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経済・金融・投資

2016年10月19日 (水)

ケインズ博士:勇気こそ投資のカギ!

株式市場が大暴落すれば、われわれの誰もが一歩踏み出して大胆にも株式を買うことだろう――少なくとも想像の世界では。

 

 ところが、市場が大暴落しているときに株式を買うことの難しさは想像をはるかに超えています。偉大な経済学者であると同時に偉大な投資家でもあったジョン・メイナード・ケインズ博士が、米株式市場が最高値から最安値まで80%以上も下落した1929年のウォール街大暴落の直後にどのように投資したのかを調べた新たな研究が発表されました。ケインズ博士の経験は、すべての投資家に準備、勇気、忍耐の大切さを教えてくれるはずです。

 

 ケインズ博士は1920年代初めから死去した1946年までに数冊の本を著し、経済政策に大改革をもたらし、現在の世界金融制度の構築にも寄与しました。ケインズ博士は本業とは別に、ケンブリッジ大学のキングス・カレッジの大学基金の運用も行っていました。最悪の株価大暴落、最悪の恐慌、近代史における最悪の戦争などがあった1922年から1946年までの期間、ケインズ博士の株式ポートフォリオは平均すると、英株式市場を年率6%ポイント近くもアウトパフォームしました。

 

 それでも、ケインズ博士は史上最高の投資家とは見なされてきませんでした。割安の株式を買うことを重視する今日で言うところのバリュー投資家だったケインズ博士は、1920年代の超強気相場で置いてきぼりを食ってしまいました。ケインズ博士は世界大恐慌の到来を予期しておらず、1929年当時には他の大学基金のほとんどが圧倒的に国債を選好していたにもかかわらず、大学基金の約90%を株式に投資したまま米株の大暴落を迎えていました。

 

 ケインズ博士のポートフォリオは、1929年の終わりまでの5年間の累積で、英株式市場を40%ポイントもアンダーパフォームしていました。しかし、ケインズ博士はすでにそのパフォーマンスを好転させたのです。

 

 ケンブリッジ大学ジャッジ・ビジネス・スクールで金融学を教えるデービッド・チェンバース教授とバッキンガム大学の経済学者アリ・カビリ氏は、学術誌ビジネス・ヒストリー・レビューに掲載された新しい研究論文で、ケインズ博士が大暴落とそれに続いた大恐慌で打ちのめされた米国株に多額の投資を行うための勇気をどのようにして奮い起こしたのかを分析しています。

 

底値買いの好機

 

 ケインズ博士は19309月まで、その大学基金の投資先として米国株をほぼ完全に無視していました。驚くべき時期に米国株に関心を持ったものです。米株式市場はそれまでの12カ月間で38.4%も下落していました。ところがケインズ博士は、米国で広がっていると見た底値買いの好機に余りにも興奮し、その株式市場と自分の投資アイデアをリサーチするためにニューヨークの小さな証券会社ケース・ポマロイと連携しました。米国株が47.1%も下落した1931年とさらに5.9%下げた1934年には米国を訪問し、滞在期間の大半を自分の投資アイデアのリサーチの糧となりそうなウォール街、政府、企業などの関係者たちとの会合に費やしました。

 

 ケインズ博士は不景気のあいだずっと米国株を買っていました。米国株が38.6%も下落した1937年にも、それにひるむことなく買い増していました。1939年には、その大学基金の主要ポーフォリオの半分を米国株が占めるまでになっていました。ケインズ博士は高配当の優先株、投資信託(今日のミューチュアルファンドに似た分散型株式ポートフォリオ)、そしてのちには公益事業株を選好しました。ケインズ博士は株価純資産倍率(PBR)が低い少数の株式に的を絞り、株価が上昇してようやく純資産額が反映されるようになるまでそうした株式を8年以上も保有し続けることが多かったのです。

 

勇気も必要

 

 投資に影響を与えてきた人物はあまたいますが、ケインズ博士が80年前に著した「雇用、利子及び貨幣の一般論」の12章は、そのほとばしる才能が最も凝縮された章の1つであり続けています。その言葉からはウォール街が流血していたときに株式を買う上で必要だったはずの決意がうかがえます。

 

 「現代の投資市場の惨状はときに私をある結論に向かわせてきた。その結論とは、投資資産の購入を結婚のように永続的で、死やその他の深刻な理由なしでは解消できないものにすれば、現在の諸悪の有効な治療法になるかもしれないというものである。そうすれば投資家は長期的な見通しだけを考えることになるだろう」と。

 

 ケインズ博士は米国の伝説的なバリュー投資家、ベンジャミン・グレアム氏と同様、弱気相場は余りにも予測不可能なので、確実にそれを避けるのは不可能に近いということ、そして投資で資金を失うことの痛みにはほぼ耐えられないということを理解していました。

 

