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2016年10月

2016年10月20日 (木)

ありがとうございました。

長い間ありがとうございました。

突然ですが、今日でもって終わりたいと思います。
ありがとうございました。

2016年10月19日 (水)

ケインズ博士:勇気こそ投資のカギ!

株式市場が大暴落すれば、われわれの誰もが一歩踏み出して大胆にも株式を買うことだろう――少なくとも想像の世界では。

 

 ところが、市場が大暴落しているときに株式を買うことの難しさは想像をはるかに超えています。偉大な経済学者であると同時に偉大な投資家でもあったジョン・メイナード・ケインズ博士が、米株式市場が最高値から最安値まで80%以上も下落した1929年のウォール街大暴落の直後にどのように投資したのかを調べた新たな研究が発表されました。ケインズ博士の経験は、すべての投資家に準備、勇気、忍耐の大切さを教えてくれるはずです。

 

 ケインズ博士は1920年代初めから死去した1946年までに数冊の本を著し、経済政策に大改革をもたらし、現在の世界金融制度の構築にも寄与しました。ケインズ博士は本業とは別に、ケンブリッジ大学のキングス・カレッジの大学基金の運用も行っていました。最悪の株価大暴落、最悪の恐慌、近代史における最悪の戦争などがあった1922年から1946年までの期間、ケインズ博士の株式ポートフォリオは平均すると、英株式市場を年率6%ポイント近くもアウトパフォームしました。

 

 それでも、ケインズ博士は史上最高の投資家とは見なされてきませんでした。割安の株式を買うことを重視する今日で言うところのバリュー投資家だったケインズ博士は、1920年代の超強気相場で置いてきぼりを食ってしまいました。ケインズ博士は世界大恐慌の到来を予期しておらず、1929年当時には他の大学基金のほとんどが圧倒的に国債を選好していたにもかかわらず、大学基金の約90%を株式に投資したまま米株の大暴落を迎えていました。

 

 ケインズ博士のポートフォリオは、1929年の終わりまでの5年間の累積で、英株式市場を40%ポイントもアンダーパフォームしていました。しかし、ケインズ博士はすでにそのパフォーマンスを好転させたのです。

 

 ケンブリッジ大学ジャッジ・ビジネス・スクールで金融学を教えるデービッド・チェンバース教授とバッキンガム大学の経済学者アリ・カビリ氏は、学術誌ビジネス・ヒストリー・レビューに掲載された新しい研究論文で、ケインズ博士が大暴落とそれに続いた大恐慌で打ちのめされた米国株に多額の投資を行うための勇気をどのようにして奮い起こしたのかを分析しています。

 

底値買いの好機

 

 ケインズ博士は19309月まで、その大学基金の投資先として米国株をほぼ完全に無視していました。驚くべき時期に米国株に関心を持ったものです。米株式市場はそれまでの12カ月間で38.4%も下落していました。ところがケインズ博士は、米国で広がっていると見た底値買いの好機に余りにも興奮し、その株式市場と自分の投資アイデアをリサーチするためにニューヨークの小さな証券会社ケース・ポマロイと連携しました。米国株が47.1%も下落した1931年とさらに5.9%下げた1934年には米国を訪問し、滞在期間の大半を自分の投資アイデアのリサーチの糧となりそうなウォール街、政府、企業などの関係者たちとの会合に費やしました。

 

 ケインズ博士は不景気のあいだずっと米国株を買っていました。米国株が38.6%も下落した1937年にも、それにひるむことなく買い増していました。1939年には、その大学基金の主要ポーフォリオの半分を米国株が占めるまでになっていました。ケインズ博士は高配当の優先株、投資信託(今日のミューチュアルファンドに似た分散型株式ポートフォリオ)、そしてのちには公益事業株を選好しました。ケインズ博士は株価純資産倍率(PBR)が低い少数の株式に的を絞り、株価が上昇してようやく純資産額が反映されるようになるまでそうした株式を8年以上も保有し続けることが多かったのです。

 

勇気も必要

 

 投資に影響を与えてきた人物はあまたいますが、ケインズ博士が80年前に著した「雇用、利子及び貨幣の一般論」の12章は、そのほとばしる才能が最も凝縮された章の1つであり続けています。その言葉からはウォール街が流血していたときに株式を買う上で必要だったはずの決意がうかがえます。

 

 「現代の投資市場の惨状はときに私をある結論に向かわせてきた。その結論とは、投資資産の購入を結婚のように永続的で、死やその他の深刻な理由なしでは解消できないものにすれば、現在の諸悪の有効な治療法になるかもしれないというものである。そうすれば投資家は長期的な見通しだけを考えることになるだろう」と。

 

 ケインズ博士は米国の伝説的なバリュー投資家、ベンジャミン・グレアム氏と同様、弱気相場は余りにも予測不可能なので、確実にそれを避けるのは不可能に近いということ、そして投資で資金を失うことの痛みにはほぼ耐えられないということを理解していました。

 

 それでも、ケインズ博士は弱気相場を避けようとするのではなく、そこに踏み込んで買うのが勝利する方法だということを知っていました。長い目で見ると、株式には下落の幅以上に上昇するという傾向があるので、下落相場で積極的に株を買うための度胸は投資家が持つことができる最大の武器の1つと言えます。

 

 これには資金と勇気の両方が必要になります。

 

 今日の米国株は過去最高値からまだそれほど下がっていないので、現金での保有がこれまで以上に得策に思えます。

 

 そして、勇気を強固にしておくことも大切です――退職している、または退職が近い場合は話は別で、おそらく株式の保有割合を縮小させておくべきでしょうが。25%、50%以上の株価暴落があったら、株式を買い増しすることを約束する自分との契約書を作成し、友人や家族に証人になってもらうといい。数年後にはそれをしておいて良かったと思うことでしょう。(ソースWSJ

2016年10月18日 (火)

インド女性はなぜスマホを持てないのか!

エアコン、洗濯機、ケーブルテレビ――退職した調理師のバルビルさんは、そうした製品をすべて購入し利用している。しかし自宅で受け入れようとしない先端機器が一つある。スマートフォンです。

 

 バルビルさんには、スマホを買うだけの金銭的な余裕はあります。インドのスマホ価格は最近では50ドル(約5000円)を下回っています。しかし彼が恐れているのは、スマホと共にもたらされる自由が、自分の娘たちを堕落に導くのではないかということです。

 

 バルビルさんは「娘はおしゃべりを始め、次には恋愛結婚に陥るか、あるいは少年と駆け落ちするだろう」と述べました。バルビルさんは娘たちが携帯電話(ないしスマホ)を持つのを禁じています。彼自身はというと、インターネットにつながっていない携帯電話を持っています。通話のみが目的です。

 

 インドの父親たちのこうした姿勢は、何千万人ものインドの女性にとって新たな形態の「デジタル・パルダ」(パルダは南アジアを中心とした地域の女性たちのまとうベール。転じて、女性を社会から隔離する風習や制度をいう)を生み出す一因になっています。女性は、技術的な発展が男たちにもたらしているのと同じ恩恵を受けるのを父親や夫から禁じられているのです。

 

 国際的な携帯電話業界団体GSMAによると、インドでは携帯を持っているのは大半が男性で、そうした男性は女性よりも11400万人上回っています。この人数は、世界中の男女差である約2億人の実に半分強を占めているのです。

 

 先端技術を熱心に売り込む人たちはしばしば、携帯電話とインターネットへのアクセスについて、「偉大な地ならし機」(社会的な差別を撤廃するもの)だと称賛します。平等を促進し、社会的な不平等を緩和するツールだというのです。

 

 しかし、インドのような国では、新しい技術は、すでに深く根ざしているジェンダー(性)格差をかえって悪化させています。この深い溝は、ますます重要になっているコミュニケーション(通信)と学習への道から女性たちを締め出しているのです。この結果、彼女たちは仕事を見つけたり、技術を磨いたり、政治的な権利を主張したりするのが一層困難になっています。

 

 非営利団体の「デジタル・エンパワーメント財団」は、先端技術面で排除された人々がそうした技術にアクセスできるように支援している団体ですが、同財団の創設者オサマ・マンザル氏は「携帯電話、とりわけスマホは、ジェンダーの平等の実現にあたって最大の挑戦になるだろう」と述べ、「女性に対してスマホを否定することは、女性と経済全体にとって大きな機会の喪失だ」と語っています。

 

 インドの農村地域では、共同社会の規範を事実上支配している村議会が未婚の女性の携帯電話所有を禁止する条例を出した村があちこちにあります。急速に近代化する都市でさえ、男性たちは家族の女性たちが携帯電話を持つのを禁止しているほどです。

 

 GSMAによると、インドで携帯電話を持っている人は、女性の場合は全体の28%で、男性の43%を大きく下回っており、世界最大級のジェンダー格差になっています。ちなみに中国ではこの差はわずか1%です。

 

 またインド・インターネット・モバイル協会(IAMAI)の推定によれば、インドのインターネット利用者のうち、女性はわずか約30%です。2014年の政府調査では、調査対象の女性のうち、スマホかコンピューター上でインターネット検索の仕方を知っているか、あるいは電子メールの送信方法を知っていると答えたのはわずか約9%でした。これに対し、男性の場合は16%強でした。

 

少女たちには危険?

