX」の発売を明らかにしました。同社の有名な「ルディクロス(ばかげた)モード」で走行する「P100」バージョンの販売が開始します。

 

 大手自動車メーカーとしてはこれほどの距離を走るEVを提供するのは初めてだとしています。

 

 既存のテスラ車の航続距離は210270マイル。

 

 テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は電話説明会で、同社が「世界最速の車」を提供するとした上で、それがEVだという事実は自動車業界の将来を暗示する画期的なことだと語りました。テスラは、停止状態から時速60マイルまでセダンで2.5秒、SUV2.9秒で加速できると説明しました。

 

 価格設定はセダンの「P100D」が134500ドル、SUV135500ドル。(ソースWSJ

2016年8月18日 (木)

中国、世界初の量子通信衛星を軌道に!

ゴビ砂漠から16日未明に打ち上げられた量子通信衛星「墨子」搭載のロケット長征2Dは、科学の最も挑戦的な一分野の最前線に中国を押し上げる見通しです。

 

 それによって中国は、喉から手が出るほどに欲しい通信技術を求めて競争しているサイバースパイの時代に世界のライバルを大きく引き離す態勢を確保できます。それは「ハッキング(盗聴)不能な通信」という資産です。

 

 国営メディアは、中国が16日午前140分(日本時間午前240分)ごろ、内モンゴルの人工衛星打ち上げ基地から世界で初めての量子通信衛星をロケットに搭載して軌道に乗せたと報じました。準備から5年経過しているこの量子通信衛星プロジェクトは、世界中の科学者や安全保障専門家らが注視しています。

 

 この量子通信衛星プログラムは、ハードサイエンス(自然科学)研究で西側に追い付き追い越すため、中国が過去20年間にわたって何十億ドルものカネを注ぎ込んできた戦略の一部です。

 

 ジュネーブ大学のニコラス・ギシン教授(量子物理学)は「中国は、量子衛星レースに勝利する公算が極めて大きい」と述べ、「それは、中国が大規模で野心的なプロジェクトを計画・実現する能力を持っていることを改めて示している」と語りました。

 

 米国、欧州、日本、その他諸国の科学者は、亜原子粒子(原子よりも小さい粒子)にある奇妙で潜在的に強力な特性を競って探究していますが、中国の科学者たちのように大規模な国家支援を受けている科学者は少数だ、と研究者らは言います。量子技術は、今年3月に公表された中国の5カ年経済発展計画における最優先の戦略的研究課題です。

 

 中国政府は量子研究にどれだけの資金を配分したのか、あるいは重さ1400ポンド(約635キログラム)の量子通信衛星を製造するのにいくらかかったか公表していません。しかし量子物理学を含む基礎的研究予算は2015年に1010億ドルに達しており、05年時点の19億ドルを大幅に上回っています。

 

 科学者や国防・情報などの当局者のグループが7月にまとめた議会報告によると、米国の量子研究に対する連邦予算は年間約2億ドル。同報告は量子科学の発展は「米国の国家安全保障を強化するだろう」と述べていますが、資金規模が変動するため進歩が遅れているとも指摘しています。

 

 中国政府は、中国生まれで外国で教育を受けた量子物理学専門家を中国に呼び寄せるよう努力しました。その中には今回の量子通信プロジェクトを指揮している物理学者の潘建偉氏も含まれています。

 

 潘氏は15日放映された中国国営テレビとのインタビューで、「われわれは世界中の研究室で良い技術をすべて吸収し、(中国に)持ち帰った」と述べました。

 

 潘氏は、中国政府の国家支援を得て、自分の博士号取得の指導教官だったウィーン大学の物理学者アントン・ツァイリンガー教授を追い越すことができました。ツァイリンガー教授は2001年以降、同様の衛星を打ち上げるよう欧州宇宙機関(ESA)を説得しようと努めてきたといいます。ツァイリンガー教授は「これは困難なプロセスで、長い時間がかかる」と述べ、同教授は現在、自分の元学生である潘氏の衛星に協力しています。

 