 それでも、ケインズ博士は弱気相場を避けようとするのではなく、そこに踏み込んで買うのが勝利する方法だということを知っていました。長い目で見ると、株式には下落の幅以上に上昇するという傾向があるので、下落相場で積極的に株を買うための度胸は投資家が持つことができる最大の武器の1つと言えます。

 

 これには資金と勇気の両方が必要になります。

 

 今日の米国株は過去最高値からまだそれほど下がっていないので、現金での保有がこれまで以上に得策に思えます。

 

 そして、勇気を強固にしておくことも大切です――退職している、または退職が近い場合は話は別で、おそらく株式の保有割合を縮小させておくべきでしょうが。25%、50%以上の株価暴落があったら、株式を買い増しすることを約束する自分との契約書を作成し、友人や家族に証人になってもらうといい。数年後にはそれをしておいて良かったと思うことでしょう。(ソースWSJ

2016年10月14日 (金)

ブレグジット、英ポンドと英国債に打撃!

英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)が金融市場に悪影響を及ぼし始めています。最も明白な犠牲を被っているのは、7日のアジア取引時間に対ドルで一時急落した英ポンドです。しかし同時に英国債も打撃を受けており、これは好ましい組み合わせではありません。

 

 英ポンドはブレグジットの是非を問う国民投票以来ドルに対して0.25ドル余り下落しており、今週だけでも約0.05ドル値下がりしています。7日のアジア取引ではわずか数分の間に6%以上急落しました。薄商いの中でアルゴリズム取引が下げを増幅したと指摘されています。ロンドン取引時間に入っても不安定な値動きが続きましたが、米雇用統計の発表後に1.24ドル超に回復しました。一方、英10年債利回りは今週、20ベーシスポイント(bp)余り上昇しています。英国債としては大きな動きで、英イングランド銀行(中央銀行)が超緩和的な金融政策を実施し、債券買い入れ措置を再開しているにもかかわらず、利回りは3カ月ぶり高水準に達しました。

 

 ブレグジットの問題は、623日の国民投票でEU離脱派の勝利につながった山積みの懸念を緩和する政治的な必要性と、欧州と深く絡み合った英国経済の実態との折り合いをつけなければならないことです。これを成し遂げるのは難しいように思われ、英国がこれまでに確立した関係の多くに影響を及ぼす破壊的な離脱となるリスクが高まっています。そのため先進国市場では必要に迫られた時にしか行われない政治リスクプレミアムの織り込みが必要となり、急激な調整を招くことになります。

 

 市場の変動自体も政策当局者には頭痛の種となり得ます。英ポンドの下落はある種安全弁の役割を果たしているのですが、これが暴落に発展すれば話は別です。4-6月期に国内総生産(GDP)比5.9%となった英国の経常収支赤字をめぐる懸念が再燃する恐れもあります。さらに、英ポンド安はすでに上昇傾向にあるインフレを一段と押し上げるでしょう。

 

 最終的に、これは相反する力への対応を迫られるイングランド銀にとって問題となりかねず、英国債利回りの上昇は金融環境の引き締まりを招くため望ましくありません。しかし、インフレが大幅にオーバーシュートすれば、イングランド銀が政策措置を講じる余地が限られる可能性もあります。金利を引き下げればインフレを促進するリスクが生じ、英ポンドをさらに圧迫する一方、ポンドの防衛やインフレ抑制のために金利を引き上げれば、経済活動を減速させる恐れがあります。非伝統的金融政策の便益と費用を疑問視する見方が強まっている世界では、これまでと異なる政策措置を打ち出すのもリスクが高いのです。

 

 英国はかつて、特にユーロ圏が債務危機に苛まれていた時には、セーフヘイブン(安全な逃避先)としての役割を担うことで相対的に恩恵を受けてきました。しかし英国の経済モデルが流動的で、将来的な姿が不確実な中で、セーフヘイブンの地位は明らかに損なわれました。市場が定量化しにくい新たなリスクに直面すると、その反応が小さくなることはほとんどありません。経済ではなく政治が主導している現状では、投資家は不安定な相場動向に備えるべきでしょう。(ソ-スWJS)

2016年10月13日 (木)

伊藤忠、純利益と株主資本の不協和音!

伊藤忠商事は、20163月期通期の業績を自ら称賛しました。同期には同業他社の一部が多額の赤字を計上したのですが、伊藤忠の純利益は5年連続で2000億円を上回り、同業でトップとなりました。

 

 岡藤正広社長は年次報告書で、伊藤忠が常に「『有言実行』を貫く企業」だと述べ、収益性のある事業に投資したとの自負をにじませる一方、同業他社の決算が自社を下回ったことについては「敵失」だとしました。

 

しかし、しっくりこない点がひとつあります。多額の純利益にもかかわらず、総資産から債務を引いた株主資本は2400億円減少したのです。原因には、為替などの避けられない要因もあったでしょう。しかし、投資案件の会計処理も影響したのでは。

 