 

 冒頭で紹介したバルビルさんは、13歳の娘が彼にお茶をだした時、「娘がスマホを欲しがっているが、私はダメだと言っている」と述べました。彼らはデリーの穴だらけの道路と線路の間にある、朽ちかけた建物の中の2部屋を借りて住んでいます。

 

 バルビルさんは、携帯があれば娘たちが勉強する際に役立ち、外出しているときにも安心だということを承知しています。もし彼に息子がいたら携帯を買い与えていたでしょう。しかし、娘たちにとっては危険が大き過ぎる、と彼は考えているのです。 バルビルさんは「少女がスマホで音楽を聞きながら道を歩いていたら、人はなんと思うだろうか。きちんとした子でないと言うだろう」と語っています。

 

 エコノミストたちは、インドの労働力として女性たちが増えれば、この国が必要としている経済発展に拍車がかかるだろうと述べています。国際労働機関(ILO)によると、2014年のインドの労働力に占める女性の比率はわずか27%で、04年の36%を下回っているのです。

 

 通信・先端技術企業は、ネットから遮断されている女性たちが膨大な売り上げの潜在的なプール(源)になっていると述べています。GSMAは、女性の携帯所有者数が男性と同じになれば、世界全体の電話会社にとって年間300億ドル以上の売上高になると推測しています。そのうち35億ドルがインド国内の売上高になるだろうといいます。(ソースWSJ

2016年10月17日 (月)

トランプ氏、事実上の無所属候補に!

全米を回って大統領選のことを話していると、こんな質問に出くわすことが多いそうです。「無所属の候補が本気で大統領選に出馬することはできるのか」。われわれは今、事実上の無所属候補を目の当たりにしています。その人物の名はドナルド・トランプです。

 

 となれば新たな質問は「無所属で大統領選に勝つことはできるのか」となります。恐らく同じくらい重要な問いは「仮に勝つことができたとして、政権を効果的に運営できるのか」です。

 

 トランプ氏はその中核的な支持層とともに、共和党上層部からの決別の度合いを強めています。トランプ氏自身は共和党全国委員会から大きな組織的支持を得ており、10日も全米各地の委員会メンバーの多くが同氏の味方に付きました。しかし同時に、共和党幹部や議員の多くはトランプ氏から離れつつあります。トランプ氏は移民や貿易、財政赤字、給付金改革といった政策面で同党の党是に挑戦しただけでなく、そうした党是を形成してきた人々のことを笑いものにすることも時折ありました。

 

 先週末、この不和はついに離婚に発展しました。トランプ氏が既婚の女性に性的な関係を迫ったことがあるなどと語る録音が公開されたことを受け、党の重鎮らが次々とトランプ氏支持を翻意したのです。トランプ氏も共和党のエスタブリッシュメント(主流派)に別れを告げました。同氏はツイッターへの投稿で、同党の要人らを「独善的な偽善者」と呼び、「彼らの支持率が落ち、選挙で落選するところを見ようではないか!」と言い放ちました。

 

 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とNBCニュースが週末に実施した世論調査によると、共和党支持者を自認する回答者の3分の2が共和党はトランプ氏を支持すべきだと回答しました。党主流派をやっつけるよう、あからさまに同氏をけしかける支持者も多いといいます。このような状況は極端に異例であり、大統領選やその後の政権運営に関するこれまでのシステムに対する挑戦となっています。

 

 歴史をひもとけば、見劣りはするものの同じような先例はあります。1972年の大統領選の民主党候補ジョージ・マクガバン氏は同党を左傾化し、党員の多くは不満を抱えていたものの、上層部の大半は名高い現職議員だった同氏の支持で結束しました。

 

 現在の状況に最も近いのは1964年の共和党候補バリー・ゴールドウォーター氏のケースかもしれません。同氏は筋金入りの保守派で、同党候補の指名獲得はリベラル派――そう、当時は共和党内にリベラル派がいた――を怒らせました。このため同氏は指名受諾演説の中で、党員に「何も考えていないバカというレッテル」を拒否するよう呼びかけ、自分に反発する党員にやんわりと苦言を呈したのです。

 

 そして次の言葉を発するのだが、恐らくこの発言が対立候補のリンドン・ジョンソン大統領に勝つチャンスを失わせることになりました。ゴールドウォーター氏は「自由を守るために過激であることは悪徳ではない。正義を求めるために中庸であることは美徳ではない」と述べたのです。

 

 ゴールドウォーター氏は自身を党の主流派と対立する過激主義者として描いてみせました。そして大敗を喫したのです。しかし、同氏は当時、現職の上院議員であり、党内の緊張は現在のような亀裂には達していませんでした。

 

 現在に話を戻すと、激戦州でトランプ氏が選挙活動を行う際に、その州の上院議員選で再選を狙う共和党議員が同氏に同行する姿が多く見られると期待してはいけません(そもそも同行する議員がいればの話だが)。加えて、トランプ陣営は同氏に反発する共和党員に対して攻撃をしかけるとも遠回しに脅しています。こうした状況下で選ばれた大統領にとって統治という職務はどのようなものになるのでしょうか。

 

孤独なニクソンとの共通点

 

 米国の連邦議会は各党の党員が全員一致で共同歩調をとるような議会ではなく、リーダーの存亡は議員の中のまとまった支持に左右されます。とはいえ、大統領が大きな仕事をする際には、出発点として自分の党の議員からの強固な支持に大きく依存します。大統領を支持する議員は大統領の政策に利害関係があり、そうした政策の実現を手助けし、実現した暁にはそうした政策を擁護する強い動機をもっています。

 

 もちろん、規模の大きな仕事については単に党という線引きによる支持を上回るものが必要になります。オバマ大統領と与党・民主党は、例えば医療保険制度改革(オバマケア)のように、その成功に野党・共和党が関心を持たない大きなプロジェクトを持続させることの難しさを痛感しています。

 

 しかし、そうしたプロジェクトの推進プロセスは党派による政治的支持という頼れる土台を確保することから始まります。通説に反して、大統領というものは組織的な支持なしに物事を成功裏に進められるほど力を持っているわけではありません。そうした支持を失った大統領は行き詰まり、孤独になることもあります。在職中に辞任を決めたリチャード・ニクソンの最後の日々がそうでした。

 

 ただニクソンの場合は辞任前の最後の時期でした。トランプ氏は、当選の暁には就任早々から与党内の大部分と対立する大統領になるという印象を事実上広めています。

 

 現在のシステムは党に対する忠誠心を強調しすぎているのかもしれません。だが一方で忠誠心がなさすぎれば、その報いを受けることにもなります。今当選すると仮定して、トランプ氏にとって肝心なことは、ワシントンで失われた党への忠誠心を穴埋めするために、一般国民から多くの支持を得なければならないということです。(ソースWSJ

2016年10月16日 (日)

ソニーがプレステVRに託す思い!

1994年に据え置き型ゲーム機「プレイステーション」を発売して以降、ソニーの製品が世界の注目を集めることはほとんどなかったといえます。同社は赤字部門を最適化したことで経営黒字化には成功しているが、伝説となっている革新性を再び見せることができるのか、疑問が持たれているのも事実です。

 

 そのような状況の中でソニーが仮想現実(VR)ヘッドセット「プレイステーションVRPSVR)」を13日に発売し、同社が失った輝きを取り戻すきっかけとなるのか注目が集まっています。

 

 PSVRは勤続30年のベテラン社員2人を中心に数千人が開発に関わり、過去4年間にわたって取り組まれてきたプロジェクトです。399ドル(米国内価格)で販売されるPSVRはゲーム機のプレイステーション4本体と合わせて利用する必要がありますが、ソニーはその用途をゲームだけに限定するつもりはありません。VR技術を利用して旅行の目的地を一足先に疑似体験したり、生徒たちは授業中に恐竜が生きていた時代にタイムトラベルしたりすることすら可能と、想像力はかきたてられるばかりです。

 

 PSVRの開発に携わったベテラン社員の1人であり、ソニーにおけるVRの顔となった吉田修平氏(52)は、「VRは今まで夢見たあらゆる世界に入れるもの」だと話します。

 

 ソニーにとってまず重要なのは、PSVRが購入するに値する商品だと消費者を納得させることでしょう。中にはヘッドセットを取り付けることが面倒だと感じる人もいるし、ライバル任天堂の幹部はVR技術がまだ一般普及するレベルに到達していないと指摘しています。ソニーを含む複数の企業が最先端技術として売り出した3Dテレビと同様に、VR製品も一般家庭に普及するのは難しいとする声もあります。

 

 3Dテレビの失敗は過去20年にわたってソニーの革新的なイメージが衰退する一因となりました。しかし最もダメージが大きかったのは、アップルが携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」とスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」で成功を収めた事実です。トランジスタラジオやウォークマンに代表されるように、ソニーは音楽プレーヤーや小型電子機器の開発を得意としていたが、その市場はソフトウエアとハードウエアを融合させたアップルによって乗っ取られることとなってしまいました。

 

 VR技術によってソニーはカムバックを果たせるのか。同社がゲームや映画や音楽などのソフトを豊富にそろえている点を考慮すると、その可能性は十分にあります。「ソニーはVR産業界で今一番有利な立場にいる」と話すのは、電子機器の調査会社フォーマルハウト・テクノ・ソリューションズ 代表の 柏尾南壮氏。「コンテンツもあるし技術もある強い企業体だ」と同氏は指摘しています。

