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2016年10月18日 (火)

インド女性はなぜスマホを持てないのか!

エアコン、洗濯機、ケーブルテレビ――退職した調理師のバルビルさんは、そうした製品をすべて購入し利用している。しかし自宅で受け入れようとしない先端機器が一つある。スマートフォンです。

 

 バルビルさんには、スマホを買うだけの金銭的な余裕はあります。インドのスマホ価格は最近では50ドル(約5000円)を下回っています。しかし彼が恐れているのは、スマホと共にもたらされる自由が、自分の娘たちを堕落に導くのではないかということです。

 

 バルビルさんは「娘はおしゃべりを始め、次には恋愛結婚に陥るか、あるいは少年と駆け落ちするだろう」と述べました。バルビルさんは娘たちが携帯電話(ないしスマホ)を持つのを禁じています。彼自身はというと、インターネットにつながっていない携帯電話を持っています。通話のみが目的です。

 

 インドの父親たちのこうした姿勢は、何千万人ものインドの女性にとって新たな形態の「デジタル・パルダ」(パルダは南アジアを中心とした地域の女性たちのまとうベール。転じて、女性を社会から隔離する風習や制度をいう)を生み出す一因になっています。女性は、技術的な発展が男たちにもたらしているのと同じ恩恵を受けるのを父親や夫から禁じられているのです。

 

 国際的な携帯電話業界団体GSMAによると、インドでは携帯を持っているのは大半が男性で、そうした男性は女性よりも11400万人上回っています。この人数は、世界中の男女差である約2億人の実に半分強を占めているのです。

 

 先端技術を熱心に売り込む人たちはしばしば、携帯電話とインターネットへのアクセスについて、「偉大な地ならし機」(社会的な差別を撤廃するもの)だと称賛します。平等を促進し、社会的な不平等を緩和するツールだというのです。

 

 しかし、インドのような国では、新しい技術は、すでに深く根ざしているジェンダー(性)格差をかえって悪化させています。この深い溝は、ますます重要になっているコミュニケーション(通信)と学習への道から女性たちを締め出しているのです。この結果、彼女たちは仕事を見つけたり、技術を磨いたり、政治的な権利を主張したりするのが一層困難になっています。

 

 非営利団体の「デジタル・エンパワーメント財団」は、先端技術面で排除された人々がそうした技術にアクセスできるように支援している団体ですが、同財団の創設者オサマ・マンザル氏は「携帯電話、とりわけスマホは、ジェンダーの平等の実現にあたって最大の挑戦になるだろう」と述べ、「女性に対してスマホを否定することは、女性と経済全体にとって大きな機会の喪失だ」と語っています。

 

 インドの農村地域では、共同社会の規範を事実上支配している村議会が未婚の女性の携帯電話所有を禁止する条例を出した村があちこちにあります。急速に近代化する都市でさえ、男性たちは家族の女性たちが携帯電話を持つのを禁止しているほどです。

 

 GSMAによると、インドで携帯電話を持っている人は、女性の場合は全体の28%で、男性の43%を大きく下回っており、世界最大級のジェンダー格差になっています。ちなみに中国ではこの差はわずか1%です。

 

 またインド・インターネット・モバイル協会(IAMAI)の推定によれば、インドのインターネット利用者のうち、女性はわずか約30%です。2014年の政府調査では、調査対象の女性のうち、スマホかコンピューター上でインターネット検索の仕方を知っているか、あるいは電子メールの送信方法を知っていると答えたのはわずか約9%でした。これに対し、男性の場合は16%強でした。

 

少女たちには危険?

 

 冒頭で紹介したバルビルさんは、13歳の娘が彼にお茶をだした時、「娘がスマホを欲しがっているが、私はダメだと言っている」と述べました。彼らはデリーの穴だらけの道路と線路の間にある、朽ちかけた建物の中の2部屋を借りて住んでいます。

 

 バルビルさんは、携帯があれば娘たちが勉強する際に役立ち、外出しているときにも安心だということを承知しています。もし彼に息子がいたら携帯を買い与えていたでしょう。しかし、娘たちにとっては危険が大き過ぎる、と彼は考えているのです。 バルビルさんは「少女がスマホで音楽を聞きながら道を歩いていたら、人はなんと思うだろうか。きちんとした子でないと言うだろう」と語っています。

 

 エコノミストたちは、インドの労働力として女性たちが増えれば、この国が必要としている経済発展に拍車がかかるだろうと述べています。国際労働機関(ILO)によると、2014年のインドの労働力に占める女性の比率はわずか27%で、04年の36%を下回っているのです。

 

 通信・先端技術企業は、ネットから遮断されている女性たちが膨大な売り上げの潜在的なプール(源)になっていると述べています。GSMAは、女性の携帯所有者数が男性と同じになれば、世界全体の電話会社にとって年間300億ドル以上の売上高になると推測しています。そのうち35億ドルがインド国内の売上高になるだろうといいます。(ソースWSJ

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