 伊藤忠は出資先のコロンビアの石炭事業について評価額を前年度から800億円引き下げましたが、それ以前に会計処理方法を変更していたため、この変更は純利益に影響しなかった。一方で、ほとんど現金を生んでいない中国投資は純利益に貢献したのです。

 

 伊藤忠を取り巻いているのと同様の会計処理に関する話題は、過去数年の原油、天然ガス、石炭相場急落を受けて世界中で浮上しています。昨年にはシンガポール上場の資源専門商社ノーブル・グループが、石炭生産会社の権益の評価方法に関する匿名の批判をきっかけに、厳しい視線にさらされました。ノーブルはいかなる不正も行っていないとしています。米ニューヨーク州の司法長官は、石油大手エクソン・モービルが同業他社と違って資産の評価損を計上していない理由を調査しています。エクソンは、財務についてあらゆる規則を順守していると述べています。

 

 伊藤忠の会計処理は、空売り投資ファンドの米グラウカス・リサーチ・グループ(カリフォルニア州)が7月に発表したリポートで批判され、東京のアナリストの間で話題になりました。岡藤氏は自社の純利益を自賛し、多くの投資家は純利益を一番の業績指標だとみていますが、アナリストらは純利益が常に最良の指針とは限らないかもしれないと指摘しています。

 

 野村証券エクイティ・リサーチ部の成田康浩氏は「会計上の利益はそのまま利益が出ているからといって評価はしにくい」と述べました。「岡藤氏は純利益が好き。利益額で業界ナンバーワンの三菱を抜くというのを標榜(ひょうぼう)して、前期に抜いたわけですが、今期も抜きたい」と思っているといいます。

 

 伊藤忠は「適正に決算を実施している」と話す。直近の年度まで、純利益が株主資本の増加に貢献してきたといいます。同社は当局から何ら不正行為を問われていません。商社は子会社などが多く、価値の算定が難しい。伊藤忠は、コーポレートメッセージ「ひとりの商人、無数の使命」の下、6月末時点で世界中に子会社212社、関連会社や合弁会社108社を擁しています。

 

 2011年には、米アラバマ州のドラモンド社が率いるコロンビアの石炭生産・輸送会社の権益の20%を15億ドルで取得しました。石炭価格が下落し始めるなか、程なく問題が浮上しました。13年と14年にはコロンビア政府が、環境への懸念を理由にドラモンドの港の操業を一時停止させたのです。生産量は見通しを下回りました。一部のアナリストは、伊藤忠の権益の評価額が15億ドルを大きく下回っており、評価損計上により純利益が打撃を受ける可能性が高まっているのではないか、と疑い始めたと話しています。

 

 伊藤忠は152月に会計処理の変更を報告しました。同社によれば、コロンビアの石炭共同事業への追加出資を控えると決めたことから、1410月に契約見直しが行われ、その結果、同社は事業の予算と設備投資を管理する権限を失いました。また、伊藤忠の20%の権益が将来的に希薄化されかねないことを意味する優先株を、ドラモンドが受け取ったといいます。ただ、権益比率は現在のところ20%で変わっていません。ドラモンドは再三のコメント要請に応じませんでした。

 

 国際財務報告基準(IFRS)によると、企業は出資先に重要な影響力を持つ場合、その出資先の純損益を自社の損益計算書に反映させることになっています。IFRSによれば、20%の権益は大きな影響力を生むと推定しています。

 

 伊藤忠はコロンビアの事業について、契約見直しにより重要な影響力を行使できなくなったとしています。これは、同権益の評価額の変化は純利益にではなく、株主資本にのみ反映されることを意味します。このシナリオは1年後に起きました。今年5月、伊藤忠はコロンビア事業の権益について、3月時点の評価額がそれまでの報告を800億円下回ると述べたのです。これは純利益に影響しませんでした。

 

 問題は詰まるところ、伊藤忠が行った同権益の区分変更が正当化できるのかどうか、そうだとすれば、区分変更と同時期に評価額を引き下げるべきだったのか否か、ということです。そうしていれば、IFRSベースの純利益に響いていたはずです。伊藤忠によれば、区分変更の際には、生産予想などに基づくと価値は維持されていたといいます。

 

 その他にも同社は、中国政府系の複合企業、中国中信集団の中核企業(CITIC)の20%を保有する投資会社の株式の50%も保有しています。伊藤忠は、CITICに対するこの間接的な少数持ち分により同社への影響力を得ているとして、保有比率に対応するCITICの純利益を自社分として反映させています。

 

 CITICへの投資は伊藤忠の163月期純利益を400億円押し上げました。アナリストらは、CITICからの現金配当が100億円未満だったと試算し、その多くは伊藤忠が出資のために借り入れた資金の利息で相殺されたとみています。ほとんど現金が入ってこないのに純利益が押し上げられたことになるのです。

 

 伊藤忠によると、こうした出資の会計処理は監査法人のトーマツから適切だとみなされています。トーマツはコメントを控えました。野村の成田氏は、伊藤忠の純利益については慎重にみているものの、CITIC投資の潜在力などから伊藤忠株は買いだと考えていると話します。