 

 またフェイスブックのオキュラス・リフト(599ドル)や宏達国際電子(HTC)の「バイブ」(799ドル)などPSVRの競合製品はいくつか販売されていますが、どれも高性能のパソコンと使用する必要があり、現時点では本格的な開発者向けだと言えます。その点、PSVRは初の一般消費者向けのVRヘッドセットだと多くのアナリストが認識しています。

 

 この件についてフェイスブックの広報担当者はコメントを控えるとしました。HTCは同社の製品が座ったままでも立っても楽しめるとし、部屋全体を使ったVR世界を作り出すことによって高い没入感を得られるため、より幅広い利用者に楽しんでもらえると話しています。

 

 VRプロジェクトが発足して以来、ソニーはエルゴノミクス(人間工学)に細心の注意を払って開発を続けたと話しています。PSVRはプレイステーション3向けに作られたコントローラー「プレイステーション・ムーブ」の技術を土台に開発。ユーザーの動きを追うコントローラーは当時ビジネスとして成功したとは言えませんが、2010年にはその技術を応用して頭の動きを追えるシステムの開発が開始されました。当初は米カリフォルニア州の一部技術者のみが携わっていましたが、2012年にはプロジェクトが本格化し、そこに東京とロンドンのスタッフもそこに加わることになったのです。

 

鍵となった「50代の男性」

 

 プロジェクトのリーダーの1人である吉田氏は、プレイステーションが発売される1年前の1993年にソフトウエアのスペシャリストとして部門に加わっています。吉田氏は開発に関わるだけでなく、時間がある時は自らもゲームをする人物です。先日ゲームファンのために行われたイベントに出席した際は、一般来場者の1人と間違えられてテレビの取材を受けたこともあります。会場にいた「50代の男性」として番組で紹介されたことは、今も同僚たちから笑いの種にされているといいます。

 

 そんな吉田氏はPSVRを開発するにあたり、ヘッドセットをつけていないユーザーも同じ部屋でテレビ画面を通してゲームを楽しめるようにするべきだと主張した。そのことにハードウエア担当のチームが難癖をつけると、同氏はプレイステーション4と携帯ゲーム機「プレイステーション(PS)・ヴィータ」を使って簡易デモ機を作り、自らの狙いをデモンストレーションしたとそうです。

 

 最終的にその機能はPSVRに含まれることとなりましたが、「VRは被ったらアイソレーションとか、引きこもりとかいうのは違い、皆でできますよ、というのを示したかった」と、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで吉田氏は話しています。

 

 技術者から届く多くの要望は、ハードウエアの開発を指揮した伊藤雅康氏(54)にとっては難題でもあった。中には最先端のディスプレーをPSVRに搭載すべきだという声もありましたが、高額な技術を採用すると400ドルでは販売できなくなるため、なんとかして説得したといいます。

 

 車向けのオーディオ製品をデザインしていた伊藤氏は、吉田氏と同じ1986年にソニーに入社。PSVRの開発に当たってはプロトタイプをいくつも作って調整をし続け、装着したときの安定感や片手で調整できる機能、さらには重さやバランスなどを追求していったそうです。「技術ばかり優先するのではなく、必ずユーザー目線の商品に仕上げること」に注力したと伊藤氏はWSJに話しています。

 

 試行錯誤の末に完成した製品の装着感は、多くのレビューで高い評価を受けています。ただしPSVRが一部のゲーム好き以外にも受け入れられるのか、あるいはマニアックな製品で終わるのかは、まだ不透明です。

 

 ソニーは他のゲーム開発会社による作品も含めて年内に50本のPSVR対応ソフトが販売されるとしています。その中にはゲームソフト大手エレクトロニック・アーツ(EA)による「スター・ウォーズ」関連の作品も含まれます。カプコンの人気タイトル「バイオハザード」シリーズも1月には登場する予定です。

 

 コンテンツが拡充されなければ、PSVR3Dテレビと同じ運命をたどる可能性は高く、「ソフト会社はVRでしかできない強力なゲームを開発する必要がある」と指摘するのは、エース総合研究所の安田秀樹氏です。「3Dテレビなどの過去の失敗は、ソフト供給において初動が非常に大切ということ」を示していると同氏は話します。(ソースWSJ

2016年10月15日 (土)

米ノーベル賞受賞者6人は全員移民!

今年のノーベル経済学賞は米ハーバード大学のオリバー・ハート教授と米マサチューセッツ工科大学(MIT)のベント・ホルムストロム教授に授与されました。経済学者のデービッド・ヘンダーソン氏によると、最近の金融危機など金融に関する研究に両氏は大きく貢献しています。ただ米国の政治状況という観点から見ると、2人の受賞者はどちらも移民という点で特筆に値します。

 

 ハート氏は英国出身、ホルムストロム氏はフィンランド出身です。前世紀に大勢の人がそうしたように、両氏とも米国外で学位を取得した後、米国で博士号を取得しました。ハート氏はプリンストン大学を1974年に、ホルムストロム氏はスタンフォード大学を1978年にそれぞれ卒業しました。2人とも、多くの移民が貧富にかかわらず取る行動を取っていました。そう、結婚して米国にとどまったのです。両氏とも現在はマサチューセッツ州で暮らしています。

 

 米国では今年、6人がノーベル賞を受賞しました。その全員が移民です。化学賞を受賞したフレーザー・ストッダート氏は英国出身ですが現在は米ノースウエスタン大学で教えています。物理学賞は米ワシントン大学のデビット・サウレス名誉教授、米プリンストン大学のダンカン・ホールデン教授、米ブラウン大学のマイケル・コスタリッツ教授の3氏が受賞しましたが、いずれも英国出身です。こうした優秀な人材を輩出する英国の教育システムは評価したい。一方で米国は幸運にも基礎研究を重視する大学の素晴らしいネットワークに恵まれ、世界中の人材を魅了しています。

 

 こうした事実は、長年にわたってノーベル受賞者について調べている米シンクタンク「米政策国家基金」のスチュワート・アンダーソン氏に教えてもらいました。同氏によると、2000年以降に化学、生理・医学、物理の各分野でノーベル賞を受賞した米国人は78人で、そのうちの40%にあたる31人は移民です。受賞者の出身国は日本、カナダ、トルコ、オーストリア、中国、イスラエル、南アフリカ、ドイツと幅広いのです。

 

 政治的な発言をしたければ、こうしたノーベル賞受賞者は国境を越えて米国に殺到しているとさえ言ってもいいかもしれません。(ソースWSJ

2016年10月14日 (金)

ブレグジット、英ポンドと英国債に打撃!

英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)が金融市場に悪影響を及ぼし始めています。最も明白な犠牲を被っているのは、7日のアジア取引時間に対ドルで一時急落した英ポンドです。しかし同時に英国債も打撃を受けており、これは好ましい組み合わせではありません。

 

 英ポンドはブレグジットの是非を問う国民投票以来ドルに対して0.25ドル余り下落しており、今週だけでも約0.05ドル値下がりしています。7日のアジア取引ではわずか数分の間に6%以上急落しました。薄商いの中でアルゴリズム取引が下げを増幅したと指摘されています。ロンドン取引時間に入っても不安定な値動きが続きましたが、米雇用統計の発表後に1.24ドル超に回復しました。一方、英10年債利回りは今週、20ベーシスポイント(bp)余り上昇しています。英国債としては大きな動きで、英イングランド銀行(中央銀行)が超緩和的な金融政策を実施し、債券買い入れ措置を再開しているにもかかわらず、利回りは3カ月ぶり高水準に達しました。

 

 ブレグジットの問題は、623日の国民投票でEU離脱派の勝利につながった山積みの懸念を緩和する政治的な必要性と、欧州と深く絡み合った英国経済の実態との折り合いをつけなければならないことです。これを成し遂げるのは難しいように思われ、英国がこれまでに確立した関係の多くに影響を及ぼす破壊的な離脱となるリスクが高まっています。そのため先進国市場では必要に迫られた時にしか行われない政治リスクプレミアムの織り込みが必要となり、急激な調整を招くことになります。

 

 市場の変動自体も政策当局者には頭痛の種となり得ます。英ポンドの下落はある種安全弁の役割を果たしているのですが、これが暴落に発展すれば話は別です。4-6月期に国内総生産(GDP)比5.9%となった英国の経常収支赤字をめぐる懸念が再燃する恐れもあります。さらに、英ポンド安はすでに上昇傾向にあるインフレを一段と押し上げるでしょう。

 

 最終的に、これは相反する力への対応を迫られるイングランド銀にとって問題となりかねず、英国債利回りの上昇は金融環境の引き締まりを招くため望ましくありません。しかし、インフレが大幅にオーバーシュートすれば、イングランド銀が政策措置を講じる余地が限られる可能性もあります。金利を引き下げればインフレを促進するリスクが生じ、英ポンドをさらに圧迫する一方、ポンドの防衛やインフレ抑制のために金利を引き上げれば、経済活動を減速させる恐れがあります。非伝統的金融政策の便益と費用を疑問視する見方が強まっている世界では、これまでと異なる政策措置を打ち出すのもリスクが高いのです。

 

 英国はかつて、特にユーロ圏が債務危機に苛まれていた時には、セーフヘイブン(安全な逃避先)としての役割を担うことで相対的に恩恵を受けてきました。しかし英国の経済モデルが流動的で、将来的な姿が不確実な中で、セーフヘイブンの地位は明らかに損なわれました。市場が定量化しにくい新たなリスクに直面すると、その反応が小さくなることはほとんどありません。経済ではなく政治が主導している現状では、投資家は不安定な相場動向に備えるべきでしょう。(ソ-スWJS)

2016年10月13日 (木)

伊藤忠、純利益と株主資本の不協和音!

