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2016年1月

2016年1月31日 (日)

割高な中国株、一段安の可能性も!

年明け以降の中国株式市場の急落は世界の注目を集めています。依然として利益に対してフロス(小さなバブル)のように割高な株価水準で取引されていることから考えると、さらに下落する可能性があります。

 

 37000ドル(約433兆円)の株式時価総額を誇る中国最大の株式市場である上海株式市場。総合指数は年初来18%安と、過去1年以上で最低の水準にまで落ち込んでいます。それでも、交通銀行のアナリストによれば、上海市場で取引される株式は中央値でアナリストによる今年の予想利益の24倍で取引されています。これは、米国のS&P総合500種株価指数が予想利益の16倍、ストックス・ヨーロッパ600指数が15倍で取引されているのと対照的です。

 

上海と同じように世界最大級の取引所で28000ドルの時価総額を持つ深圳市場の数字はさらに驚異的です。同市場の株式は33倍で取引されています。交通銀行マネジングディレクターの洪灝氏は「中国は世界の主要株式市場で最も割高な市場の1つで、まるで宝くじを買うようなものだ。そのくらいひどい」と話しています。

 

 このバリュエーションの高さは、今回の市場の下落がいつ終わるのか、その時期を見通すことがいかに難しいかを浮き彫りにしています。アナリストによると、上海のような市場つまり取引の約80%を個人投資家が占める市場では、株価上昇の推進役は、企業の利益や成長見通しといったファンダメンタルズではなく、群集心理だといいます。しかし、市場の見通しが暗くなると、こういった株式保有者は割高な株式を急いで売る公算が大きく、それが中国市場のさらなる下落を引き起こすというのです。

 

投資家は一段と神経質になっています。上海市場は、上海に拠点を置く銀行が融資の担保として株式をもはや受け入れないとの中堅国営新聞社の未確認報道を受け、15日午後に急落しました。上海総合指数は前日比3.6%安で取引を終えています。

 

 一方、中国政府政はどの程度市場に介入する意向なのか、また希望する株価水準について、まちまちなシグナルを送っています。政府はこれまで株式を購入して市場を支え、経済を浮揚させるセクターに投資してきました。しかし最近では株価を上昇させるような刺激策を行う意向を一切示していない、とアナリストたちは指摘しています。

 

 1年前の2015年初頭は、多数の新聞の論説が株式市場について強気のコメントをしていました。これは上海市場が6月までに、世界金融危機以降の最高値に上昇するのを後押ししました。

 

 深圳市場で割高で取引されている理由の1つは、上場する企業の多くがテクノロジー、小売りやヘルスケアといったセクターに属すことがあります。これらの産業部門は中国が重工業への依存からシフトするにつれて、経済成長を促すセクターだと期待されています。

 

 たとえそうだとしても、バリュエーションはめまいするほどの高さに達しました。極端な例を挙げると、中国に特化したデータベースのウィンド・インフォによれば、アパレル会社の上海美特斯邦威服飾の株式は今年の予想利益の1104倍、インターネット運営会社の上海鋼聯電子商務は2440倍で取引されています。

 

投資家たちは、企業が赤字になっている時でさえ、株式を積極的に購入してきました。上海市場に上場している電力会社の広東梅雁水電は中国でのエネルギー需要の低迷を受けて2015年当初3四半期と2014年に赤字を計上しました。しかし乱高下のあと、同社株は8月以降53%上昇しました。これは政府機関である中国証券金融が筆頭株主になったと発表されたためだったのです。中国証券金融はいわゆる「ナショナルチーム(政府の株価下支え策を実行する金融機関)」の一角で、最近数カ月間にわたり一部中国株下支えのため市場に定期的に介入していました。これは市場全体の株価押し上げを狙った介入だったのです。

 

 深圳証券取引所の新興企業向け市場「創業板(チャイネクスト)」の株式など数百万元相当の株式を所有している北京在住のマーク・ホーさんは今年になって、すべての保有株式を売却しました。最近の急落で市場の地合いが悪化したと判断したためです。

 

 同氏は「市場には構造的なリスクがある」と述べた上で、中国の投資家は優良株には低い評価しか下さずに小型株を過大評価してきたと指摘しています。(ソースWSJ

2016年1月30日 (土)

割高な中国株、一段安の可能性も!