 

 グラウカスは727日に発表したリポートで、コロンビアと中国での出資の会計処理を批判しました。グラウカスはその中で、伊藤忠株を空売りしていると述べています。つまり、グラウカスは伊藤忠の株価が下落すれば利益を得る立場にあります。伊藤忠株は同リポートが発表された日に6%超下げたが、その後に値を戻しています。

 

 伊藤忠はコロンビア事業の権益について現在の評価額を開示していませんが、同国での投資額が1180億円だとしています。アナリストらは、これが実質的に石炭事業の(権益の)価値と同じだと話しています。伊藤忠はアナリストによるこの試算を確認することを控えました。

 

 英エネルギー調査会社ウッド・マッケンジーは、コロンビアの石炭事業全体を23億ドルと評価しています。伊藤忠の保有分が46000万ドル(約476億円)になる計算です。伊藤忠によると、163月期にはコロンビアでの石炭販売量が2年前の370万トンから590万トンまで回復し、国際石炭価格もわずかながら回復しています。

 

 伊藤忠が石炭価格と世界の長期需要について力強い回復を信じているのなら、ウッド・マッケンジーの試算の2倍を超える評価額を貫くことができるでしょう。しかし岡藤社長は年次報告書で、「『資源価格はいずれ戻るであろう』という安易な考えでは、経営を見誤ると考えている」と警鐘を鳴らしています。(ソースWSJ

2016年10月11日 (火)

タカタ、米連邦破産法の適用申請を検討!

エアバッグ問題で経営が揺らぐ自動車部品大手タカタは、米国で連邦破産法の適用を申請することを検討しているそうです。リコール(回収・無償修理)費用の拡大に対応し、新たな出資者を迎えるための選択肢の一つになります。事情を知る複数の関係者が明らかにしました。

 

 関係者らによると、タカタの第三者委員会は、リコール費用の分担を巡る自動車メーカー各社との協議を連邦破産裁判所で進められる可能性があるとみています。この点で合意を取り付けることは、タカタ支援に関心を示す未公開株(PE)投資会社や自動車部品メーカーからの資本注入という次の段階へ進む上で決定的な重要性を持ちます。

 

 関係者の一部は、現在協議中の暫定的な計画の下、タカタの米国法人が連邦破産法を通じた債権者からの保護を求める可能性があると述べました。しかし必ず申請すると決まったわけではなく、いくつかある選択肢の一つにすぎないと付け加えました。

 

 タカタはまず自動車メーカー十数社との話し合いを示談でまとめることを目指す構えですが、全ての関係者から合意を取り付けることは厳しいとみられます。協議の行方によっては日米両方で債権者からの保護を求める可能性も考慮しているもようです。

 

 タカタ製エアバッグの異常破裂に関連付けられる事故により、世界でこれまでに10人余りが死亡し、100人以上が負傷しました。複数の関係者が以前語ったところでは、タカタは問題への対処に関連した刑事捜査で米司法省との和解に向けた協議も別途進めていると言います。(ソースWSJ

2016年10月10日 (月)

ドイツ銀、巨額のデリバティブ保有高は不安材料か!

ドイツ銀行の株価は年初来で48%以上、下落しています。背景には、米司法省から多額の和解金を要求されていることや、中核の融資事業が低金利と景気低迷に苦しんでいることがあります。

 

 しかし一部のアナリストは、ドイツ銀行のデリバティブ(金融派生商品)に対するエクスポージャーや、同行が抱える大量の評価困難な資産についても懸念しています。

 

 ドイツ銀行はデリバティブの影響をどれくらい受けやすいだろうか。

 

 ドイツ銀行の2015年年次報告書によると、デリバティブに対するエクスポージャーは419400億ユーロ(約4870兆円)でした。ちなみに、同年のドイツの国内総生産(GDP)は30320億ユーロです。

 

 しかしこの数字はデリバティブの想定元本をベースにしているため誤解を招く恐れがあります。例えば、金利スワップの想定元本が多額だとしても、実際に受け渡される金利はごくわずかかもしれません。そのため、買い手と売り手がさらされるリスクは数字が示唆するよりはるかに小さいかもしれません。

 

 つまり、ドイツ銀行のエクスポージャーはデリバティブの評価額よりかなり少ない可能性があります。また、デリバティブの多くは損失が限られているということです。

 

 ドイツ銀行が抱えるデリバティブの大半はそれほど複雑ではありません。その約78%は金利変動リスクをヘッジできるものです。

 

 さらに多くの他行と同様、ドイツ銀行のデリバティブに対するエクスポージャーは減少しています。ユーロ危機のさなかの2011年には過去最高の591950億ユーロに達していました。

 

 では何が問題なのだろうか。

 

 ドイツ銀行のデリバティブは数字が示唆するほど多くないかもしれませんが、同行は一部の投資家が大した理由もなくドイツ銀行株を売却した場合に評価が難しい資産を大量に抱えています。これらは、複雑なデリバティブやディストレスト債権など評価が困難な「レベル3」の資産に含まれています。