伊藤忠商事は、20163月期通期の業績を自ら称賛しました。同期には同業他社の一部が多額の赤字を計上したのですが、伊藤忠の純利益は5年連続で2000億円を上回り、同業でトップとなりました。

 

 岡藤正広社長は年次報告書で、伊藤忠が常に「『有言実行』を貫く企業」だと述べ、収益性のある事業に投資したとの自負をにじませる一方、同業他社の決算が自社を下回ったことについては「敵失」だとしました。

 

しかし、しっくりこない点がひとつあります。多額の純利益にもかかわらず、総資産から債務を引いた株主資本は2400億円減少したのです。原因には、為替などの避けられない要因もあったでしょう。しかし、投資案件の会計処理も影響したのでは。

 

 伊藤忠は出資先のコロンビアの石炭事業について評価額を前年度から800億円引き下げましたが、それ以前に会計処理方法を変更していたため、この変更は純利益に影響しなかった。一方で、ほとんど現金を生んでいない中国投資は純利益に貢献したのです。

 

 伊藤忠を取り巻いているのと同様の会計処理に関する話題は、過去数年の原油、天然ガス、石炭相場急落を受けて世界中で浮上しています。昨年にはシンガポール上場の資源専門商社ノーブル・グループが、石炭生産会社の権益の評価方法に関する匿名の批判をきっかけに、厳しい視線にさらされました。ノーブルはいかなる不正も行っていないとしています。米ニューヨーク州の司法長官は、石油大手エクソン・モービルが同業他社と違って資産の評価損を計上していない理由を調査しています。エクソンは、財務についてあらゆる規則を順守していると述べています。

 

 伊藤忠の会計処理は、空売り投資ファンドの米グラウカス・リサーチ・グループ(カリフォルニア州)が7月に発表したリポートで批判され、東京のアナリストの間で話題になりました。岡藤氏は自社の純利益を自賛し、多くの投資家は純利益を一番の業績指標だとみていますが、アナリストらは純利益が常に最良の指針とは限らないかもしれないと指摘しています。

 

 野村証券エクイティ・リサーチ部の成田康浩氏は「会計上の利益はそのまま利益が出ているからといって評価はしにくい」と述べました。「岡藤氏は純利益が好き。利益額で業界ナンバーワンの三菱を抜くというのを標榜(ひょうぼう)して、前期に抜いたわけですが、今期も抜きたい」と思っているといいます。

 

 伊藤忠は「適正に決算を実施している」と話す。直近の年度まで、純利益が株主資本の増加に貢献してきたといいます。同社は当局から何ら不正行為を問われていません。商社は子会社などが多く、価値の算定が難しい。伊藤忠は、コーポレートメッセージ「ひとりの商人、無数の使命」の下、6月末時点で世界中に子会社212社、関連会社や合弁会社108社を擁しています。

 

 2011年には、米アラバマ州のドラモンド社が率いるコロンビアの石炭生産・輸送会社の権益の20%を15億ドルで取得しました。石炭価格が下落し始めるなか、程なく問題が浮上しました。13年と14年にはコロンビア政府が、環境への懸念を理由にドラモンドの港の操業を一時停止させたのです。生産量は見通しを下回りました。一部のアナリストは、伊藤忠の権益の評価額が15億ドルを大きく下回っており、評価損計上により純利益が打撃を受ける可能性が高まっているのではないか、と疑い始めたと話しています。

 

 伊藤忠は152月に会計処理の変更を報告しました。同社によれば、コロンビアの石炭共同事業への追加出資を控えると決めたことから、1410月に契約見直しが行われ、その結果、同社は事業の予算と設備投資を管理する権限を失いました。また、伊藤忠の20%の権益が将来的に希薄化されかねないことを意味する優先株を、ドラモンドが受け取ったといいます。ただ、権益比率は現在のところ20%で変わっていません。ドラモンドは再三のコメント要請に応じませんでした。

 

 国際財務報告基準(IFRS)によると、企業は出資先に重要な影響力を持つ場合、その出資先の純損益を自社の損益計算書に反映させることになっています。IFRSによれば、20%の権益は大きな影響力を生むと推定しています。

 

 伊藤忠はコロンビアの事業について、契約見直しにより重要な影響力を行使できなくなったとしています。これは、同権益の評価額の変化は純利益にではなく、株主資本にのみ反映されることを意味します。このシナリオは1年後に起きました。今年5月、伊藤忠はコロンビア事業の権益について、3月時点の評価額がそれまでの報告を800億円下回ると述べたのです。これは純利益に影響しませんでした。

 

 問題は詰まるところ、伊藤忠が行った同権益の区分変更が正当化できるのかどうか、そうだとすれば、区分変更と同時期に評価額を引き下げるべきだったのか否か、ということです。そうしていれば、IFRSベースの純利益に響いていたはずです。伊藤忠によれば、区分変更の際には、生産予想などに基づくと価値は維持されていたといいます。

 

 その他にも同社は、中国政府系の複合企業、中国中信集団の中核企業(CITIC)の20%を保有する投資会社の株式の50%も保有しています。伊藤忠は、CITICに対するこの間接的な少数持ち分により同社への影響力を得ているとして、保有比率に対応するCITICの純利益を自社分として反映させています。

 

 CITICへの投資は伊藤忠の163月期純利益を400億円押し上げました。アナリストらは、CITICからの現金配当が100億円未満だったと試算し、その多くは伊藤忠が出資のために借り入れた資金の利息で相殺されたとみています。ほとんど現金が入ってこないのに純利益が押し上げられたことになるのです。

 

 伊藤忠によると、こうした出資の会計処理は監査法人のトーマツから適切だとみなされています。トーマツはコメントを控えました。野村の成田氏は、伊藤忠の純利益については慎重にみているものの、CITIC投資の潜在力などから伊藤忠株は買いだと考えていると話します。

 

 グラウカスは727日に発表したリポートで、コロンビアと中国での出資の会計処理を批判しました。グラウカスはその中で、伊藤忠株を空売りしていると述べています。つまり、グラウカスは伊藤忠の株価が下落すれば利益を得る立場にあります。伊藤忠株は同リポートが発表された日に6%超下げたが、その後に値を戻しています。

 

 伊藤忠はコロンビア事業の権益について現在の評価額を開示していませんが、同国での投資額が1180億円だとしています。アナリストらは、これが実質的に石炭事業の(権益の)価値と同じだと話しています。伊藤忠はアナリストによるこの試算を確認することを控えました。

 

 英エネルギー調査会社ウッド・マッケンジーは、コロンビアの石炭事業全体を23億ドルと評価しています。伊藤忠の保有分が46000万ドル(約476億円)になる計算です。伊藤忠によると、163月期にはコロンビアでの石炭販売量が2年前の370万トンから590万トンまで回復し、国際石炭価格もわずかながら回復しています。

 

 伊藤忠が石炭価格と世界の長期需要について力強い回復を信じているのなら、ウッド・マッケンジーの試算の2倍を超える評価額を貫くことができるでしょう。しかし岡藤社長は年次報告書で、「『資源価格はいずれ戻るであろう』という安易な考えでは、経営を見誤ると考えている」と警鐘を鳴らしています。(ソースWSJ

2016年10月11日 (火)

タカタ、米連邦破産法の適用申請を検討!

エアバッグ問題で経営が揺らぐ自動車部品大手タカタは、米国で連邦破産法の適用を申請することを検討しているそうです。リコール(回収・無償修理)費用の拡大に対応し、新たな出資者を迎えるための選択肢の一つになります。事情を知る複数の関係者が明らかにしました。

 

 関係者らによると、タカタの第三者委員会は、リコール費用の分担を巡る自動車メーカー各社との協議を連邦破産裁判所で進められる可能性があるとみています。この点で合意を取り付けることは、タカタ支援に関心を示す未公開株(PE)投資会社や自動車部品メーカーからの資本注入という次の段階へ進む上で決定的な重要性を持ちます。

 

 関係者の一部は、現在協議中の暫定的な計画の下、タカタの米国法人が連邦破産法を通じた債権者からの保護を求める可能性があると述べました。しかし必ず申請すると決まったわけではなく、いくつかある選択肢の一つにすぎないと付け加えました。

 

 タカタはまず自動車メーカー十数社との話し合いを示談でまとめることを目指す構えですが、全ての関係者から合意を取り付けることは厳しいとみられます。協議の行方によっては日米両方で債権者からの保護を求める可能性も考慮しているもようです。

 

 タカタ製エアバッグの異常破裂に関連付けられる事故により、世界でこれまでに10人余りが死亡し、100人以上が負傷しました。複数の関係者が以前語ったところでは、タカタは問題への対処に関連した刑事捜査で米司法省との和解に向けた協議も別途進めていると言います。(ソースWSJ

2016年10月10日 (月)

ドイツ銀、巨額のデリバティブ保有高は不安材料か!

