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2016年9月10日 (土)

米株市場、上昇も企業成長伴わず!

•利回り低下を背景とした株価上昇

 

 95日はレーバーデーです。米国の労働者を取り巻く環境を見ると、就業者数の増加は7年目に入り、失業率は4.9%と9年ぶりの低水準にあります。ところが、2010年以降、労働生産性の伸びは年率0.4%にとどまり、第二次世界大戦以降で最も低い水準にあります。賃金の伸びも、低調なインフレ率と足並みをそろえるのがやっとの状態です。住宅などの実物資産の価値は、株式や債券といった金融資産と比べて過去最低の水準となっています。

 

 しかし、こうしたことは今回の株式相場の懸念材料ではありません。ドイツ銀行のアナリスト、ドミニク・コンスタム氏らの分析によると、19831990年、19962000年、20032007年といった最近の上昇相場をけん引したのは、明らかに企業利益の伸びです。

 

 企業利益が伸びていない今、今年の史上最高値更新をもたらしているのは何か。コンスタム氏によれば、過去4年間の株価上昇の92%はたった一つの要因に集約されるといいます。それは「株式リスクプレミアム」の崩壊です。投資家は株式保有にまつわるリスクを正当化するために、国債より高いリターンを求めます。しかし、国債利回りが急落し、政策金利がゼロまたはマイナスに引き下げられている状況で、この超過プレミアムの意義が失われているのです。

 

 言い換えると、SP500指数構成企業の利益が2014年をピークに伸び悩んでいようと、米国の消費者が経済を下支えする一方で英国の欧州連合(EU)離脱による不透明感で欧州経済が停滞しようと、中国の信用や建設支出が減速しようと、大した問題ではありません。投資家はただ、リターンを得るために株を買うしかないのです。

 

 利益成長を裏付けとせず、国債利回りの低下を背景とした株価上昇は、果たして長続きするのでしょうか。足踏み状態にある昨今の市場の裏にこうした不確かな状況があります。SP500指数は、1日の値動きが1%にも届かない日が既に40営業日続いており、今回の上昇相場では2番目の長さです。8月の出来高は2年ぶりの低水準だったのです。もちろん、夏休みのせいもあるでしょうが、投資家を躊躇(ちゅうちょ)させているのは恐らく、株価収益率(PER)が19倍というバリュエーションの高さと、資本財受注という裏付けが伴わない高値更新でしょう。SP500指数は2月の底値から19%上昇したものの、15カ月前と比べてわずか2%の上昇にすぎません。

 

•姿勢が定まらないFRBに世界中が注目

 

 雇用データを気にしている(ようなふりをしている)のは、むしろ中央銀行えす。米連邦準備制度理事会(FRB)は、政策姿勢を広く知らしめるためか、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)のフェイスブック上に公式ページを開設しました。しかし、FRBの姿勢自体が定まっておらず、失業率が既に1年近くも4.9%前後で推移しているにもかかわらず、FRBメンバーの間では次の一手についていまだ意見がまとまっていません。

 

 過去においては、失業率が4.9%以下の時のフェデラルファンド(FF)金利は平均で4.96%以上でした。ジョーンズ・トレーディングのチーフ・マーケット・ストラテジスト、マイク・オルーク氏は、「各国中央銀行は、価格やバリュエーション、出口戦略を一切考えずにやみくもに資産を買い入れており、世界最大の買い手である」と書いています。

 

 このまま進んでも道がなくなるか、未知の世界に入り込むしかないのですが、そうした事実も、利上げを行うべきは9月か12月かという最近演じられているドラマの陰であいまいにされています。先進7カ国(G7)の中央銀行総裁は、合計して17年もの経験があるにもかかわらず、FRBのわずか0.25%ポイントの利上げに全てをかけているようです。世界全体で、利回りがマイナスの国債は総額で123000億ドルに上り、各国中央銀行が保有する金融資産は合計で25兆ドルと、米国と日本の国内総生産(GDP)の合計額を上回っています。

 

•ハイテクセクターの復活がデフレの原因

 

 今や、人々が集まり、注目するのはレーバーデーのパレードよりインスタグラムです。ハイテクセクターは株式市場における最大セクターの地位を回復し、SP500指数に占める割合は、ハイテクバブル絶頂期の35%には届かないものの21%を占めます。インターネットやモバイルの技術は人々の生活を変えただけでなく、インフレ率や金利がいつまでたっても上昇しない一因にもなっているのです。

 

 例えば、グーグルの親会社であるアルファベット(GOOGL)の時価総額は、かつての巨大企業ゼネラル・エレクトリック(GE)の2倍でありながら、従業員数は5分の1でしかありません。動画配信大手ネットフリックス(NFLX)はレンタルビデオ大手ブロックバスターに取って代わりましたが、従業員数はブロックバスターのピーク時の6万人に対し、ネットフリックスはわずか3700人です。人々の生活に浸透しているアマゾン・ドット・コム(AMZN)は268900人の従業員を抱えていますが、スーパーマーケットチェーン大手クローガー(KR)と比べると約半分です。つまり、誰もがグーグルで働けるわけではなく、より多くの国民が、しかも生産的に働かなければ、持続可能な実質経済成長は見込めないのです。テクノロジーは人々の生活を豊かにしましたが、同時にデフレの原因でもあります。(ソースWSJ

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