 潘氏も、量子衛星プロジェクトを推進している中国科学アカデミーも、コメント要請に応じませんでした。ESAと、米国の基礎的科学研究に連邦資金を手強している米国科学財団(NSF)も、コメントの求めに応じていません。

 

 シンクタンク「ニュー・アメリカ」(本部はワシントンD.C.)のフェロー、ジョン・コステロ氏は、この量子衛星分野への中国の投資について、米国のサイバー能力への恐怖によって駆られているという側面もあると述べ、米国が中国のネットワークに深く侵入していたことが2013年に暴露された点を指摘しました。また同氏は、米国の研究機関は強力な量子コンピューターをいかに構築するか研究していると述べました。それは数学ベースの暗号(通信の安全確保のため現在世界的に使用されている)を理論的に解読できるコンピューターだといいます。同氏は「中国政府は、電子スパイ活動に中国がとりわけぜい弱になっていることに気付いている」と述べています。

 

 しかしコステロ氏は、量子通信は本質的に防御的なものだと指摘し、米国は中国の動きを国家支援のハッキング(盗聴)計画と認識していますが、その計画から中国は恩恵を受けないだろうと述べています。

 

 量子暗号は、どんな種類の計算力(コンピューターの持つ能力)からも安全です。それは、量子に暗号化された情報は「測定」されるや否や破壊されるからです。ジュネーブに本拠を置く量子暗号会社IDクアンティーク社の共同設立者グレゴワール・リボーディ氏は、それを、せっけんの泡の表面に書き込まれたメッセージにたとえた。同氏は「送信中のそれ(量子暗号化情報)を誰かが傍受しようとして触れると、破裂してしまうのだ」と語っています。

 

 量子物理学者らは近年、地上の短距離間で安全に通信するため、光子(光量子)を利用する方法を発展させました。今回の中国の量子通信衛星は、もし成功すれば、ハッキング不能な通信の距離を飛躍的に拡張できるようになるとみられています。

 

 潘氏は国営メディアに対し、量子通信が地球規模で実現するかどうか実験するため、同氏のチームは「量子暗号鍵(キー)」を北京からウィーンまで照射するつもりだと述べました。

 

 南京大学の馬小松教授は、この実験が成功すれば「すごいことになるだろう」と述べており、馬氏はウィーンで訓練を受けた量子物理学者で、中国の衛星プロジェクトの初期段階に協力しました。

 

しかし量子暗号は完全無欠ではありません。例えばハッカーは、量子レセプター(受容体)に強烈なレーザーを照射することによって、不注意なレシピエント(受容者)を欺くことが可能だろう、と量子技術センター(シンガポール)の主任研究官アレクサンダー・リング氏は言います。

 

 米国のセキュリティー専門家も、量子通信のもつ複雑さを十分に簡素化できるかどうか疑問だとしています。

 

例えばジェームズタウン財団で中国の情報活動を研究しているピーター・マティス研究員は「不可避的に、この種の技術には問題がある。このため集中的なトレーニングを経ない人々がそれを使うと、状況を混乱させてしまう」と述べています。

 

 しかし前出のウィーン大学のツァイリンガー教授は、どんな難題があっても、今回の衛星によって中国と量子力学分野は技術的突破口の入口に立つと述べました。同教授は「長期的には、この技術がわれわれの現在の通信技術に代わる大きな機会が存在している」と述べ、「そうならないとみる基本的理由は見当たらない」と語りました。(ソースWSJ

2016年4月 3日 (日)

尿で発電する技術、貧困地域を照らせるか!

世界の最も貧しい地域では、エネルギーが不足している。尿から電気を生み出す見通しに一部の科学者が色めき立っているのはこのためです。

 

 人間の排せつ物は、つまるところ、どのコミュニティーにも大量にあるものの1つです。また、研究により、微生物燃料電池(MFC)という装置を使い、少量の尿で少量の電気をつくれることが実証されました。平均的な人間は1日に1リットルから2リットル弱の尿を排出します。

 