年明け以降の中国株式市場の急落は世界の注目を集めています。依然として利益に対してフロス(小さなバブル)のように割高な株価水準で取引されていることから考えると、さらに下落する可能性があります。

 

 37000ドル(約433兆円)の株式時価総額を誇る中国最大の株式市場である上海株式市場。総合指数は年初来18%安と、過去1年以上で最低の水準にまで落ち込んでいます。それでも、交通銀行のアナリストによれば、上海市場で取引される株式は中央値でアナリストによる今年の予想利益の24倍で取引されています。これは、米国のS&P総合500種株価指数が予想利益の16倍、ストックス・ヨーロッパ600指数が15倍で取引されているのと対照的です。

 

上海と同じように世界最大級の取引所で28000ドルの時価総額を持つ深圳市場の数字はさらに驚異的です。同市場の株式は33倍で取引されています。交通銀行マネジングディレクターの洪灝氏は「中国は世界の主要株式市場で最も割高な市場の1つで、まるで宝くじを買うようなものだ。そのくらいひどい」と話しています。

 

 このバリュエーションの高さは、今回の市場の下落がいつ終わるのか、その時期を見通すことがいかに難しいかを浮き彫りにしています。アナリストによると、上海のような市場つまり取引の約80%を個人投資家が占める市場では、株価上昇の推進役は、企業の利益や成長見通しといったファンダメンタルズではなく、群集心理だといいます。しかし、市場の見通しが暗くなると、こういった株式保有者は割高な株式を急いで売る公算が大きく、それが中国市場のさらなる下落を引き起こすというのです。

 

投資家は一段と神経質になっています。上海市場は、上海に拠点を置く銀行が融資の担保として株式をもはや受け入れないとの中堅国営新聞社の未確認報道を受け、15日午後に急落しました。上海総合指数は前日比3.6%安で取引を終えています。

 

 一方、中国政府政はどの程度市場に介入する意向なのか、また希望する株価水準について、まちまちなシグナルを送っています。政府はこれまで株式を購入して市場を支え、経済を浮揚させるセクターに投資してきました。しかし最近では株価を上昇させるような刺激策を行う意向を一切示していない、とアナリストたちは指摘しています。

 

 1年前の2015年初頭は、多数の新聞の論説が株式市場について強気のコメントをしていました。これは上海市場が6月までに、世界金融危機以降の最高値に上昇するのを後押ししました。

 

 深圳市場で割高で取引されている理由の1つは、上場する企業の多くがテクノロジー、小売りやヘルスケアといったセクターに属すことがあります。これらの産業部門は中国が重工業への依存からシフトするにつれて、経済成長を促すセクターだと期待されています。

 

 たとえそうだとしても、バリュエーションはめまいするほどの高さに達しました。極端な例を挙げると、中国に特化したデータベースのウィンド・インフォによれば、アパレル会社の上海美特斯邦威服飾の株式は今年の予想利益の1104倍、インターネット運営会社の上海鋼聯電子商務は2440倍で取引されています。

 

投資家たちは、企業が赤字になっている時でさえ、株式を積極的に購入してきました。上海市場に上場している電力会社の広東梅雁水電は中国でのエネルギー需要の低迷を受けて2015年当初3四半期と2014年に赤字を計上しました。しかし乱高下のあと、同社株は8月以降53%上昇しました。これは政府機関である中国証券金融が筆頭株主になったと発表されたためだったのです。中国証券金融はいわゆる「ナショナルチーム(政府の株価下支え策を実行する金融機関)」の一角で、最近数カ月間にわたり一部中国株下支えのため市場に定期的に介入していました。これは市場全体の株価押し上げを狙った介入だったのです。

 

 深圳証券取引所の新興企業向け市場「創業板(チャイネクスト)」の株式など数百万元相当の株式を所有している北京在住のマーク・ホーさんは今年になって、すべての保有株式を売却しました。最近の急落で市場の地合いが悪化したと判断したためです。

 

 同氏は「市場には構造的なリスクがある」と述べた上で、中国の投資家は優良株には低い評価しか下さずに小型株を過大評価してきたと指摘しています。(ソースWSJ

2016年1月29日 (金)

太陽系に「第9惑星」か 米大学研究グループ発表!

太陽系の外れに、1万年から2万年の周期で回る、新たな惑星が存在する可能性があると、アメリカのカリフォルニア工科大学の研究グループが発表し、実際に観測されると、太陽系の「第9惑星」になるとして大きな話題を呼んでいます。

 

これは、アメリカのカリフォルニア工科大学の研究グループが、20日、アメリカの天文学の専門誌に発表したものです。それによりますと、研究グループは過去10年余りの間に太陽系の外れの場所で発見された6つの天体の軌道に注目し、分析を続けてきました。

 

その結果、これらの天体が現在の軌道にあるためには大きな質量を持つ新たな惑星が存在して、その惑星の影響を受けなければ説明がつかないことが分かったということです。存在する可能性がある新たな惑星は、重さが地球のおよそ10倍で太陽の周りを1万年から2万年の周期で回っていると考えられるということです。

 

今回の論文の著者の1人、マイケル・ブラウン教授は、2005年に太陽系の外れにあるエリスという天体を発見するなどして冥王星を惑星の定義から外して、太陽系の惑星の数を8つにする議論のきっかけを生み出した研究者として知られています。

 

ブラウン教授は、「今は太陽系に9つの惑星が存在すると信じる」とコメントし、今後、実際に新たな「第9惑星」が観測されるか大きな注目を集めています。(ソースWSJ

2016年1月28日 (木)

絶対に使ってはいけないパスワードとは?

