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2016年10月14日 (金)

ブレグジット、英ポンドと英国債に打撃!

英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)が金融市場に悪影響を及ぼし始めています。最も明白な犠牲を被っているのは、7日のアジア取引時間に対ドルで一時急落した英ポンドです。しかし同時に英国債も打撃を受けており、これは好ましい組み合わせではありません。

 

 英ポンドはブレグジットの是非を問う国民投票以来ドルに対して0.25ドル余り下落しており、今週だけでも約0.05ドル値下がりしています。7日のアジア取引ではわずか数分の間に6%以上急落しました。薄商いの中でアルゴリズム取引が下げを増幅したと指摘されています。ロンドン取引時間に入っても不安定な値動きが続きましたが、米雇用統計の発表後に1.24ドル超に回復しました。一方、英10年債利回りは今週、20ベーシスポイント(bp)余り上昇しています。英国債としては大きな動きで、英イングランド銀行(中央銀行)が超緩和的な金融政策を実施し、債券買い入れ措置を再開しているにもかかわらず、利回りは3カ月ぶり高水準に達しました。

 

 ブレグジットの問題は、623日の国民投票でEU離脱派の勝利につながった山積みの懸念を緩和する政治的な必要性と、欧州と深く絡み合った英国経済の実態との折り合いをつけなければならないことです。これを成し遂げるのは難しいように思われ、英国がこれまでに確立した関係の多くに影響を及ぼす破壊的な離脱となるリスクが高まっています。そのため先進国市場では必要に迫られた時にしか行われない政治リスクプレミアムの織り込みが必要となり、急激な調整を招くことになります。

 

 市場の変動自体も政策当局者には頭痛の種となり得ます。英ポンドの下落はある種安全弁の役割を果たしているのですが、これが暴落に発展すれば話は別です。4-6月期に国内総生産(GDP)比5.9%となった英国の経常収支赤字をめぐる懸念が再燃する恐れもあります。さらに、英ポンド安はすでに上昇傾向にあるインフレを一段と押し上げるでしょう。

 

 最終的に、これは相反する力への対応を迫られるイングランド銀にとって問題となりかねず、英国債利回りの上昇は金融環境の引き締まりを招くため望ましくありません。しかし、インフレが大幅にオーバーシュートすれば、イングランド銀が政策措置を講じる余地が限られる可能性もあります。金利を引き下げればインフレを促進するリスクが生じ、英ポンドをさらに圧迫する一方、ポンドの防衛やインフレ抑制のために金利を引き上げれば、経済活動を減速させる恐れがあります。非伝統的金融政策の便益と費用を疑問視する見方が強まっている世界では、これまでと異なる政策措置を打ち出すのもリスクが高いのです。

 

 英国はかつて、特にユーロ圏が債務危機に苛まれていた時には、セーフヘイブン(安全な逃避先)としての役割を担うことで相対的に恩恵を受けてきました。しかし英国の経済モデルが流動的で、将来的な姿が不確実な中で、セーフヘイブンの地位は明らかに損なわれました。市場が定量化しにくい新たなリスクに直面すると、その反応が小さくなることはほとんどありません。経済ではなく政治が主導している現状では、投資家は不安定な相場動向に備えるべきでしょう。(ソ-スWJS)

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