 問題は、発電量がわずかな割に燃料電池のコストが高いことです。しかし、英国の研究チームが最近、発電量を増やしながらも、実験的な燃料電池のコストを抑える方法を考案しました。この結果、尿を発電源とする燃料電池は、大きさが約6.5平方センチメートル未満でコストが1.503ドル(約170340円)になりました。発電量は依然としてわずかですが、電池は数滴の尿で稼働するものであり、開発は正しい方向に向かっています。

 

 微生物燃料電池に注目が集まっているのは、自然に発生する微生物を使って室温で稼働し、しかも有害な廃棄物がほとんど出ないという理由からです。電池内の微生物は、尿に含まれる尿素などの有機物を分解することで電子を放出します。燃料電池はこの電子をアノード(電子が出て行く極)からカソード(電子を受け止める極)に流れる電流に変えることができます。

 

 アノードには反応速度を上げるためにプラチナが含まれていることがしばしばですが、英国の科学者チームは、炭素布とチタンワイヤーで代用することでコストを抑えられることを発見しました。チームはブドウ糖と卵のタンパク質(どちらも生ゴミに多い)でできた触媒も追加しました。電極の長さを2倍にしたところ発電量が10倍に増え、3つの小さな燃料電池を互いに重ねても同様に10倍になったといいます。

 

 ただ、これらの小さな装置がすぐにラスベガスの夜を照らせるようになるわけではありません。1個の燃料電池が2-3滴の尿で発電するのは、100万分の1ワット未満です。専門家の間には、発電量があまりにも少ないため、尿を使った燃料電池が普及することはないと見る向きもあります。ペンシルベニア州立大学の微生物燃料電池専門家、ブルース・ローガン氏は、「尿は発電源としての価値より、肥料としての価値の方が高いのではないかと思う」と話しています。同氏は英国チームの研究には参加していません。

 

 この技術を実世界で使えるほどスケールアップするのは、物理学の法則上難題ですが、論文の執筆者の1人であるイオアニス・イエロポロス氏は既に、尿を発電源とする燃料電池を多数使って携帯電話に電力を供給しているといいます。共同執筆者の1人であるミレラ・ディ・ロレンソ氏によると、現在努力を集中しているのは、より大きな燃料電池を作ることではなく、「電池の有効なミニチュア(小型)化と乗法化」の実現だといいます。同氏によれば、尿を発電源とする燃料電池は、他の再生可能燃料と競うことを目的としておらず、どこにでも普遍的にある廃棄物を使う目的で作られています。

 

 同チームは、この技術のおかげで、最終的には開発途上国の電気の全くない場所で小さな電気が提供できるようになるよう望んでいるといいます。(ソースWSJ

2016年1月29日 (金)

太陽系に「第9惑星」か 米大学研究グループ発表!

太陽系の外れに、1万年から2万年の周期で回る、新たな惑星が存在する可能性があると、アメリカのカリフォルニア工科大学の研究グループが発表し、実際に観測されると、太陽系の「第9惑星」になるとして大きな話題を呼んでいます。

 

これは、アメリカのカリフォルニア工科大学の研究グループが、20日、アメリカの天文学の専門誌に発表したものです。それによりますと、研究グループは過去10年余りの間に太陽系の外れの場所で発見された6つの天体の軌道に注目し、分析を続けてきました。

 

その結果、これらの天体が現在の軌道にあるためには大きな質量を持つ新たな惑星が存在して、その惑星の影響を受けなければ説明がつかないことが分かったということです。存在する可能性がある新たな惑星は、重さが地球のおよそ10倍で太陽の周りを1万年から2万年の周期で回っていると考えられるということです。

 

今回の論文の著者の1人、マイケル・ブラウン教授は、2005年に太陽系の外れにあるエリスという天体を発見するなどして冥王星を惑星の定義から外して、太陽系の惑星の数を8つにする議論のきっかけを生み出した研究者として知られています。

 

ブラウン教授は、「今は太陽系に9つの惑星が存在すると信じる」とコメントし、今後、実際に新たな「第9惑星」が観測されるか大きな注目を集めています。(ソースWSJ

2016年1月16日 (土)

グーグル自動運転車のニアミス、14カ月で13回!