 パスワードは長くなってきましたが、「強く」はなっていません。

 

 パスワード管理アプリケーション開発のスプラッシュデータがまとめる危険なパスワードトップ25に、昨年は新たに「1234567890」や welcome」、 qwertyuiop(キーボード上部の横一列)」がランクインしました。

 

 昔からよく使われてきた 1234」や 12345」、 qwerty」に比べると長くなったが、複雑にはなっていないのです。

 

 「文字を増やして安全性を高めようと努力している人も多いのですが、いくら長くても単純ならばハッカーに盗まれるリスクは変わらない」とスプラッシュデータのモーガン・スレイン最高経営責任者(CEO)は指摘しています。

 

 同社はハッカーがウェブに公開した200万件超のパスワード情報からランキングをまとめました。2015年のランキングは前年とほとんど変わりませんが、新しく加わった中には「starwars」と「solo」といったものもありました。

 

 すべてのパスワードが指紋や顔、音声認証に置き換わるまで、パスワードは最低12文字で、大文字・小文字、数字、特殊文字の組み合わせにすべきだといいます。スプラッシュデータは、絶対に「password」、「football」、 abc123」などというパスワードを使ってはいけないと警告しています。

 

 以下は、昨年情報が盗まれたアカウントで使われていたパスワードのランキングです。(スプラッシュデータ調べ)

 

1. 123456

 

2. password

 

3. 12345678

 

4. qwerty

 

5. 12345

 

6. 123456789

 

7. football

 

8. 1234

 

9. 1234567

 

10. baseball

 

11. welcome

 

12. 1234567890

 

13. abc123

 

14. 111111

 

15. 1qaz2wsx

 

16. dragon

 

17. master

 

18. monkey

 

19. letmein

 

20. login

 

21. princess

 

22. qwertyuiop

 

23. solo

 

24. passw0rd

 

25. starwars

 

(ソースWSJ

2016年1月27日 (水)

市場混迷の本当の原因はどこに!

金融市場は、まだ顕在化していない、そして決して現実にはならない可能性のある急激な景気下ぶれに対して慌てふためいている。

 

 英国と日本をはじめとする世界の主要株式市場が高値から20%余り下げ、いまや弱気相場に入っている。ダウ工業株30種平均は20日に前日比1.56%安となり、年初来の下落率が9.52%に達した。

 

 それでも、経済全般に同様なストレスの兆しがないならば、リセッション(景気後退)を必要以上に予告するような指標に注目する必要は一体あるのだろうか。相場急落が幅広い不安材料になる理由の可能性は三つある。

 

 一つ目は、リセッションが迫っているが、まだ統計に表れていない可能性だ。米国はもうじきリセッションを迎えてもおかしくない時期にある。景気拡大はいまや第2次世界大戦後で4番目の長さになり、株式市場は間違いがちだがリセッションの先行指標だ。

 

 だが、実際の経済指標はリセッション前の動きを示してはいない。201510-12月期の米経済成長はおそらくゼロに近かっただろうが、雇用の伸びは実際に加速している。消費者心理は、株価不安はあるものの、1月初めに高まった。景気下ぶれに先行することが多い住宅市場だが、一戸建て住宅の建築許可件数は12月に実際増加した。

 

国外情勢に目を向けると、元国際通貨基金(IMF)チーフエコノミストのオリビエ・ブランシャール氏は先ごろ、「中国の成長が落ち込むと、世界的な試練になるだろう。だが、そのような落ち込みの証拠はどこにもない」と指摘した。実際、同国の昨年の経済成長率は25年ぶりに6.9%と低水準だったが、これは同国政府がかねて目指してきた水準だ。12月の輸出入統計は中国経済が安定している事実を示している。

 

二つ目は、経済の弱まりが金融市場の混乱を引き起こす可能性よりも、混乱そのものが危機やリセッションを生む恐れだ。例えば、原油相場の急落で、エネルギー関連企業もそうでない企業も社債利回りが跳ね上がり、多くの銀行がエネルギー企業向け融資の大幅な損失を明らかにした。極めて安全とされる3カ月物米政府短期証券(Tビル)の利回りと国際銀行間取引の指標となる3カ月物ユーロドル金利のスプレッド(金利差)は「TEDスプレッド」と呼ばれ、金融市場のストレス度の尺度とされるが、このスプレッドが急拡大している。

 

 だが一方、銀行が抱えるエネルギー関連の投融資額は、2008年のサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン債権や1982年の中南米向け債権ほど多くない。また、規制当局は先の危機以降、金融機関に対して資本と流動性の手当てを厚くするよう義務づけている。

 

 三つ目は一番あり得ることで、特に中国や米国での出来事をきっかけに、市場が政策当局に対する信頼を失っている可能性だ。

 

