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2016年9月12日 (月)

「トランプ大統領」まだあり得るか!

ちまたでは米大統領選の民主党候補ヒラリー・クリントン氏が当選を確実にしたような空気が流れています。統計分析サイト「ファイブサーティエイト」やニュース専門放送局CNN、そして米マイクロソフトのリサーチプロジェクト「PredictWise(プリディクトワイズ)」も、クリントン氏が70%の確率でホワイトハウスを勝ち取ると予測しています。逆に共和党候補のドナルド・トランプ氏が勝つと話すコメンテーターは少数派です。

 

 しかしさまざまな数字を見ていくと、追い風はトランプ氏に吹いていることが分かります。彼が大統領の座に着くこともまだ十分あり得る情勢です。

 

 まずは世論調査の傾向を見ていくと、政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス(RCP)」がリバタリアン党のゲーリー・ジョンソン氏と「緑の党」のジル・スタイン氏を含めた候補者4人の支持率を調べたところ、クリントン氏のリードはわずか2.4ポイントとなっていました。民主党全国大会後の8月にインターネット世論調査会社YouGovとエコノミスト誌が行った共同世論調査では、クリントン氏は6ポイントのリードを保持していました。またABCニュースとワシントンポスト紙が同時期に共同実施した世論調査でも、同氏は8ポイントも先行していました。クリントン氏のリードはわずか1カ月で大幅に縮小したことが分かります。

 

 二大政党以外の候補を含まない調査では、クリントン氏がトランプ氏よりもわずかに優位に選挙戦を進めています。RCPの調査ではその差は3.3ポイント。ただしそのリードもわずか1カ月で半分以上も下がってきました。ましてや二大政党の候補に対する不満が投票者の中で広がれば広がるほど、一対一での世論調査の結果は意味を持たなくなります。リバタリアン党のジョンソン候補は数カ月にわたって7%程度の支持を獲得しており、緑の党のスタイン候補も3%程度の支持を安定的に得ているのです。

 

クリントン氏に不吉な兆候

 

 最新の世論調査も、クリントン氏にとって不吉な兆候を示すものです。この1週間に発表されたほぼ全ての調査でトランプ氏が選挙戦をリードしているか、互角か、誤差の範囲内で劣勢でした。CNNと調査機関ORC6日に発表した調査では、トランプ氏が2ポイント優勢だったのです。1日に公表されたラスムッセンの調査では、トランプ氏が40%の支持を獲得していたのに対し、クリントン氏は39%だった。2日のロイター/イプソスの調査結果も同様の結果。米紙ロサンゼルス・タイムズと南カリフォルニア大学(USC)の共同調査は両者を互角としました。インベスターズ・ビジネス・デーリー紙とTIPPによる共同調査ではクリントン氏が1ポイントのリードをしていましたが、誤差の範囲は3.4ポイントでした。

 

 両者への支持の差が再び縮まってきた背景には何があるのか。もっとも分かりやすい点から挙げると、民主党全国大会の盛り上がりの反動が今クリントン氏を襲っているということでしょう。しかし選挙情勢を変えたのはそれだけではありません。8月末に発表されたABCニュースとワシントンポスト紙の世論調査では、同氏のイメージがこれまでにないほど悪化していることが判明しています。その調査ではクリントン氏に対して悪い印象を持つ人が56%、良い印象を持つ人が41%でした。8月上旬には悪い印象が52%、良い印象が46%だったことを考えると、わずかな期間で彼女のイメージが打撃を受けたこと分かります。

 

 これらはクリントン氏の私用メールサーバー問題を巡る新たな報道や、クリントン財団の資金集めに関する疑惑の影響でしょう。米連邦捜査局(FBI)のジェームズ・コミー長官はクリントン氏の極秘情報の取り扱いが「極めて不適切だった」と話していますが、FBI2日に公開した捜査内容もそれを裏付けるものでした。11月までにはこの問題と関連して少なくとも15000通のメールが新たに公表される可能性があります。クリントン財団の問題については、クリントン氏と夫のビル・クリントン元大統領が即刻理事を辞任し、財団の日頃の運営には関わるべきではないことは既に明らかな状況です。

 

トランプ氏のイメージ向上

 

 一方のトランプ氏は、ここにきてやっと選挙戦に集中して取り組んでいるように見えます。メディアや共和党の身内とけんかをするのは控え、移民政策や経済政策、そしてテロ対策に関する演説をするようになりました。彼のイメージは上向き始めています。わずか1カ月ほど前にブルームバーグが行った調査では、トランプ氏に対して良いイメージを持っている回答者は33%にとどまり、63%の人が悪いイメージを持っていると答えていました。先週行われたロイター/イプソスの調査では、良いイメージが44%、悪いイメージが56%と盛り返しています。

 

 ただトランプ氏は、着実に点数を稼げる「変化」と「政治腐敗」の二つのテーマを十分に活用しきれていません。YouGov/ハフィントン・ポストが6月に行った調査によると、56%の人が米国を「これまでとは違う方向に導いてほしい」と答えています。またAP通信が行った7月の調査では、56%の人がクリントン氏による私的メールサーバーの利用は違法行為であると考えていると答えました。トランプ氏にとってこの調査結果は大きなチャンスを意味しています。

 

 クリントン氏は自分の主張を明確に伝えることに苦労しているように見えます。メディアからの注目を避けるかのように資金集めに集中しており、先月には自身の選挙戦と民主党のために14300万ドルにのぼる記録的な資金を集めました。トランプ氏を批判する広告を展開したことでトランプ氏に多少のダメージを与えたかもしれませんが、それが彼女のリードを確かなものにしたとは言い切れません。

 

 クリントン氏は自分が大統領になるべき理由を示す決定的なビジョンをいまだに見せていません。夫のビル氏は党大会で彼女のことを「変化をもたらすことができる人」と表現したが、今の彼女が必要としているのはその程度のフレーズではない。具体的なビジョンを示すことが難しいならば、支持率が上昇しているオバマ大統領の実績や、場合によってはクリントン元大統領の実績と自身を関連付けて選挙を戦い抜くのもひとつの手段かもしれません。

 

 しかし大統領候補としての明確な方向性も示せず、信頼できない人物で恐らく腐敗しているだろうと世間から見られている以上、クリントン氏は今以上のことをしなければならないことは明らかです。

 

 では、トランプ候補は勝てるのか。獲得できそうな選挙人の数では確かに遅れをとっていますが、当選できることを示すデータはあります。ミシガン、ウィスコンシン、オハイオの各州で先週行われた世論調査では、2人の支持率が拮抗(きっこう)してきていることが分かっています。フロリダ州でも誤差の範囲で争っています。一時は勝てる見込みのなかったノースカロライナ州や、場合によってはアリゾナ州も、予断を許さない情勢になってきました。(ソースWSJ

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