Googleの自動運転車は優に1年以上にわたり、カリフォルニア州マウンテンビュー付近の道をおおむね無事に走り続けてきましたが、いざというときには即座に運転を替わる人間をまだ必要としています。

 

 カリフォルニア州自動車局が20161月第2週に公開したレポートによると、Googleの自動運転車は少なくとも13件のインシデントで、人間のドライバーが介入しなければ何かにぶつかっていたといいます。

 

 このレポートによれば、201511月までの14カ月間において、カリフォルニア州内でのテスト中に人間が運転を替わる必要が生じたのは341回で、そのうち272回は、その丸味を帯びた形の車に搭載された自動運転技術の不具合によるものだったそうです。

 

 これらの不具合の大半を占めるのは、ソフトウェアまたは認識のエラーだった。また、そのような不具合が発生したすべての事例で、テストドライバーは車から警告を受け、手動運転に切り替えていました。何が問題だったのかを解明するために、すべてのインシデントは記録され、後にシミュレータで再現されています。シミュレータでの検証の結果、人間の介入がなければGoogleの自動運転車は衝突していたと思われる事例は、記録されたインシデントのうち13回だけだったといいます。

 

 Googleの自動運転車が起こしたニアミスのうち2件は、道路に置かれたコーンをよけようとした際に発生したもので、テストドライバーが代わりに運転したため、他の車からぶつけられずに済んだケースも3件ありました。後になってGoogleのエンジニアがシミュレータでこれらの状況を再現してみたところ、人間のドライバーが関与しなければ、自動運転車は他の車にぶつけられていたことがわかったそうです。

 

 「このような出来事はめったにないもので、当社のエンジニアがこうしたシミュレーションでの衝突について慎重に調査し、ソフトウェアを改良して自動運転車が安全に走行できるようにしている」とGoogleはカリフォルニア州自動車局のレポートの中で述べています。ソフトウェアの「修正」は長距離のシミュレーション走行によるテストを経た上で、実際の路上でもう一度テストされると同社は説明しています。修正がうまくいったことが確認されれば、全車にその修正が適用されます。

 

 Googleによれば、自動運転車の走行距離が増えるにつれて、シミュレータでの再現を必要とする問題事例の数は減少するといいます。ただし、こうした事例がめったに起きないがゆえに、傾向を把握するのは難しかったようです。Googleの自動運転車がカリフォルニア州の公道を走行した距離は合わせて424331マイル(約68km)で、20154月以降はニアミスに1件も遭遇していないそうです。(ソースCNET

2016年1月13日 (水)

テスラ、自動運転機能に制限 危険走行に対応!

米電気自動車のテスラ・モーターズは、自社車両の自動運転機能に制限を加えました。自動運転機能付きの車両をオーナーが危険な状況で「手放し」運転している様子を撮影した動画が多く出回っていることが背景です。

 

 同社はインターネットを経由させたソフトウエアのアップデートで自動運転機能に制限を加えたほか、遠隔操作で自動車を自動駐車させる、もしくは目の前に呼び出すことが可能な機能を追加しました。遠隔操作が可能な範囲は最大39フィート(約12メートル)。

 

 テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は第3四半期決算の電話説明会で自動運転システムのソフトウエアをアップデートする方針であることを明らかにしていました。走行している間に運転手が後部座席に移動したり、読書をしながら運転したりといった、危険な状況で走行している動画が多数、ネットに掲載されていることが背景にあります。

 

 このアップデートにより、テスラの自動車は住宅街の通りや中央分離帯のない道路で自動運転機能が利用できないことになりました。また、自動運転機能を利用する場合、掲示されている制限速度を5マイル以上超える速度での走行が不可能になります。

 

 テスラは昨年10月に自動運転機能の搭載を始めました。この機能を使えば、渋滞中の道路から高速道路まで、あらゆる走行でハンドルやペダル操作が不要な運転が可能であり、縦列駐車も自動で行ってくれます。(ソースWSJ

2016年1月 6日 (水)

ドローンが変える米空軍の文化、下士官も操縦士に!