 中国の指導者らは株式バブルの崩壊を食い止めるのにしくじり、昨年8月に続き今月もまた人民元切り下げで世の中を困惑させた。同国の金融政策は不透明で政治的色彩が濃い。そのため、通貨切り下げは市場が決める為替レートに移行する一環との公式説明を、国外の人々は鵜呑みにしないのだ。ヘッジファンド運用に携わった経験のあるピーターソン国際経済研究所のエンジェル・ユビデ氏は、「中国当局が常に正しいことをする能力については、総じて信頼を失っている」と指摘した。

 

 対照的に米連邦準備制度理事会(FRB)は透明性があり独立している。問題は市場がFRBの計画に賛同していないことにある。FRBは昨年12月、失業率が5%に下がる中、米経済はゼロ近くの金利で支援する必要がもはやなくなったとして利上げに着手した。来年末までに短期金利を2%超まで引き上げる意向を示した。だが原油相場の下落でFRBが目標とする2%のインフレ率は一段と遠のいたため、これはさらにゆっくりとした金利正常化に値すると市場は受け止めている。

 

 FRBの(いまのところ)利上げするとの判断は現在、株式市場にとっての逆風になっている。2008年以降の一連の刺激策は相場の追い風だった。だが、これは必ずしも経済にとって問題ではない。投資顧問会社SLJマクロ・パートナーズの共同創業者、スティーブン・ジェン氏は顧客向けリポートで先ごろ、株価急落は経済の弱まりでしか正当化できないとの考えに対し、「反対に米国と世界経済が08年以降実際に200%改善したり07年のピーク時から20%良くなったりしたならば、どうなると言うのだろう」と疑問を投げかけた。

 

 FRBがもはや投資家にリスクに対して身構えるよう促さないのならば、株価収益率(PER)などでみる株価評価は下がるはずだ。これは株式投資家にとって喜ばしくない事態だが、実体経済にはかなり当てはまらないことだ。

 

 リセッションや危機が迫っているとしても、中央銀行や政府は助けることができず、救いの手を差し伸べないことの方がずっと心配だ。中国の指導者らは、政府主導での投融資活性化はやりすぎだったと考え、新たに着手する可能性を否定している。利下げ余地はFRBには0.25%しかないし、他の中央銀行には全くない。

 

 パシフィック・インベストメント・マネジメント(ピムコ)の役員、アンドリュー・ボールズ氏は、相場が十分安くなるか、中央銀行による利下げなどの「サーキットブレーカー(回路遮断装置)」の発動が期待されれば、相場は反転するはずだと言う。ただ、「中央銀行がサーキットブレーカーを欠いていることが心配だ」と指摘した。(ソースWSJ

2016年1月26日 (火)

中国の15年GDP、知っておくべき5つのこと!

中国国家統計局が19日発表した2015年通年の国内総生産(GDP)は前年比6.9%増と、14年の同7.3%増から減速しました。1510-12月期のGDPは前年同期比6.8%増となり、7-9月期の6.9%増から減速しています。成長鈍化の継続が世界2位の経済大国をさらにむしばんでいる様子が確認された格好です。

 

 中国のGDPについて知っておくべき5つのポイントを挙げます。

 

1. 25年ぶりの低成長

 

 中国にとって、2015年通年の成長率6.9%は1990年以来の低い伸びです。ついこの間の2010年まで謳歌(おうか)してきた2ケタ成長から経済が急速に後退したことになります。

 

2. 4四半期は予想以上の悪化

 

 2015年の成長ペース鈍化はおおむね予想されていたことで、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が15人のエコノミストを対象に行った予想調査の中央値と一致しました。一方、10-12月期のGDP伸び率6.8%は予想中央値6.9%をわずかに下回った。つまり、10-12月期にはエコノミストの予想より成長モメンタム(勢い)がやや緩やかになったことを意味しています。

 

3. 中国は「目標達成」と主張できる

 

 今回の結果は、ある意味で中国が年間成長目標に到達し損ねたことを意味します。中国政府は2015年の成長目標を「7%前後」に定めていました。このあいまいな言い回しのおかげで、政府は目標を達成したと言うことができるのです。これは中国で政治的に重要な声明です。中国は2014年にも7.5%成長という目標を達成きませんでした。同年の成長率は7.4%で、後に7.3%に下方修正されたからです。

 

4. 景気刺激策はおおむね失敗

 

 株式市場は崩壊し、人民元への売り圧力に収まる気配はなく、債務水準が急激に上昇する中、成長ペースを引き上げる取り組みがもたついています。モメンタムの低下だけでなく、中国政府の経済運営や世界市場への下押し圧力をめぐる懸念が高まっています。

 

5. 中国経済は世界成長のカギ

 

 現在、中国経済は世界経済成長の3分の1を占めています。経済規模は6年前の2倍近くに膨らみました。国際通貨基金(IMF)は2015年の世界成長見通しを3.1%に引き下げましたが、その主な理由は中国経済が巨大だからです。(ソースWSJ

2016年1月25日 (月)

中国の原油需要、サウジとイランが争奪戦!