 

 ドイツ銀行のティア1(普通株などの基本的項目)資本に対するレベル3資産の割合は他行より大きい。この割合は財務の健全性を図る指標ですが、JPモルガン・チェースのアナリストらによると、ドイツ銀は72%と試算されています。グローバルな銀行12行の平均は38%でした。

 

 その差の一因はデリバティブです。ドイツ銀行自身の査定によると、非流動的なデリバティブの保有額は昨年末時点で102億ドル。一方、バークレイズは80億ドル、ゴールドマン・サックス・グループは59億ドルでした。

 

 非流動性資産については、投資家は主にドイツ銀行の内部評価に頼らざるを得ません。SPグローバル・レーティングは、こうした内部評価は基本的な前提の変化の影響を受けやすいとみています。

 

 これは心配すべきことだろうか。

 

 非流動性資産は評価が難しいため、銀行が市場で窮地に立たされると懸念が広がります。

 

 コンサルティング会社ビオラ・リスク・アドバイザーズのデービッド・ヘンドラー氏は、ドイツ銀行は「リーマンのような状況」で、同行は利益が少ないため、レベル3資産は同行の資本基盤に多大なリスクをもたらしていると指摘しています。

 

 もっとも、他の多くのアナリストは冷静だ。

 

 各銀行はここ数年よりも多くのデリバティブ関連情報を開示しています。調査会社クレジットサイツのサイモン・アダムソン最高経営責任者(CEO)は「ドイツ銀行の資本、レバレッジ、資産の質の評価にはすでに今までよりはるかに多くのデリバティブ関連リスクが織り込まれている」と述べました。

 

 UBSグループによると、ドイツ銀行は2230億ユーロの流動性準備金を保有しています。また、流動性準備金比率は規制当局が定めた最低基準を24ポイント上回っています。

 

 デリバティブと同様に、ドイツ銀行のレベル3資産が同行のビジネスに占める割合は以前より大幅に低下しています。今年4-6月期は289億ユーロで、07年の880億ユーロから大きく減少しました。

 

 ではドイツ銀行の株価下落はデリバティブが原因ではないのだろうか。

 

 そうでもない。ドイツ銀行にはもっと大きな懸念材料がある。

 

 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は先月、米司法省が住宅ローン担保証券の不正販売をめぐり、ドイツ銀行に140億ドルの和解金支払いを要求したと報じました。同行は「それほど多額の和解金」を支払うつもりはないとしており、多くの業界関係者は金額が減らされると予想しています。しかし、ドイツ銀行の業績見通しは極めて暗いため、同行の状況は一段と苦しくなっています。

 

 ファクトセットによると、ユーロ圏の銀行の1株利益予想は、08年初めのピークの約4分の1に減少していて、ドイツ銀行の減少幅はさらに大きく、1株利益予想はピークの15%程度に落ち込んでいます。

 

 こうした悲惨な業績見通しによって、ドイツ銀行株の魅力は薄れ、株価が下落しているのです。また、資金調達コストも上昇しています。

 

 ドイツ銀行は投資家の懸念を和らげようとしていますが、デリバティブの不透明感に対する懸念が足かせとなっているようです。(ソースWSJ

2016年10月 8日 (土)

サウジ、米資産の売却は困難-テロ制裁法に反発でも!

2001911日に米国で起きた同時多発テロの犠牲者とその家族がサウジアラビアを訴えることを可能にする法律が成立したことで、サウジが米国資産を売却することへの懸念が広がっています。しかし、アナリストらは、世界最大の経済大国である米国に対するサウジの投資戦略が急に変わる公算は小さいとみています。

 

 新しい法律は、サウジにテロ攻撃の法的責任を負わせるもので、米国にあるサウジの資産が差し押さえられる可能性があります。両国間の緊張が高まる中、サウジは米国資産の売却や移動のほか、米国の金融政策の動きに左右されないよう、長年続けている米ドルとのペッグ制を見直すかもしれません。

 

 しかし、そうするには大きなリスクが伴います。サウジの投資の評価額に影響を及ぼすほか、輸入インフレなど為替変動に関連するリスクを大幅に高めるからです。

 

 クレディ・スイスの中東部門トップ、ファド・イクバル氏は「この法案はセンチメントに重くのしかかるだろう。だがサウジの投資戦略には何の影響も及ぼさないだろう」と述べました。

 

 米議会は先週、「テロ支援者制裁法案」を成立させました。これで米国市民はテロ攻撃を受けた場合、外国政府を相手取って訴訟を起こすことができるようになりました。

 

 サウジの外貨準備高は8月末時点で約5600億ドル。その大部分はドル建て資産と推定されています。アナリストらによると、同国は米国で数十億ドル相当の不動産なども保有しています。

 