ここ数年、米空軍ではドローン(無人機)需要の高まりを受け、「パイロット文化」が変化を余儀なくされています。航空機のコックピットではなく、砂漠に配備されたハイテクトレーラーの中から遠隔操作でドローンを操縦するパイロットが増えているのです。彼らの白いスカーフは家に置かれたままだ。

 

 中東の過激派組織「イスラム国」(IS)の台頭をはじめとする様々な脅威を背景に、ドローンとそのISR(情報、監視、偵察)活動への必要性が一貫して増すなかで、米空軍はさらなる文化的変革に乗り出しました。一部のドローンを対象に、将校(士官)だけでなく、下士官にも操縦を初めて認めることにしたのです。

 

 米空軍はこれまで、ドローンのパイロットにも将校の階級を義務づけてきました。しかし、今月、米空軍のデボラ・リー・ジェームズ長官は 攻撃能力を持つ主力の「MQ-1プレデター」と、その性能を向上させた改良機「MQ-9リーパー」などのドローン操縦員を対象に、規定の一部を緩和する方針を明らかにしました。

 

 下士官にもドローンの操縦を認めることになるこの動きは、以前から予想されていたものでした。ジェームズ長官はほんの小さな第1歩を踏みだし、来年までに下士官による偵察機「RQ-4グローバルホーク」の操縦が可能になると発表しました。全長50フィート(約15メートル)の同偵察機は1機が13000万ドル(約1565000万円)です。

 

 これはドローン操縦で下士官がこれまでより大きな役割を担う道を開く動きだと政府関係者は言います。

 

 ジェームズ長官は最近のインタビューで「私が知る限り、下士官は適切な訓練を受けさえすれば、あらゆることができる」と述べました。

 

 限られた数のドローンパイロット(全員が士官)がより多くの作戦に駆り出されるようになり、米空軍は能力の保持やモラル面、訓練面での課題に直面することになったのです。また、今回の動きは防衛費の削減と人員カットに米軍が取り組む中で発表されました。 

 

 一方で、下士官へのパイロット職開放の動きには抵抗もあるようです。志願者を引きつけることにすでに苦労している空軍で、下士官がドローンを操縦するようなことになれば、職務に対する人々の敬意がさらに薄れかねないと指摘する声が関係者の中から出ています。

 

 士官たちの多くはF-15 F-16、もしくはより新しい戦闘機の操縦を夢に描いて空軍に入隊します。しかし、イラクやアフガニスタンの戦争に加え、北アフリカやさらに遠くの東南アジアでの作戦により、ドローン操縦員の需要が大幅に高まりました。こうした土地への地上部隊の派遣があったとしても非常に少なくなるなか、ドローンの必要性は高まるばかりだったのです。今や軍の司令官のほぼ全員が、ドローンの能力向上が不可欠だと口をそろえています。

 

 米空軍は近年、F-16戦闘機など従来機の操縦資格を持っているパイロットたちをラスベガスから約80キロ離れたクリーチ空軍基地などにある暗い建物に押し込め、イラクやアフガンの上空に遠隔操作でドローンを飛行させてきました。

 

 米空軍の航空戦闘司令部(ACC)で報道官を務めるショルティス大佐は「需要が減退せず、一方で軍の規模を抑える圧力を受け続けるのであれば、別の方法を検討しなければならない」と話します。「(偵察機の)グローバルホークの操縦を下士官のパイロットに認めるというこの一歩がそれです」。

 

 現在、MQ-1MQ-9のドローンパイロットは約970人、RQ-4は約200人います。

 

 米空軍は向こう半年の間に給与体系などを整えていく見通しです。空軍の報道官は電子メールの中で、「持続可能な職務の領域を維持するため、適切な報酬について検討を続ける」方針を明らかにしました。

 

 デービッド・デプチュラ元空軍中将は適切な訓練を受ける限り、下士官にドローン操縦の職務を開放することに賛成だと話します。2010年に退任するまで、デプチュラ氏はISR(情報、監視、偵察)の活動本部を率いていました。在任中は高中高度ドローンの操縦員の需要が650%増えたと指摘しています。

 

 デプチュラ氏はまた、下士官に門戸を開くことは空軍将校が有人機の操縦に戻るひとつの方法であり、戦闘機パイロットのイメージとそれに伴う全ての魅力を回復することだと言います。「自尊心のあるパイロットは誰も白い絹のスカーフを巻いたりしない」と冗談を飛ばしました。(ソースWSJ)

2015年12月28日 (月)

慢性的な深酒、知らぬ間に脳に打撃!