中国の習近平国家主席の中東歴訪が始まりました。19日にリヤドに到着した同主席は、サウジとイランの間の原油販売競争の真っ只中に身を置くことになります。原油輸出は中東地域経済の中核です。

 

 中国はサウジとイランからの原油の最大の輸入国です。サウジとイラン両国はシリアやイエメンでの紛争などで対立してきました。サウジがイスラム教シーア派指導者ニムル師を最近処刑したことをきっかけに、テヘランではサウジ大使館が襲撃され、サウジはイランとの外交関係を断絶しました。

 

 核開発プログラムをめぐる西側のイラン制裁解除を受けて、イランは原油輸出を日量50万バレル増やす準備をしています。イラン当局者は、このうち大半を中国に向けることを狙っていると述べました。中国は制裁が実施された過去3年間、イラン産原油を購入し続けていました。ただしその量は減少していました。

 

 イランのザマニニア石油副大臣は先週末、国営メディアに対し、「中国は制裁期間中、イランにとって最大の購入者だった」とし、「イランの優先課題は市場シェアを取り戻すことだ」と語りました。

 

イランはまた、制裁中に欧州で失った市場シェアを取り戻すための動きも19日開始し、欧州大陸の大半向けの原油価格を引き下げました。サウジが今月同様の措置をとったのに続く動きです。

 

 習主席の中東訪問は、中国と同地域との関係発展が背景にありますが、折しも中国の石油需要の減少の兆しが世界的な石油価格戦争をエスカレートさせる雲行きです。サウジ訪問の後、同主席は20日夜にエジプト入りし、2日間滞在した後、イランに向かう予定。

 

 サウジとイランが直接的な戦争状態に突入すると見る人はほとんどいません。しかし中国は両国が最近の激しい言葉の応酬を抑えるよう強く求めています。2015111月の中国総輸入量の4分の1近くを占めたのが両国だったのです。

 

 野村ホールディングスのアジア太平洋地域石油・ガス調査ヘッド、ゴードン・クワン氏は、習主席は地域的な地政学的安定にコミットするとの誓約をサウジとイランから取り付けたい考えだと述べました。中国はこの地域に大きく依存しているだけに、供給が混乱すれば中国経済にとって破滅的になりかねないといいます。

 

クワン氏は「中国は、中東における緊張、とりわけサウジとイランとの間の緊張がエスカレートし続けないとの再確認を求めている」と述べました。

 

 中国経済が一層鈍化すれば、サウジとイラン両国間で経済競争が生じる恐れがある、と石油市場関係者は言います。中国は依然として世界の需要拡大のエンジン役ですが、調査会社バーンスタイン・リサーチは今週、今年の中国の総石油需要が約3%増、つまり日量30万バレル増にとどまり、昨年の約5%増から鈍化すると予測しました。

 

 サウジは長年、中国からの安定した需要を享受していましたが、中国の石油輸入は現在、ロシアやイラク、そしてその他生産国からの方がはるかに急速なペースになっています。石油価格の下落はサウジ経済を動揺させており、サウジ政府はガソリンやその他エネルギー製品向けの国内補助金を圧縮せざるを得なくなったのです。また米国との長年の同盟関係は、米国主導のイラン制裁解除合意によって試されています。

 

 サウジのサルマン国王は、20143月に皇太子として中国を訪問しており、19日午後には習主席のリヤド到着を先頭に立って歓迎しました。サウジは中国企業との協力による石油精製所建設を通じて中国との関係強化に努めてきました。サウジ国営石油会社アラムコは、中国石油天然気集団(CNPC)との間で日量26万バレルの石油精製所を雲南省に建設する話し合いを長年してきました。アラムコはまた、CNPCの精製所に出資し、リテール資産を取得することも話し合っています。

 

 一方、イランもまた、中国との関係を構築してきています。イラン石油輸出連盟の役員ハミド・ホセイニ氏によると、イランは制裁期間中、自国のタンカーが能力を超えたのを受けて、余剰となった液化天然ガス(LNG)の一部を中国の大連港で貯蔵していました。

 

 西側メジャー(大手石油資本)が2010年にイランから撤退して以降、中国の石油会社はイランで操業し続ける唯一の外国プレーヤーの一角だったのです。イランの石油当局者によれば、中国石油化工集団(シノペック)はイラン石油省が増産開始を直接指示した油田オペレーターの一つだといいます。(ソースWSJ

2016年1月24日 (日)

シャープ争奪戦を左右するアップルの存在感!