 サウジ政府に近い関係者はこの法案に反対するよう議員に働き掛けた際、サウジは米国資産が脅かされていると判断したら、これらの資産を売却、または移動する可能性があると述べました。サウジのジュベイル外相は今年に入り、同法案は世界の投資家の信頼を損なうとの懸念を示しました。

 

 サウジは数カ月前から、財政強化のために米国債など投資商品の一部を売却しています。しかしアナリストらは、現在の世界の経済情勢では選択肢が少ないため、サウジがお決まりの反応を示すことはないと予想しています。また、急に資産を売却すれば、これらの資産価値に影響を及ぼすとみています。原油安の影響への対処に苦戦している中で、サウジには余裕がほとんどありません。

 

 サウジは昨年、原油販売収入の減少によって980億ドルという過去最高の財政赤字を計上し、国内での支出削減を余儀なくされました。そこそこの経済状態を維持するために、外貨準備にも手をつけました。同国の外貨準備高は14年半ば以降で4分の1近く減りました。

 

 クレディ・スイスのイクバル氏は「新しい法律はまだ成立したばかりで、差し迫ったリスクはないだろう」とみています。(ソースWSJ

2016年10月 6日 (木)

米高配当株が期初から大幅安-変調の兆しか!

 10-12月期の取引初日にあたる3日の米株式市場で、配当性向が最も高い二つの業種が急落し、今年人気の高い取引の一つがうまく行かなくなりつつある兆しをみせました。

 

 3日はSP500種業種別で「公益」が前週末比1.35%安、「不動産」は同1.82%安と、SP500種指数の同0.33%安を上回る下げを記録しました。「公益」は7営業日続落、「不動産」は3日続落となりました。

 

 SP総合1500種の構成銘柄で20年以上連続して増配している企業を対象としているSP高配当貴族指数は前週末比0.58%下落した。

 

 これはトレーダーが10-12月期の初日に持ち高調整に動いた感じだ、との指摘が一部にありました。高配当銘柄は今年前半に堅調だったのですが、年末にかけてもアウトパフォームするとはトレーダーがみていない兆候です。

 

 ジョンズトレーディングのETF取引部門責任者、デーブ・ルッツ氏は「(トレーダーらが)軟調な四半期になる可能性を先取りしているのかもしれない」と指摘しています。

 

 モーニングスターによると、公益銘柄を対象にする公益事業セレクト・セクターSPDRファンドは、年初来正味で92500万ドル余りの残高増となっているのですが、7月初め以降の解約総額が92040万ドルとなりました。

 

 資金流出が起こる前は全般に、10年物米国債の利回りを上回る配当利回りを提供する銘柄を中心に高配当株が需要を集めました。ブラックロックによると、このため配当株の評価は10年超ぶりの高水準に押し上げられました。

 

 これが7-9月期に配当株の人気がなくなり始めた一因です。同期に「公益」は6.7%下落と、四半期としては09年初め以降最大の下落率を記録しました。今年9月に「金融」から分けられた「不動産」は、月間で2.9%下落しました。

 

 高配当銘柄は他にも、10-12月期に落とし穴にはまる可能性があります。投資家は今年これまで、株式に投資収益を求めてきました。しかし、米連邦準備制度理事会(FRB)が12月に利上げして投資家が債券市場にまた収益を求めるようになれば、流れが反転しかねません。また、資金調達コストが高くなれば、企業が増配を続けるのは難しくなる可能性もあります。

 

 ブラックロックのストラテジストらは投資見通しリポートで、「債券利回りの上昇が配当株を圧迫するかもしれないので、増配を続けられる企業の方が好ましい」と述べました。

 

 それでも、債券など他の資産がかなり割高なので、一部の配当株にはまだ妙味があるかもしれません。ブラックロックのストラテジストらは、「配当株は債券と比較して割安に見える」と指摘しています。(ソースWSJ

2016年10月 4日 (火)

スシロー買収で複数社が協議!

スシローグローバルホールディングスの買収を巡り、アジアで展開する未公開株(PE)投資会社MBKパートナーズなどの買い手候補が協議に入っています。取引額は約15億ドル(約1500億円)に達する可能性があることを、複数の関係者が明らかにしました。

 

 関係者らによると、MBKのほか少なくとももう1社が、スシローを英PE投資会社ペルミラから買い取る方向で話し合いを続けています。買収額が15億ドルとなれば、スシローのEBITDA(利払い前・税引き前・償却前利益)のおよそ10倍に相当します。

 

 関係者の1人は、ペルミラがスシローを第三者へ直接売却することを望んでいるものの、好ましい金額を引き出せなければ新規株式公開(IPO)の実施も引き続き検討していると話しました。

 

 スシローグローバルホールディングスは回転寿司チェーン「あきんどスシロー」の持ち株会社です。(ソースWSJ

2016年10月 3日 (月)

市場の静けさ、永遠には続かず!