ドイツ銀行の株価は年初来で48%以上、下落しています。背景には、米司法省から多額の和解金を要求されていることや、中核の融資事業が低金利と景気低迷に苦しんでいることがあります。

 

 しかし一部のアナリストは、ドイツ銀行のデリバティブ(金融派生商品)に対するエクスポージャーや、同行が抱える大量の評価困難な資産についても懸念しています。

 

 ドイツ銀行はデリバティブの影響をどれくらい受けやすいだろうか。

 

 ドイツ銀行の2015年年次報告書によると、デリバティブに対するエクスポージャーは419400億ユーロ(約4870兆円)でした。ちなみに、同年のドイツの国内総生産(GDP)は30320億ユーロです。

 

 しかしこの数字はデリバティブの想定元本をベースにしているため誤解を招く恐れがあります。例えば、金利スワップの想定元本が多額だとしても、実際に受け渡される金利はごくわずかかもしれません。そのため、買い手と売り手がさらされるリスクは数字が示唆するよりはるかに小さいかもしれません。

 

 つまり、ドイツ銀行のエクスポージャーはデリバティブの評価額よりかなり少ない可能性があります。また、デリバティブの多くは損失が限られているということです。

 

 ドイツ銀行が抱えるデリバティブの大半はそれほど複雑ではありません。その約78%は金利変動リスクをヘッジできるものです。

 

 さらに多くの他行と同様、ドイツ銀行のデリバティブに対するエクスポージャーは減少しています。ユーロ危機のさなかの2011年には過去最高の591950億ユーロに達していました。

 

 では何が問題なのだろうか。

 

 ドイツ銀行のデリバティブは数字が示唆するほど多くないかもしれませんが、同行は一部の投資家が大した理由もなくドイツ銀行株を売却した場合に評価が難しい資産を大量に抱えています。これらは、複雑なデリバティブやディストレスト債権など評価が困難な「レベル3」の資産に含まれています。

 

 ドイツ銀行のティア1(普通株などの基本的項目)資本に対するレベル3資産の割合は他行より大きい。この割合は財務の健全性を図る指標ですが、JPモルガン・チェースのアナリストらによると、ドイツ銀は72%と試算されています。グローバルな銀行12行の平均は38%でした。

 

 その差の一因はデリバティブです。ドイツ銀行自身の査定によると、非流動的なデリバティブの保有額は昨年末時点で102億ドル。一方、バークレイズは80億ドル、ゴールドマン・サックス・グループは59億ドルでした。

 

 非流動性資産については、投資家は主にドイツ銀行の内部評価に頼らざるを得ません。SPグローバル・レーティングは、こうした内部評価は基本的な前提の変化の影響を受けやすいとみています。

 

 これは心配すべきことだろうか。

 

 非流動性資産は評価が難しいため、銀行が市場で窮地に立たされると懸念が広がります。

 

 コンサルティング会社ビオラ・リスク・アドバイザーズのデービッド・ヘンドラー氏は、ドイツ銀行は「リーマンのような状況」で、同行は利益が少ないため、レベル3資産は同行の資本基盤に多大なリスクをもたらしていると指摘しています。

 

 もっとも、他の多くのアナリストは冷静だ。

 

 各銀行はここ数年よりも多くのデリバティブ関連情報を開示しています。調査会社クレジットサイツのサイモン・アダムソン最高経営責任者(CEO)は「ドイツ銀行の資本、レバレッジ、資産の質の評価にはすでに今までよりはるかに多くのデリバティブ関連リスクが織り込まれている」と述べました。

 

 UBSグループによると、ドイツ銀行は2230億ユーロの流動性準備金を保有しています。また、流動性準備金比率は規制当局が定めた最低基準を24ポイント上回っています。

 

 デリバティブと同様に、ドイツ銀行のレベル3資産が同行のビジネスに占める割合は以前より大幅に低下しています。今年4-6月期は289億ユーロで、07年の880億ユーロから大きく減少しました。

 

 ではドイツ銀行の株価下落はデリバティブが原因ではないのだろうか。

 

 そうでもない。ドイツ銀行にはもっと大きな懸念材料がある。

 

 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は先月、米司法省が住宅ローン担保証券の不正販売をめぐり、ドイツ銀行に140億ドルの和解金支払いを要求したと報じました。同行は「それほど多額の和解金」を支払うつもりはないとしており、多くの業界関係者は金額が減らされると予想しています。しかし、ドイツ銀行の業績見通しは極めて暗いため、同行の状況は一段と苦しくなっています。

 

 ファクトセットによると、ユーロ圏の銀行の1株利益予想は、08年初めのピークの約4分の1に減少していて、ドイツ銀行の減少幅はさらに大きく、1株利益予想はピークの15%程度に落ち込んでいます。

 

 こうした悲惨な業績見通しによって、ドイツ銀行株の魅力は薄れ、株価が下落しているのです。また、資金調達コストも上昇しています。

 

 ドイツ銀行は投資家の懸念を和らげようとしていますが、デリバティブの不透明感に対する懸念が足かせとなっているようです。(ソースWSJ

2016年10月 9日 (日)

ツイッター創業者復帰から1年、それでも不振続く理由!

今年1月、米ツイッターの幹部が会議でサンフランシスコ本社に集まりました。幹部4人が突然辞任し、同社の株価が過去最安値を更新した数日後です。

 

 その会議について知る複数の従業員によると、参加者の1人がジャック・ドーシー最高経営責任者(CEO)を含む経営陣に買収のうわさについて尋ねたところ、アンソニー・ノト最高財務責任者(CFO)は他の会社に問題を解決してもらう必要はないと強い調子で答えたといいます。

 

 ドーシー氏のCEO復帰から1年たった今、ツイッターは身売りの可能性を探っています。事情に詳しい関係筋によると、今週にも買収案を募る見込みで、評価に向けてゴールドマン・サックス・グループと動いているといいます。買い手候補には米顧客情報管理(CRM)ソフトウエア大手セールスフォース・ドット・コムや米娯楽・メディア大手ウォルト・ディズニー、米グーグルの親会社アルファベットなどが挙がっています。

 

ドーシー氏の指導力に陰り

 

 ツイッターの方針転換は、自らが共同で創業した会社に対するドーシー氏の指導力に陰りが見え始めていることを物語っています。時価総額約170億ドル(約17600億円)のツイッターはメディアやIT(情報技術)企業にとって依然、魅力的な買収候補です。彼らの関心の的は月間ユーザー31300万人によって生み出される貴重なデータやマーケティングチャンスにあります。しかし、ドーシー氏のこれまでの取り組みはユーザー数や売上高の伸び悩みを覆せず、買収の格好の標的となっているのです。

 

 上級幹部の中にはドーシー氏への信頼を失いつつあると話す人たちもいます。彼らによると、サービスを利用しやすくしたり、攻撃的なツイートから保護する仕組みを改善したりするなどの手を打ったものの、誕生から10年たつこのサービスを新たに試そうとする人はなかなか増えず、既存ユーザーはツイッターがネット上の嫌がらせの温床になっていると不満をもらしています。4-6月期の月間ユーザー数はわずか1%の伸びにとどまり、増収率は8四半期連続で低下し20%を割りました。

 

 同社の広報担当者は、ドーシー氏が製品改良の迅速化やサービスの簡素化をはじめ投資家に示した目標を達成していると説明。「最近の製品改良は直接的な利益をもたらしている」と述べ、それによってユーザー数や利用状況が改善したと述べました。ドーシー氏からコメントは得られなかったそうです。

 

 ドーシー氏のCEO復帰以来、ツイッターの株価は上下に大きく動いています。9月下旬までは約29%下落していましたが、買収の報道を受けてほぼ同程度押し上げられました。

 

 来月40歳になるドーシー氏は、優先目標の達成を楽観視しています。米ナショナル・フットボールリーグ(NFL)との有望な契約を含め、ライブ動画配信で新たに十数社と提携したことを大々的に宣伝しました。また同社はツイートを簡素化したり、嫌がらせを抑制したりするための改良を徐々に加えています。ツイッターは27日に7-9月期(第3四半期)決算を発表する予定です。

 

 ツイッターの共同創設者で現在はソーシャルアプリ「Jelly(ジェリー)」を運営するビズ・ストーン氏は、ドーシー氏について「四半期ではなく10年単位で物事を考える人だ。したがって、彼は将来結果を出すために必要な措置を取っているのだ」と説明しました。また、自身が持つツイッター株を手放すつもりはないとも述べています。

 

長続きしなかった高揚感

 

 ドーシー氏が1年前に正式にCEOに復帰した際、従業員の間には楽観的ムードが流れました。彼らはツイッターを救えるのはツイートを発明したドーシー氏だけだと考えたからです。

 

 ドーシー氏は復帰1カ月目に上級幹部と取締役数人を雇い入れました。その1人は、新会長に起用されたグーグル出身のオミッド・コーデスタニ氏です。同氏は緊急時に他のユーザーに警告を発信できる「ツイッター・アラート」など重要度の低いプロジェクトを打ち切りました。一方で、サービスの簡素化や140字の文字数制限の拡大、写真への「ステッカー」機能の追加を承認しました。

 