シャープの争奪戦は、アップルの存在抜きには語れそうにありません。アップルの主要サプライヤーである台湾の電子機器受託製造(EMS)大手の鴻海(ホンハイ)精密工業は大胆にもシャープとそのディスプレー技術の買収を提案しました。しかし、その条件は実のところ見た目ほど良くはありません。しかも、シャープの支援者たちには官民ファンドの産業革新機構による対抗案を支持する政治的および経済的理由があります。どちらの案にとっても、今後のアップルとの取引が大きな鍵を握ります。

 

 鴻海は総額6250億円の買収額を提示しましたが、これを全額、普通株の取得に充てるわけではありません。事情に詳しい関係者によると、約2250億円はシャープが昨年発行した優先株の取得に回すといいます。

 

これは、シャープの大口債権者である、みずほ銀行と三菱東京UFJ銀行の取り込みを狙ったものとみられます。2行は昨年7月、シャープ救済策の一環として2000億円の債務と優先株を交換しました。残りの250億円分の優先株は、救済に参加した企業再生ファンドのジャパン・インダストリアル・ソリューションズが保有しています。

 

 これらの投資家は、保有する優先株を早期に売却できるチャンスを歓迎するかもしれないのですが、歓迎しない可能性もあります。2行が保有する優先株の年間配当利回りは2.5%と実勢銀行間金利を上回り、日本の超低金利下ではばかにできません。みずほ銀行と三菱東京UFJ銀行はシャープの普通株も5%前後保有しています。しかし、両行には他にもよく考えなければならないことがあります。

 

 「日本株式会社」の多くだけでなく、日本の政府関係者も代替案の方を好んでいるようです。彼らは、条件は劣るかもしれませんが、産業革新機構がシャープを引き受けることを望んでいます。最終的に、産業革新機構がシャープのディスプレー製造事業を同業のジャパンディスプレイと統合することになりそうえす。

 

 ジャパンディスプレイは2012年に産業革新機構が日立製作所、東芝、ソニーのディスプレー事業を統合して設立しました。シャープのディスプレー製造事業が加われば、真の国内最大手となります。

 

 しかしこれは、海外企業の鴻海から重要な業界を守ることを目的とした保護主義的、縁故資本主義的行為としてあっさり片付けられる可能性があります。しかし今回の場合、防御態勢を固めようとする「日本株式会社」の動きは理解できます。

 

スマートフォン用・タブレット用ディスプレーの受注獲得競争はし烈で、アップルを中心とする大手デバイスメーカーはできるだけ価格を抑えるために、容赦なくサプライヤー同士を競い合わせています。シャープとジャパンディスプレイは、わずかな受注をめぐり韓国や台湾の競合企業と常に戦っているのです。こうした状況では、事業を統合して価格交渉力を高めることは理にかなっているのです。

 

 別の青写真は、アップル製品を製造している鴻海との垂直統合です。鴻海は、アップルなどの顧客との一括取引の一環として、製造する携帯電話に自社製ディスプレーを組み込むことができますが、このビジネスモデルは試されたことがないため、実際にどのような経済的利益をもたらすかは不明です。鴻海が現金をちらつかせることができても、シャープの将来はチームジャパンが決めることになるでしょう。(ソースWSJ

2016年1月23日 (土)

黒田総裁、追加緩和の賭けに出るか!

日本銀行の黒田東彦総裁は、デフレ対策にあらゆる手を尽くすと繰り返し表明している。金融政策決定会合が迫る中、総裁にまだその決意があるかどうかに注目が集まっています。

 

 インフレ喚起と景気回復に向けた黒田総裁の3年に及ぶ取り組みが試練に直面しています。世界市場の混乱で円相場が急伸する一方、日経平均株価は20日に弱気相場入りました。日本経済は足踏み状態で、エネルギー価格を含む物価上昇率はゼロ近辺にとどまっています。

 

 こうした全体の状況を受け、早ければ28日・29日の金融政策決定会合で日銀が追加緩和に踏み切るとの期待が高まっています。明治安田生命のチーフエコノミスト、小玉祐一氏は、追加緩和しない場合「日銀の金融政策のクレディビリティー(信頼性)は低下する」と指摘しました。また、「マーケットは、日銀は動きたくとも動けない、もしくは(質的・量的金融緩和は)限界だと受け止める可能性が高い」と述べています。

 

 安倍晋三首相の側近は匿名を条件にウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に対し、日銀は来週追加緩和すべきだとの見方を示したうえ、「追加緩和の条件を満たしている」と述べました。この側近は、追加緩和を見送れば、日銀の信頼性に疑問符が付き、期待に働きかけるという「アベノミクスの基本フレームワークが、壊れはしないが、毀損してしまう」として警戒感も示しました。

 

 日銀は20134月に導入した質的・量的金融緩和の下、年間約80兆円の資産買い入れを実施しています。その目的は円相場を下落させ、2%の物価安定目標を達成し、長きにわたるデフレとの闘いで決定的勝利を収めることにあります。緩和を受けて円はドルに対して30%下落し、企業利益は過去最高レベルへ押し上げられました。また、日経平均株価は年初こそ下落していますが、2015年末は19年ぶりの高値水準で取引を終えていました。

 

 黒田総裁は、原油価格の下落が低インフレの原因であり、物価の基調はエネルギー価格を除くとしっかりしているとして、日銀の政策は所期の効果を発揮していると主張しています。懐疑的な見方の高まりに直面した黒田総裁はここ数週、「さらに大胆な措置を取る用意がある」、「できることは何でもやる」と発言するなど、語調を強めています。