油断大敵という言葉がある。だが今年は、多くの市場の投資家にとってこの言葉が当てはまらない相場展開となっています。むしろ、ほとんど動きがありませんでした。

 

 1-3月期は中国をめぐる懸念が高まり、原油価格が下落し、中央銀行に打つ手がなくなってきているとの見方が広がる中で市場が乱高下しました。このため常に気を張って取引に臨む価値がありました。しかし大局的に見ると、4-6月期と7-9月期ははるかに穏やかな市場となっていました。英国の欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票など一時的に市場を右往左往させる出来事もありましたが、多くの市場が長期にわたりレンジ内で推移しました。

 

 例えば、欧州主要企業600社で構成するStoxx600指数は年初から28日までに6.4%安となりましたが、このほぼすべてが1-3月期の変動によるもので、過去6カ月はほとんど動きがありませんでした。同期間の133営業日のうち、指数は111日間で330から350のレンジにとどまりました。

 

 また、日経平均株価でも同じような状況が見られました。一方、米国のSP500種株価指数や新興国の株式市場は若干動きがありましたが、それでも今年の大部分は方向感なくさまよっている様子です。米国株は7月半ばからほぼ横ばいで、世界の株価を反映したMSCIワールド指数は年初来で3.8%の上昇にとどまっています。

 

 外国為替市場では、ドル指数が横ばいで推移しました。ユーロは3月以来、ドルに対して最大0.05ドルしか動いておらず、ブレント原油価格は過去2四半期の大半の期間、1バレル当たり45ドルから50ドルで足踏み状態を続けています。

 

 あらゆる市場の動きが鈍っているのはなぜか。世界経済成長の全体像はあまり変わっておらず、金融政策運営も現状維持が続いています。近年減速していた新興国の勢いが増すなど、予想される成長の構図には変化が見られますが、世界経済全体としては脆弱なままです。

 

 つまり、市場はわずかなショックにも影響を受けやすい状態となっています。中央銀行は市場に対して少しずつ安心感を与えることを余儀なくされてきました。ただ債券市場は停滞の例外で、利回りの低下とクレジット・スプレッドの縮小が進んでいます。だがこれも、中央銀行による潤沢な資金供給の継続、低成長、そして景気後退の再発をめぐる懸念など、同じ要因が背景にあると言えます。

 

 ヘリコプターマネーや財政出動、構造改革など、この状況を打破するための政策措置に関する議論は高まっていますが、今のところ実行にはほとんど至っていません。これが変わる可能性もありますが、本格的な措置は今年の米国や来年のドイツなどの選挙結果次第となります。

 

 いずれにしても、割安感のある資産は少なく、債券は途方もなく割高になっているため、成長やインフレ見通しの変化は市場を試すことになるでしょう。静けさは永遠には続かないのえす。(ソースWSJ

2016年9月28日 (水)

露呈したデジタル広告の闇、疑念深める広告主!

自分たちが出した大金がどの程度効果的に使われ、どのような対価をもたらしたのか確認できない――。デジタル広告について一部の広告主はこんなふうに感じています。これだけでも厄介な事態ですが、それに拍車をかける出来事が相次ぎ、広告主を悩ませています。

 

 先週、広告業界にはびこる透明性の欠如が露呈しました。 フェイスブックが自社のプラットフォーム上での動画広告の平均視聴時間を最大で80%過大に見積もっていたことが明らかになり、メディアやマーケティング業界に衝撃が走りました。

 

 日本では広告代理店最大手の電通が23日、インターネット広告で少なくとも111社に過大請求を行っていたことを認めたのです。電通が不正を認めたきっかけは、広告の効果が出ていないというトヨタ自動車から苦情でした。電通は謝罪し、故意または人為的なミスが原因で不適切業務が発生したと説明しています。

 

 その一方で、広告主は、広告代理店が顧客にだまってメディア企業からリベートを受け取っているのではないかとの疑いを強めています。今年、広告業界を対象に行われたリベートに関する調査ではデジタル広告の契約が焦点の1つだった。ゼネラル・エレクトリック(GE)JPモルガン・チェース、ネーションワイド・ミューチュアル・インシュアランスは取引している広告代理店の監査を開始しました。広告会社は不正を否定しています。

 

 モバイル機器を片時も離さず、以前ほど従来型のメディアに触れることがなくなった消費者には、デジタル広告でメッセージを届けられる――。広告主はこれまで、このように説明されてきました。しかしフェイスブックの一件を含めた不透明な慣行を受けて、デジタル広告には落とし穴やリスクがあるという、これまでもぬぐいきれなかった印象がさらに強まったのです。

 企業の広告担当幹部にとって頭痛の種は、オンライン広告における透明性と信頼できる測定法の欠如だけではありません。広告が閲覧可能な状態になっていなかったり、コンピューターによって広告へのアクセス量が偽造されたりして、広告につぎ込んだ何十億ドルもの資金が無駄になっているのではないかとの懸念もそうです。

 

デジタル広告市場の伸び鈍化か

 