 他の上級幹部は、もっと大胆な措置が必要だと考えました。ゴールドマン・サックス出身でNFLCFOも務めていたノト氏は、NFLをはじめとするスポーツリーグと特定の試合のライブ動画配信契約を結ぶ計画を急速に進めています。同氏は、ライブイベントはツイッターの強みであり、新規ユーザーや高い広告料金が見込めると踏んだのです。

 

 1月の幹部会議から間もなくして、ツイッターの従業員が2週間ごとに行われるミーティングのために大会議室に集まりました。白いTシャツと1000ドルもするオレンジ色のハイカットスニーカーを身につけたドーシー氏は、ツイッターがいかに劣勢であるかを説明し、全社一丸となって好業績を上げようと鼓舞しました。

 

 それを受け従業員たちは、ツイッター上で「#oneteam」のハッシュタグを付けて会社への愛をツイートしたのです。

 

 しかし、こうした高揚感は長くは続きませんでした。2月、ツイッターは201510-12月期のユーザー数が前期から200万人減少したと発表。ユーザー数の前期比割れは上場以来初めてのことです。関係者によると、ツイッターの月間ユーザーの約半分に相当する、毎日ツイッターを見るデーリー・アクティブ・ユーザー(DAU)の割合は下降線をたどり続けています。ツイッターはDAUを最も重要な指標と述べていますが、数字は公表していません。

 

 関係筋によると、その頃までにはツイッターは財務アドバイザーを雇い、さまざまなユーザー拡大策についてコスト構造を検討していました。戦略的投資家や買い手を探す可能性も協議されたといいます。

 

 春になるとコスト削減が始まりました。食事の提供時間が短縮されたり、一部のフィットネスクラスが打ち切られたりしました。

 

 ツイッターの人件費は依然として異例なほど高く、SPグローバル・マーケット・インテリジェンスのデータによると、過去1年の売上高が10億ドル以上の米IT企業190社の中で、ツイッターは売上高に占める株式報酬コストの比率が26%と2番目に高いのです。

 

途方に暮れるエンジニア

 

 ドーシー氏が、モバイル決済会社スクエアのCEOを兼務していることに疑問を呈する上級幹部もいる。ツイッターの元従業員によると、ドーシー氏はスクエアに行くため、あいまいな指示を出したまま会議を立ち去ることが頻繁にあり、エンジニアや製品チームを途方に暮れさせていたそうです。その結果、タイムラインの時系列表示の変更など、一部プロジェクトが何カ月も延期されたといいます。

 

 停滞したプロジェクトもあります。フェイスブック傘下の写真共有アプリ「インスタグラム」が、写真の下に特定の言葉を含むコメントが表示されないようユーザーが設定できる機能を加えたとき、ユーザーの安全性を担当するツイッターのスタッフは腹を殴られたように感じたといいます。彼らも過去1年、同様の嫌がらせ対策機能を開発しようと取り組んでいましたが、技術面の支援やリソースが十分得られず行き詰まっていました。

 

 インスタグラムのコメント管理機能の開発を指揮していたのが、1月にツイッターを去った幹部の1人、ケビン・ワイル氏だったという事実も傷口に塩を塗ることになりました。

 

 コンサルティング会社アリックスパートナーズのマネージングディレクター、フランチェスコ・バロシ氏は「創業者は事業で23度壁に突き当たると、市場で金銭的に持続可能なことは何かという現実的な考え方を大抵するようになる」と話しています。(ソースWSJ

2016年10月 8日 (土)

サウジ、米資産の売却は困難-テロ制裁法に反発でも!

2001911日に米国で起きた同時多発テロの犠牲者とその家族がサウジアラビアを訴えることを可能にする法律が成立したことで、サウジが米国資産を売却することへの懸念が広がっています。しかし、アナリストらは、世界最大の経済大国である米国に対するサウジの投資戦略が急に変わる公算は小さいとみています。

 

 新しい法律は、サウジにテロ攻撃の法的責任を負わせるもので、米国にあるサウジの資産が差し押さえられる可能性があります。両国間の緊張が高まる中、サウジは米国資産の売却や移動のほか、米国の金融政策の動きに左右されないよう、長年続けている米ドルとのペッグ制を見直すかもしれません。

 

 しかし、そうするには大きなリスクが伴います。サウジの投資の評価額に影響を及ぼすほか、輸入インフレなど為替変動に関連するリスクを大幅に高めるからです。

 

 クレディ・スイスの中東部門トップ、ファド・イクバル氏は「この法案はセンチメントに重くのしかかるだろう。だがサウジの投資戦略には何の影響も及ぼさないだろう」と述べました。

 

 米議会は先週、「テロ支援者制裁法案」を成立させました。これで米国市民はテロ攻撃を受けた場合、外国政府を相手取って訴訟を起こすことができるようになりました。

 

 サウジの外貨準備高は8月末時点で約5600億ドル。その大部分はドル建て資産と推定されています。アナリストらによると、同国は米国で数十億ドル相当の不動産なども保有しています。

 

 サウジ政府に近い関係者はこの法案に反対するよう議員に働き掛けた際、サウジは米国資産が脅かされていると判断したら、これらの資産を売却、または移動する可能性があると述べました。サウジのジュベイル外相は今年に入り、同法案は世界の投資家の信頼を損なうとの懸念を示しました。

 

 サウジは数カ月前から、財政強化のために米国債など投資商品の一部を売却しています。しかしアナリストらは、現在の世界の経済情勢では選択肢が少ないため、サウジがお決まりの反応を示すことはないと予想しています。また、急に資産を売却すれば、これらの資産価値に影響を及ぼすとみています。原油安の影響への対処に苦戦している中で、サウジには余裕がほとんどありません。

 

 サウジは昨年、原油販売収入の減少によって980億ドルという過去最高の財政赤字を計上し、国内での支出削減を余儀なくされました。そこそこの経済状態を維持するために、外貨準備にも手をつけました。同国の外貨準備高は14年半ば以降で4分の1近く減りました。

 

 クレディ・スイスのイクバル氏は「新しい法律はまだ成立したばかりで、差し迫ったリスクはないだろう」とみています。(ソースWSJ

2016年10月 7日 (金)

グーグル「ピクセル」の第一印象!

米グーグルは4日、新型スマートフォン「ピクセル」とその大型版「ピクセルXL」、仮想現実(VR)プラットフォーム「デイドリーム」対応ヘッドセット「デイドリーム・ビュー」などを発表し、自社が本物のハードウエアブランドであると正式に主張しました。一見して以下のように感じました。

 

ピクセルとピクセルXL

 

 ピクセルとピクセルXLは基本的には同じスマホであり、アップルのiPhone(アイフォーン)によく似ています。少なくとも、グーグルがピクセルの製造で提携している台湾の宏達国際電子(HTC)が生産したiPhoneもどきには似ています。

 

 5インチと5.5インチのディスプレーは見た目が素晴らしく、それはデイドリーム・ビューと合わせて使う時に顔に近づけても変わりません。ピクセルとピクセルXLは、ディスプレーを含めわずかな違いがあるだけです。解像度は、ピクセルが1920×1080、ピクセルXL2560×1440です(デイドリーム・ビューと合わせて使うためにいずれかを買うなら、解像度は大きいほうの《XL》が高い点に注意したい。サムスン電子の「ギャラクシー7」の2モデルなど、そうではないケースもある)。

 

 ピクセルもピクセルXLも本体にアルミとガラスを使っており、背面カメラのすぐ下に指紋センサーを搭載しています。グーグルはバッテリーの駆動時間について約束していませんが、いずれのモデルも急速充電技術により15分の充電で約7時間駆動するとしています。グーグルは両モデルがワイヤレス充電に対応していない理由として、このスピードを挙げています。同社のスマホ「ネクサス」では、2012年からワイヤレス充電を採用しています。

 

 ハードウエアの要素で明らかに欠けているのは防水機能です。今ではアップルとサムスンそれぞれの旗艦スマホに防水機能が備わっているため、ピクセルにないのは意外です。マイクロSDカードスロットもなく、安上がりにメモリーを拡張するわけにもいきません。(iPhone 7と同様、ピクセルの価格は32ギガバイトだと650ドルからだが、128ギガバイトは100ドル高くなる)

 

 グーグルは12.3メガピクセルのカメラについて自慢しており、入手できるスマホカメラの中で最高になるとまで言っています。しかし、われわれは性能をテストしなくてはならないでしょう。4日にはそれができませんでした。

 

 テストの準備ができていたのは、ピクセルで初めて登場した「アンドロイド」ソフトの最新バージョンです。目玉の人工知能(AI)「グーグル・アシスタント」は、スクリーン上のホームボタンを長押しして使います。普通の質問をすると信頼できる回答が返ってきますが、それだけではありません。例えば、ラップ歌手の「カニエ・ウェストのツイッターページを見せて」と言うと、ツイッターアプリのウェストさんのプロフィルが自動で開きます。飛行機に乗る予定があれば、空港に向かう時刻をリマインドしてもらうこともできます。

 

 グーグル・アシスタントはアンドロイドに盛り込まれているため、ユーザーがスクリーンで見ている物のスキャンやユーザーが次にしたい行動の予測すらできます。前身の「ナウ・オン・タップ」に似ているのです。

 

 ピクセルではアンドロイドの見かけが変わりました。アプリケーションはいずれも丸いアイコンで表され、ホームスクリーン上部には検索バーの代わりに「G」マークのボタンがあり、ホーム画面下部にはアプリを載せたすりガラスのトレーのようなものがあります。これもiPhoneに触発されたデザインかもしれません。