 

 黒田総裁にとって信頼性は極めて重要な問題です。総裁の言う「デフレマインド」の払拭(ふっしょく)は、国民が総裁にはインフレを喚起する力も決意もあると信じるかどうかで成否が決まります。

 

 黒田総裁の政策姿勢に対する投資家の疑念は、昨年秋以降に高まりを見せています。日銀は10月、物価見通しを引き下げると共に、2%の物価目標の達成時期を2017年初めへとさらに先送りしましたが、追加緩和には踏み切りませんでした。当時は7-9月期の実質国内総生産(GDP)速報値が前期比年率換算で0.8%減となり、日本経済は2年間で2度目のリセッション(景気後退)に陥ったかに思われましたが、後の改定値で0.3%増に上方修正されました。

 

 日銀は12月、量的・質的金融緩和を「補完」するための一連の措置を決定しましたが、規模の小ささや手詰まり感、そして、その寄せ集め的な内容に投資家やエコノミストは当惑しました。日銀の金融緩和は限界に達したとみる向きは多く、資産買い入れを大幅に拡大した場合、市場は混乱に陥るのではないか、また、これ以上の効果があるのだろうかとの疑問が浮上しています。

 

 オリエンタル・エコノミスト・アラート誌編集長のリチャード・カッツ氏は、日銀はジレンマに直面していると指摘しています。政策姿勢を疑問視する見方がある一方、追加緩和すれば、政策が効果を上げていないというメッセージを送ることになるからです。エコノミストらによれば、追加緩和を見送ることで予想される最悪の結果は円高です。円高が進めば、企業の利益は圧迫され、アベノミクスの重要な要素である賃上げにただでさえ慎重な企業幹部の説得は難しくなります。

 

 明治安田生命の小玉氏は、日銀が市場に好印象を与えるためには、年間の資産買い入れ目標を少なくとも20兆円引き上げ100兆円とする必要があると述べましたが、前回の引き上げは201410月で、買い入れを30兆円増額しています。

 

 黒田総裁にとってのリスクは、追加緩和で投資家は一時的に満足するものの、国民や企業の間にはさほど楽観が広がらないことです。日銀の追加緩和にほとんどあるいは全く効果がなかった場合、投資家は万策尽きたと結論づけ、黒田総裁に対しては、中国経済の急減速といったさらなる衝撃が発生した場合に対処できるとの信頼が損なわれる恐れがあります。

 

 JPモルガン証券のチーフエコノミスト、菅野雅明氏は「日銀にとっては、これが最後の緩和だという印象を与えないことが極めて重要だ」と述べています。(ソースWSJ)

2016年1月22日 (金)

今の相場下落、08年の再現にならず!

年初から世界各地に飛び火した金融市場の激しい急落が15日、一段と拡大しました。まだ終わりは近づいてはいません。あまりの惨状を受け、2008年の世界金融危機が再現するとの懸念が浮上しています。

 

 しかし、少なくとも米国に関する限り、当時といまでは決定的な違いがあります。相場はまだ下げが続く可能性はありますが、米国はいまの方がうまく乗り越えられる立場にあるようです。08年当時は、一つの相場下落が全面的な金融危機に変わりましたが、今回はそれを避けることができそうです。

 

 確かに、為替相場の下げは特に急で激しかったです。ダウ工業株30種平均は15日に390.97ポイント下げ、年初来8.25%安となっています。他ではもっと悪い事態になっています。中国株は年初来18%下がり、1バレル=30ドルを割り込んだ原油は今年の下落率が20%、15年の高値から52%下げています。

 

 金融危機を経験してきた人々にとって、こうした下げ幅や多数の市場に波及する状況は警戒感を呼ぶ事態です。08年の危機当初、1998年のロシア債務危機や01年のハイテクバブル崩壊と似た事態だとする人々があまりにも多かったのですが、そうした見方は全くの誤りでした。

 

 今回も同様な事態になる可能性は低いのです。08年にかけて危機感が深まった大きな原因は、金融システムに蓄積された債務の量を把握していなかったことにあります。そのために損失の痛みが増幅され、債券市場の機能不全につながり、銀行のバランスシートに大きな穴を開けたのです。

 

 米経済と金融システムは、当時とは大きく異なる状況にあります。特に米国内の債務比率は、政府を除けばそれほど高くありません。

 

 住宅ローン債権(モーゲージ)危機の震源地だった家計について言うと、連邦準備制度理事会(FRB)の資料によれば、07年末時点で家計の債務水準は所得の130%に相当しました。昨年7-9月期には、この水準が103%まで低下しているのです。さらに、超低金利のおかげで、家計が金融債務返済に充てる所得の割合は、07年の18.1%に対し現在は15.3%になっています。

 