 全米広告主協会(ANA)のボブ・リオダイス最高経営責任者(CEO)によると、複数の問題が同時に発生したことでデジタル広告に対する広告主の見方が大きく変化し、1940億ドル(約195800億円)に上る世界のデジタル広告市場の伸びが鈍化する恐れがあるといいます。ANAにはゼネラル・モーターズやATTなどの大手の広告主が加盟しています。リオダイス氏は「広告主は投資収益の観点から何を得ているのかという疑問を持ち始めており、デジタル分野への投資水準の再評価を進めている」と話しました。

 

 通信会社USセルラーのブランド管理担当バイスプレジデント、グラント・リーチ氏によると、広告主が感じている最大の疑問は「自分たちの買い物には価値があるのか」ということだということです。デジタル広告を疑わしく思っても、従来型メディアから離れて多くの時間を過ごすようになった消費者にメッセージを届けたいのであれば、広告主はデジタル広告、特にモバイル機器向けの広告への支出を増し続けるしかありません。

 

 米広告業界の一部幹部の間では、「大手のオンラインプラットフォームは無責任な『ウォールドガーデン(壁で囲われた庭)』で、メディアや広告が自社プラットフォーム上でどのように消費されているのか限定的な情報しか提供しない」と言われています。フェイスブックの問題はまさにその認識を強めることになりました。

 

第三者による幅広い検証求める声

 

 ビールメーカーのハイネケンでメディア担当バイスプレジデントを務めるロン・アムラム氏は、自身の最大の関心事として「ウォールドガーデンはなくし、(大手のオンラインプラットフォームは)他のベンダーと対等に扱う必要がある」と話しました。アムラム氏と同社の代理店は今週、フェイスブックと会合を開き、問題の影響について議論する予定だといいます。

 

 フェイスブックの問題は従来型の出版社やテレビなど、フェイスブックと広告費を奪い合う競合他社にも影響を及ぼしています。米調査会社イーマーケターによると、460億ドル規模の米モバイル広告市場でフェイスブックは22%のシェアを握っており、順調にシェアを伸ばしています。直近の四半期決算ではモバイル広告収入が80%増加しました。競合他社は広告主を奪おうと、同社の失敗に付け込もうとするかもしれません。

 

 フェイスブックやユーチューブ、ツイッター、スナップチャットといったサイトでは動画の視聴者数は自社で把握していますが、テレビ業界ではニールセンが調査する視聴率が広告契約での基準となっています。

 

 広告枠の買い手とテレビネットワークは長年、ニールセンの視聴率データについて冗談交じりに不満を漏らしてきましたが、広告主は頼るべき独立機関があることに満足しています。

 

 大手のオンラインプラットフォームがそれぞれの価値について話したところで、「それを検証するのは難しい」とUSセルラーのリーチ氏は言います。それでもリーチ氏はデジタル広告向けの支出を削減する気にはならないと言います。

 

 ユニリーバのマーケティング責任者、キース・ウィード氏は「デジタルメディア産業で第三者による幅広い検証が行われなければ、広告主の投資行動に影響する」と指摘します。今回のフェイスブックの一件については、広告主が出した広告費に実質的な影響はなかったとみて問題視しなかった企業もあります。

 

 ソーシャルメディア企業ランドリー・サービスの創業者でCEOのジェイソン・スタイン氏はフェイスブックが動画広告を3秒以上見た人だけを視聴者に数え、その結果、平均視聴時間が過大に見積もられたことについて、「広告キャンペーンの測定基準に使うべきではない。視聴時間を測定するには生データを使うべき」と指摘しました。

 

 WWP傘下の広告代理店ネットワーク、グループMは声明を発表し、フェイスブックが3秒未満の視聴を視聴者から除いたことは「不注意で残念」だが、「今回の過ちを注意深く調査したところ、当社の広告キャンペーンに関して価格決定や顧客への広告提供に一切影響しなかったと判断した」と述べました。

 

 しかし、フェイスブックの過大見積もりが同社への広告費の分配に影響が及んだり、広告キャンペーンの効果について誤解を招いたりした可能性があるとみる企業もあります。フェイスブックのある大口の広告主は「(数字を)実際よりよく見せて、自分たちの利益を増やした具体的な詳細について(フェイスブックから)聞いている」と話しました。

 

 ある広告枠の買い手は、フェイスブックが広告主に返金する必要があるとは思っていない可能性があると指摘。この買い手のチームは動画の視聴時間ではなく、広告の表示回数を保証する契約に基づいてフェイスブックの動画広告枠を購入しているからです。

 

 グループMのロブ・ノーマン最高デジタル責任者(CDO)は動画の視聴者についてより細かなデータを入手できるようになることが必要だと話します。「われわれは視聴者数を知る必要がある。彼らがどんな人間で、どの広告をどの程度見ているか知る必要がある」と。ノーマン氏は「顧客にとって最大の問題は、広告の手段ごとの予算配分について意思決定ができることだ」と話しました。(ソースWSJ

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