 

 ピクセルで撮影した写真や動画は自動的に、「グーグルフォト」アプリ経由でクラウドにアップロードされます。その際、画素数は変わりません。

 

 ピクセルとピクセルXLは、デイドリーム・ビュー(79ドル)の頭脳とディスプレーの両方の役割を果たす初のスマホです。デイドリーム・ビューは、段ボール製の「カードボード」から大きくステップアップ。軽量プラスチックと柔らかい布でできています。

 

 これまでのところ、VRゲームや360度動画などはほんの少ししかありませんが、グーグルは年内に50本超が利用できるようになるとしています。

 

 デイドリーム・ビューをかけるとまず、オプションのメニューが見えます。筆者は水生の恐竜が博物館を泳ぐユーチューブの360度動画を見たり、デイドリームの小型リモコンを使ってレーシングゲームをしたりしました。

 

 だが、ヘッドセットはストラップをするだけなので、ずり落ちそうな感じがしました。頭を素早く動かした時は特にそうでした。

 

 グーグルによると、主要電話メーカー数社がデイドリーム対応スマホの年内発売を目指しているとしています。それらのスマホは、デイドリーム・ビューと合わせて使うこともできるといいます。

 

 ピクセル、ピクセルXL、デイドリーム・ビューを30分間いじってみて、1つわかったことがあります。グーグルは消費者向けハードウエアで支配を拡大していますが、より正面から取り組んでいるのはソフトとサービスです。(ソースWSJ

2016年10月 6日 (木)

米高配当株が期初から大幅安-変調の兆しか!

 10-12月期の取引初日にあたる3日の米株式市場で、配当性向が最も高い二つの業種が急落し、今年人気の高い取引の一つがうまく行かなくなりつつある兆しをみせました。

 

 3日はSP500種業種別で「公益」が前週末比1.35%安、「不動産」は同1.82%安と、SP500種指数の同0.33%安を上回る下げを記録しました。「公益」は7営業日続落、「不動産」は3日続落となりました。

 

 SP総合1500種の構成銘柄で20年以上連続して増配している企業を対象としているSP高配当貴族指数は前週末比0.58%下落した。

 

 これはトレーダーが10-12月期の初日に持ち高調整に動いた感じだ、との指摘が一部にありました。高配当銘柄は今年前半に堅調だったのですが、年末にかけてもアウトパフォームするとはトレーダーがみていない兆候です。

 

 ジョンズトレーディングのETF取引部門責任者、デーブ・ルッツ氏は「(トレーダーらが)軟調な四半期になる可能性を先取りしているのかもしれない」と指摘しています。

 

 モーニングスターによると、公益銘柄を対象にする公益事業セレクト・セクターSPDRファンドは、年初来正味で92500万ドル余りの残高増となっているのですが、7月初め以降の解約総額が92040万ドルとなりました。

 

 資金流出が起こる前は全般に、10年物米国債の利回りを上回る配当利回りを提供する銘柄を中心に高配当株が需要を集めました。ブラックロックによると、このため配当株の評価は10年超ぶりの高水準に押し上げられました。

 

 これが7-9月期に配当株の人気がなくなり始めた一因です。同期に「公益」は6.7%下落と、四半期としては09年初め以降最大の下落率を記録しました。今年9月に「金融」から分けられた「不動産」は、月間で2.9%下落しました。

 

 高配当銘柄は他にも、10-12月期に落とし穴にはまる可能性があります。投資家は今年これまで、株式に投資収益を求めてきました。しかし、米連邦準備制度理事会(FRB)が12月に利上げして投資家が債券市場にまた収益を求めるようになれば、流れが反転しかねません。また、資金調達コストが高くなれば、企業が増配を続けるのは難しくなる可能性もあります。

 

 ブラックロックのストラテジストらは投資見通しリポートで、「債券利回りの上昇が配当株を圧迫するかもしれないので、増配を続けられる企業の方が好ましい」と述べました。

 

 それでも、債券など他の資産がかなり割高なので、一部の配当株にはまだ妙味があるかもしれません。ブラックロックのストラテジストらは、「配当株は債券と比較して割安に見える」と指摘しています。(ソースWSJ

2016年10月 5日 (水)

米大統領選、選挙広告の勝者はフェイスブック!

米フェイスブックが政治広告からの収入で、今年中にアルファベット傘下のグーグルを越える可能性がある――。金融大手シティーグループはこう予測しています。献金やボランティアを得るには今もサーチエンジンを使った広告が絶大な力を持っていることを考えると、この逆転の意味は大きいと言えます。

 

 理由はフェイスブックの巨大なリーチ力と、より細かい相手を対象に広告を投入できる同社のツールのおかげです。「マイクロ・ターゲット」と呼ばれるこの方法は、有権者からの支持を拡大し、彼らを投票場に向かわせたい選挙陣営にとって天からの恵みといえます。そして一般的な広告と同様、今は政治の世界でもこの手法が広範かつ緻密に使われています。

 

 政治におけるデータ分析が「過大評価されている」としていた共和党の大統領候補ドナルド・トランプ氏でさえ、その可能性に注目しています。トランプ氏のデジタル戦略の責任者を務めるブラッド・パースケイル氏によると、トランプ陣営は8月にフェイスブックで広告を展開し、選ばれた利用者らに対して10万にもおよぶウェブサイトへのリンクを送信。パースケイル氏によると各ページは利用者それぞれに合わせた内容だったとしています。民主党ヒラリー・クリントン候補の陣営も同じような戦略を展開しているといいます。

 

 選挙戦略に詳しいジャーナリストのサーシャ・イッセンバーグ氏は、もし可能であるならば選挙陣営は国内全ての有権者を調査し、まだ投票先を固めていない人を抜き出し、彼らから支持を得られるような政策を練り、自らへの1票へと結びつけようとするだろう話しています。まだそこまでは実現できていないものの、細分化はそれに近い状況を作り出しているといえます。

 

消費傾向や銃所有の記録と照らし合わせる方法も

 

 有権者の投票心理などに関連するデータ分析を行うケンブリッジ・アナリティカは、共和党予備選挙ではテッド・クルーズ上院議員の陣営に協力していましたが、今はトランプ氏と組みます。データに関する最高責任者のアレキサンダー・テイラー氏によると、同社は米国成人22000万人のデータベースを所有し、それぞれに対して4000から5000にもおよぶデータ要素を習得しているというのです。ケンブリッジ・アナリティカはこのデータベースを他社の大量のデータとつなぎます。情報サービス会社のエクスペリアンやアクシオムなどから得られる有権者登録の情報、購買パターン、そして銃所有の記録などと照らし合わせるといいます。

 

 フェイスブックでもクレジットカードさえあれば同様のサービスを受けられます。利用者の政治思想に対して同社が持つ影響力についてはさまざまな意見がありますが、フェイスブックの選挙広告における影響力についてはまだあまり注目されていません。

 

 「2008年がフェイスブックの選挙だったと言う人もいますが、個人的には今年こそがフェイスブックの選挙だと感じる」と話すのは、2012年の大統領選に出馬したミット・ロムニー氏の陣営でデジタル戦略を担当したザック・モファット氏です。「ひとつのプラットフォームで全人口の4人に3人を見つけることができるのえす。フェイスブックの価値は、その大きさと規模だ」です。

 

デジタル広告費は前回の大統領選から3

 

 広告を打つ側が狙ったオーディエンスに的確にメッセージを届けられるよう、フェイスブックもいくつかのツールを提供しています。例えば「カスタム・オーディエンス」と呼ばれるツールを使えば、候補の支持者グループのリストに含まれたユーザーのみに広告を届けることができます。2012年の大統領選でロムニー氏やオバマ大統領も利用したツールです。

 

 フェイスブックでは地域ごとのキャンペーンなどのためでも、ケンブリッジ・アナリティカが行っているように他のデータ会社から得た情報も併用して使うことを許可しています。また「ルックアライク・オーディエンス」は、一定のグループと似たような特徴を持つ人を狙って広告を打つことを可能にしています。再生された曲から自動的に音楽を勧めてくれるスポティファイなどのサービスのように、ユーザーの特徴から支持者になりうる人を推薦してくれるツールです。

 

 広告調査を行うキャンター・メディアによると、今回の選挙期間中にはテレビ向けの広告費用として44億ドルが使用されます。調査会社ボレル・アソシエーツによればデジタル広告は約10億ドルなので、その差はまだ大きい。しかしデジタル広告は、前回2012年の大統領選から実に3倍の伸びています。 

 

 フェイスブックを使った狙い撃ち広告と多額な広告費に対しては、不安の声もあがっています。不明瞭なアルゴリズムがすべてをコントロールすることの危険性について「ウェポンズ・オブ・マス・デストラクション(原題)」を執筆した作家のキャシー・オニール氏もその1人です。

 

 「選挙陣営は、グーグルやフェイスブックのどの利用者にどの情報を伝えるのが効率的かを考えるようになる」とオニール氏は言います。「しかし選挙陣営にとって効率がいい話であっても、民主主義にとってはそれは不都合だ」ということもあります。

 

 クリントン陣営の関係者はマイクロ・ターゲットを利用した戦略が重要だと認識する一方、候補者のメッセージそのものが最重要であることは変わらないし、友人や近隣の人と交わす会話の方がSNSで得られる情報よりも影響力があると指摘しています。

 

 しかし選挙を控えた政治家やその側近らは、新たな手法に一気に流れ込みます。ケンブリッジ・アナリティカのテイラー氏は、「これまでの政治的な知恵は破壊され、データ科学や事実に基づいた情報に取って代わった」と主張すると言っています。 

 

 ジャーナリストのイッセンバーグ氏も、ターゲットを絞り込むことで選挙戦をより効率的に展開できる点は大きいと話す。仮にクリントン氏がデジタル広告に1億ドルを使う場合、ターゲットを絞り込めばそのうち1000万ドルの無駄を削減できるし、ボランティアや陣営の時間を他の課題に回せるメリットも出てきます。接戦の選挙では、そのような小さな差が激戦州において数千票の違いになり、最終的に選挙結果に影響を与えることすら考えられるのです。(ソースWSJ

2016年10月 4日 (火)

スシロー買収で複数社が協議!

