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2016年10月10日 (月)

ドイツ銀、巨額のデリバティブ保有高は不安材料か!

ドイツ銀行の株価は年初来で48%以上、下落しています。背景には、米司法省から多額の和解金を要求されていることや、中核の融資事業が低金利と景気低迷に苦しんでいることがあります。

 

 しかし一部のアナリストは、ドイツ銀行のデリバティブ(金融派生商品)に対するエクスポージャーや、同行が抱える大量の評価困難な資産についても懸念しています。

 

 ドイツ銀行はデリバティブの影響をどれくらい受けやすいだろうか。

 

 ドイツ銀行の2015年年次報告書によると、デリバティブに対するエクスポージャーは419400億ユーロ(約4870兆円)でした。ちなみに、同年のドイツの国内総生産(GDP)は30320億ユーロです。

 

 しかしこの数字はデリバティブの想定元本をベースにしているため誤解を招く恐れがあります。例えば、金利スワップの想定元本が多額だとしても、実際に受け渡される金利はごくわずかかもしれません。そのため、買い手と売り手がさらされるリスクは数字が示唆するよりはるかに小さいかもしれません。

 

 つまり、ドイツ銀行のエクスポージャーはデリバティブの評価額よりかなり少ない可能性があります。また、デリバティブの多くは損失が限られているということです。

 

 ドイツ銀行が抱えるデリバティブの大半はそれほど複雑ではありません。その約78%は金利変動リスクをヘッジできるものです。

 

 さらに多くの他行と同様、ドイツ銀行のデリバティブに対するエクスポージャーは減少しています。ユーロ危機のさなかの2011年には過去最高の591950億ユーロに達していました。

 

 では何が問題なのだろうか。

 

 ドイツ銀行のデリバティブは数字が示唆するほど多くないかもしれませんが、同行は一部の投資家が大した理由もなくドイツ銀行株を売却した場合に評価が難しい資産を大量に抱えています。これらは、複雑なデリバティブやディストレスト債権など評価が困難な「レベル3」の資産に含まれています。

 

 ドイツ銀行のティア1(普通株などの基本的項目)資本に対するレベル3資産の割合は他行より大きい。この割合は財務の健全性を図る指標ですが、JPモルガン・チェースのアナリストらによると、ドイツ銀は72%と試算されています。グローバルな銀行12行の平均は38%でした。

 

 その差の一因はデリバティブです。ドイツ銀行自身の査定によると、非流動的なデリバティブの保有額は昨年末時点で102億ドル。一方、バークレイズは80億ドル、ゴールドマン・サックス・グループは59億ドルでした。

 

 非流動性資産については、投資家は主にドイツ銀行の内部評価に頼らざるを得ません。SPグローバル・レーティングは、こうした内部評価は基本的な前提の変化の影響を受けやすいとみています。

 

 これは心配すべきことだろうか。

 

 非流動性資産は評価が難しいため、銀行が市場で窮地に立たされると懸念が広がります。

 

 コンサルティング会社ビオラ・リスク・アドバイザーズのデービッド・ヘンドラー氏は、ドイツ銀行は「リーマンのような状況」で、同行は利益が少ないため、レベル3資産は同行の資本基盤に多大なリスクをもたらしていると指摘しています。

 

 もっとも、他の多くのアナリストは冷静だ。

 

 各銀行はここ数年よりも多くのデリバティブ関連情報を開示しています。調査会社クレジットサイツのサイモン・アダムソン最高経営責任者(CEO)は「ドイツ銀行の資本、レバレッジ、資産の質の評価にはすでに今までよりはるかに多くのデリバティブ関連リスクが織り込まれている」と述べました。

 

 UBSグループによると、ドイツ銀行は2230億ユーロの流動性準備金を保有しています。また、流動性準備金比率は規制当局が定めた最低基準を24ポイント上回っています。

 

 デリバティブと同様に、ドイツ銀行のレベル3資産が同行のビジネスに占める割合は以前より大幅に低下しています。今年4-6月期は289億ユーロで、07年の880億ユーロから大きく減少しました。

 

 ではドイツ銀行の株価下落はデリバティブが原因ではないのだろうか。

 

 そうでもない。ドイツ銀行にはもっと大きな懸念材料がある。

 

 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は先月、米司法省が住宅ローン担保証券の不正販売をめぐり、ドイツ銀行に140億ドルの和解金支払いを要求したと報じました。同行は「それほど多額の和解金」を支払うつもりはないとしており、多くの業界関係者は金額が減らされると予想しています。しかし、ドイツ銀行の業績見通しは極めて暗いため、同行の状況は一段と苦しくなっています。

 

 ファクトセットによると、ユーロ圏の銀行の1株利益予想は、08年初めのピークの約4分の1に減少していて、ドイツ銀行の減少幅はさらに大きく、1株利益予想はピークの15%程度に落ち込んでいます。

 

 こうした悲惨な業績見通しによって、ドイツ銀行株の魅力は薄れ、株価が下落しているのです。また、資金調達コストも上昇しています。

 

 ドイツ銀行は投資家の懸念を和らげようとしていますが、デリバティブの不透明感に対する懸念が足かせとなっているようです。(ソースWSJ

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