クリスマスなどホリデーシーズンの酔いを覚ますような話をしましょう。慢性的な深酒は知らぬ間に脳にダメージを与えている可能性があります。酔っぱらっていない人や、明らかに中毒になっていない人であっても、そうなり得るということです。

 

 アルコールに関連する脳のダメージは、不十分にしか診断されず、アルツハイマー病あるいはその他の認知症と混同されがちです。このほか、単に加齢のせいだとされる場合もある、と専門家は指摘します。

 

 現在では、脳の画像診断によって、長期にわたるアルコールの乱用が脳の構造を変化させ得ることが明らかになりつつあります。脳の中で学習、記憶、意思決定や社会的行動をつかさどる領域にある灰白質(中枢神経系の神経組織のうち、神経細胞の細胞体が存在している部位)の神経細胞を萎縮させると同時に、脳のある部分とある部分とをつなぐ白質(神経細胞体がなく、有髄神経線維ばかりの部位)の神経線維にダメージを与えているのです。

 

 アルコールの影響について長年研究しているスタンフォード大学のエディス・サリバン教授(精神・行動科学)は、「われわれの灰白質はみな、歳を重ねるにつれて少し減り、白質の統合性も少し失われます。しかし、アルコールを沢山飲む人の場合、これらの領域がより速いペースで衰えるのです。それは、まるで老化が加速したかのように見える」と話します。

 

 長期的なアルコールの乱用は、感情や不安を調節している脳の機能を変化させ、睡眠システムを破壊し、人体に幅広い影響をもたらします。「アルコール誘発性の神経認知障害」および「アルコール関連の認知症」と臨床医が診断するケースはますます増えています。

 

 では、どのくらいが飲み過ぎで、どのくらい長い間続くと問題なのでしょうか。研究者たちはその質問に答えたがりません。なぜなら、アルコールの影響は個人差が大きいほか、遺伝、年齢、性別、消費のパターン、そして全体的な健康状態にもよるからです。米国立アルコール乱用・依存症研究所(NIAAA)によると、深刻な健康問題が起こる確率が低いとされる飲酒量は、男性ならば1週間に14ドリンク、1日では4ドリンク(訳注=ドリンクは基準飲酒量。米国では1ドリンクは14グラムのアルコールでビール小瓶1本の量に相当する)を超えない場合、女性ならば1週間で7ドリンク、1日では3ドリンクを超えない場合です。ただし、これよりもっと少ない量で深刻な影響を受ける人もいます。

 

 一方、一部の研究では、適度に酒を飲む人々(一般的に女性なら11ドリンク、男性なら12ドリンクと定義される)の場合、心血管疾患、うつ、一部の認知的な問題を起こすリスクが、全く酒を飲まない人より低いことが示されている。ただし、そのリスクはアルコールの摂取量が増えると急激に上がります。認知症の専門家で、英エクセター大学医学部の上級講師(公衆衛生)を務めるイアン・ラング氏は、「低量のアルコールは脳への血液の流れを改善するのかもしれない。しかし、それと脳内の白質の減少とは表裏一体です。どこかに、有害な影響が恩恵を上回る『転換点』が存在するのかもしれない」と話しています。

 

 また、はっきりしないのは、重要な脳内接続がまだ形成中である10代ないし20代の深酒が、その後の生活における脳機能に持続的な影響をもたらすか否かです。

 

 一部の研究者たちは、戦後生まれのベビーブーマーが歳を取るにつれ、認知的な問題が急増する事態に備えています。ゲーリー・ケネディ博士は「悲しいことに、ベビーブーマーは1960年代に大量にアルコールにさらされていた人々がいて、彼らのアルコールに関連した死亡リスクや疾病リスクが、それ以前の世代よりかなり高くなっていると思う」と述べています。(ソースWSJ

より以前の記事一覧