スシローグローバルホールディングスの買収を巡り、アジアで展開する未公開株(PE)投資会社MBKパートナーズなどの買い手候補が協議に入っています。取引額は約15億ドル(約1500億円)に達する可能性があることを、複数の関係者が明らかにしました。

 

 関係者らによると、MBKのほか少なくとももう1社が、スシローを英PE投資会社ペルミラから買い取る方向で話し合いを続けています。買収額が15億ドルとなれば、スシローのEBITDA(利払い前・税引き前・償却前利益)のおよそ10倍に相当します。

 

 関係者の1人は、ペルミラがスシローを第三者へ直接売却することを望んでいるものの、好ましい金額を引き出せなければ新規株式公開(IPO)の実施も引き続き検討していると話しました。

 

 スシローグローバルホールディングスは回転寿司チェーン「あきんどスシロー」の持ち株会社です。(ソースWSJ

2016年10月 3日 (月)

市場の静けさ、永遠には続かず!

油断大敵という言葉がある。だが今年は、多くの市場の投資家にとってこの言葉が当てはまらない相場展開となっています。むしろ、ほとんど動きがありませんでした。

 

 1-3月期は中国をめぐる懸念が高まり、原油価格が下落し、中央銀行に打つ手がなくなってきているとの見方が広がる中で市場が乱高下しました。このため常に気を張って取引に臨む価値がありました。しかし大局的に見ると、4-6月期と7-9月期ははるかに穏やかな市場となっていました。英国の欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票など一時的に市場を右往左往させる出来事もありましたが、多くの市場が長期にわたりレンジ内で推移しました。

 

 例えば、欧州主要企業600社で構成するStoxx600指数は年初から28日までに6.4%安となりましたが、このほぼすべてが1-3月期の変動によるもので、過去6カ月はほとんど動きがありませんでした。同期間の133営業日のうち、指数は111日間で330から350のレンジにとどまりました。

 

 また、日経平均株価でも同じような状況が見られました。一方、米国のSP500種株価指数や新興国の株式市場は若干動きがありましたが、それでも今年の大部分は方向感なくさまよっている様子です。米国株は7月半ばからほぼ横ばいで、世界の株価を反映したMSCIワールド指数は年初来で3.8%の上昇にとどまっています。

 

 外国為替市場では、ドル指数が横ばいで推移しました。ユーロは3月以来、ドルに対して最大0.05ドルしか動いておらず、ブレント原油価格は過去2四半期の大半の期間、1バレル当たり45ドルから50ドルで足踏み状態を続けています。

 

 あらゆる市場の動きが鈍っているのはなぜか。世界経済成長の全体像はあまり変わっておらず、金融政策運営も現状維持が続いています。近年減速していた新興国の勢いが増すなど、予想される成長の構図には変化が見られますが、世界経済全体としては脆弱なままです。

 

 つまり、市場はわずかなショックにも影響を受けやすい状態となっています。中央銀行は市場に対して少しずつ安心感を与えることを余儀なくされてきました。ただ債券市場は停滞の例外で、利回りの低下とクレジット・スプレッドの縮小が進んでいます。だがこれも、中央銀行による潤沢な資金供給の継続、低成長、そして景気後退の再発をめぐる懸念など、同じ要因が背景にあると言えます。

 

 ヘリコプターマネーや財政出動、構造改革など、この状況を打破するための政策措置に関する議論は高まっていますが、今のところ実行にはほとんど至っていません。これが変わる可能性もありますが、本格的な措置は今年の米国や来年のドイツなどの選挙結果次第となります。

 

 いずれにしても、割安感のある資産は少なく、債券は途方もなく割高になっているため、成長やインフレ見通しの変化は市場を試すことになるでしょう。静けさは永遠には続かないのえす。(ソースWSJ

2016年10月 2日 (日)

有色人種女性は「コンクリートの天井」に直面!

有色人種の女性で企業の役員に上り詰めた人の多くは、それまでの昇進の道のりを「コンクリートの天井」を打ち砕く作業だったと述べています。女性の昇進を妨げるガラスのように見えない障壁を「ガラスの天井」と言うが、それどころではなかったようです。

 

 女性の社会進出を支援する非営利団体「リーン・イン」とコンサルティング大手マッキンゼーが行った調査によると、有色人種女性は、企業の幹部や上級管理職の中に占める割合が最も小さいグループです。一番下の管理職で有色人種女性が占める比率は12%。これに対し、白人男性は45%だ。役員レベルになると、有色人種女性の比率はわずか3%と、白人男性の71%とは圧倒的な差があります。

 

 それは野心が足りないからではありません。黒人、ヒスパニックおよびアジア系の女性たちは上級レベルの役職に就きたがっており、調査によれば、その気持ちは白人女性より強いと言います。調査では有色人種女性の48%は最高幹部を目指していると答えており、白人女性の37%を上回っています。

 

人種を話題にすることの難しさ

 

 ただ、調査によると、自らの会社をあらゆる人々を受け入れる場所だと評価する人の比率は、有色人種の女性、とりわけ黒人女性の間で最も低くなっています。同時に、有色人種女性は、会社が「自分らしさを発揮させてくれない」ことへの不満を表明する人の比率が比較的高くなっています。さまざまな業界で働くマイノリティー女性の幹部は、会社環境への不満を口にしています。つまり、成功の前提が、自分と似たようなバックグラウンドを持つメンター(恩師ないし指導者)やスポンサー(支援者)を見つけられるかどうかである場合が多いという不満です。

 

 彼女たちは、白人男性の同僚たちと人種について議論することは難しいと述べています。そして、さまざまなバックグラウンドを持つ女性たちにとって、人脈を広げる方法を探すのは至難の業だと指摘しています。

 

 ジェイビル・サーキットや米自動車協会(AAA)などの組織で人事部門の責任者を長年務めているアナリサ・アダムズクォルティア氏(57)は、「『ガラスの天井』という言葉を聞くと、それは素晴らしいと思う。ガラスなら割って入ることができるからだ。それがコンクリート製となると、ドアが必要で、ドアの向こう側に人がいる必要もある」と話します。

 

 さまざまな業界にまたがるアフリカ系米国人のネットワークを構築した同氏は、次世代の女性たちに自らの真価を示せる機会を提供するための支援者やメンターがもっと必要だと述べています。「有色人種の女性を多く見かけない理由の1つには、昇進することへの恐怖があります。会社ではあちこちから『会社はあなたに投資したがっていない』とか、『あなたにはチャンスがない』というシグナルが出ているからだ」というのです。

 

 職場で男女平等について話すことは、より一般的になってきていますが、人種、機会、公平性について話すことは、良く言ってもまだ難しい段階です。会員制倉庫型店舗サムズ・クラブのロザリンド・ブルーワー最高経営責任者(CEO)は昨年12月、多様なチームを作る自身の取り組みについて説明しました。そして職場環境で唯一のマイノリティーかつ唯一の女性であることの難しさを口にしました。同氏はソーシャルメディア上で、白人男性に対する偏見があるとの批判を受けました。

 

多様性の実現に立ちはだかる壁

 

 企業の多様性を担当する立場の有色人種女性たちは、全レベルのマネジャーに対し、採用や昇進などにおける多様性の実現に責任を持ってもらうよう働きかけたいと話しています。しかし、それは切り出すのが厄介な話題になり得るのです。

 

 ウイルス対策ソフト大手シマンテックのセシリー・ジョセフ氏(52)は、副社長という立ち場にあるが、それに加えて「多様性の責任者」という役職を受け入れることに当初消極的だった。「『なぜ1人の黒人女性(自分自身を指す)が多様性の責任者にならなくてはならないのか』と考え続けた」といいます。そして「自分がやらなければ他に誰がやれるかということに気付いた」と語っています。

 

 ジョセフ氏や、その他の黒人女性の企業幹部たちは、同僚の白人男性と人種に関するフランクな会話を始めると、物事の核心をつかない、よりあいまいな返答につながることがしばしばだと話します。例えば「色は関係ない」とか、「最高の人材を採用することだけを考えている」といったものだ。かくして彼女たちは、慎重に話をもっていくように進めます。

 

 同氏は「相手が多様性への対応を強制されているように感じると、会話は行き詰まるか、もっと悪い状態になる。つまり相手が守りに入る」と述べています。同氏によると、相手がその問題に幾分共感できると、会話は簡単になるといいます。(ソースWSJ

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