 米国の銀行も同様に、金融危機当時よりも損失吸収力は増しています。FRB31の金融機関を対象に実施した最新の年次「ストレステスト(健全性審査)」によると、自己資本の基本的項目を構成する普通株式等は09年初めに4590億ドルだったのですが14年末には11000億ドルとなりました。投融資額にリスク度をかけて算出したリスクアセットに対する損失吸収力の尺度である普通株式等の比率は、14年末時点で12.5%と、091-3月期の5.5%の2倍以上になっています。

 

 確かに債務が心配な面もあります。米政府の債務は、07年終盤には国内総生産(GDP)比63%だったが、157-9月期には同101%となりました。欧州連合(EU)や日本、中国など世界の大国や地域においても同様のことが言えます。

 

 中国は不確実な要素です。同国は経済を活性化するために膨大な金額を借り入れ、これが工場から高級マンションにいたるあらゆるものの深刻な過剰につながっています。この借金乱用の解消が、今回市場が混乱した一因です。

 

 中国経済がハードランディングすると、世界中に影響し、米国にも影響が及ぶ可能性があります。ただ、どのように影響するかはまだ分かりません。米国にとってもっと重要な問題はおそらく、ストレスに誘発された海外経済の弱まりがどのように波及するかでしょう。輸入物価の下落で、FRBが既に低すぎるとみなしているインフレはさらに冷え込むでしょう。

 

 さらに、金融市場を沈静化する一環としてFRB98年に0.75%利下げしたが、当時と異なり現在は利下げ余地がほとんどありません。景気を刺激するためにFRBは、また非従来型の政策に手をつける必要があるでしょう。しかし、そうした政策は以前ほど効果がないでしょう。

 

 もう一つの懸念材料は、米国外で発行されたドル建て社債など、国外非金融機関に対して供与されたドル建ての信用額です。国際決済銀行(BIS)によると、その額は07年末には53000億ドルだったのが、昨年半ばに98000億ドルに達しました。ドル高や需要の弱まり、商品(コモディティー)などの価格下落が相まって、こうした債務の返済が難しくなっています。だが重要な点は、この米国外における融資の増加は、国外銀行と債券投資家が主導したものだったということです。この面での金融上のストレスは大きいのですが、米国を中心としたものではありません。

 

 また、現在市場で火の手を上げている原油価格急落などは、大半が当然のことだという点が重要です。市場は以前にも商品相場の崩壊を経験しています。こうした事態はいずれ供給の破壊につながり、その結果として市場は均衡に向かい価格は安定します。

 

 08年と09年は対照的に、最大の問題のひとつは投資家が何が起きているかを理解していなかったことにあります。崩れているのはどのような産物なのか、それらと金融機関の相関性はどうなのかが分かっていなかったのです。

 

 いまのところ、今回の嵐には世の中を激変させるほどの力はないようです。08年以降、投資家の多くは金融市場で何かあるたびに、新たなブラックスワン(予期せぬ衝撃的な出来事)を懸念してきました。投資家はホワイトスワン(予想外に良い出来事)もあることを覚えておくべきです。(ソースWSJ

2016年1月21日 (木)

中国ハイアール、GE家電買収で世界的メーカーに!

中国家電大手の海爾集団(ハイアールグループ)が米ゼネラル・エレクトリックの家電事業を大枚をはたいて買収します。中国最大級の世界的な家電企業になるためだとすれば、その目的は達成されました。

 

 GE15日、同社の家電事業をハイアールの子会社で上海証券取引所に上場する青島ハイアールに54億ドル(約6318億ドル)で売却すると発表しました。同家電事業をめぐってはスウェーデンの家電大手エレクトロラックスが買収することでGEと合意していましたが、当局の承認が得られず、昨年破談になりました。今回の買収額はエレクトロラックスが支払うはずだった345000万ドル(負債込み)を大幅に上回っています。

 

 高値で家電事業を売却したGEはさすがです。GEによると、買収額は過去12カ月のEBITDA(利払い前・税引き前・償却前利益)の10倍となり、エレクトロラックスが2014年に提示した最大7.3倍を上回っています。家電メーカーでは、ワールプール株が7.6倍、エレクトロラックス株が6.6倍、青島ハイアール株は7.5倍で取引されています。ハイアールによると、相乗効果を考慮した買収額はEBITDA8.2倍ですが、それでもまだ割高です。

 

 ハイアールがどうしても海外資産を手に入れたかったことは明らかで、SPキャピタルIQの計算によると、ハイアールグループが2012年にニュージーランドのフィッシャー・アンド・パイケル・アプライアンシズを買収したときは、EBITDA19倍近い金額を支払っています。

 

 背景にあるのは中国経済の減速です。ユーロモニター・インターナショナルによると、2005年から2011年まで金額ベースで平均17%伸びていた中国の家電市場が失速し始めました。住宅販売の減少がエアコンや冷蔵庫の売上げに波及する一方で、当局は家電購入への補助を中止しました。2015年の家電販売の伸びは1.6%。その上、競争も激化しています。

 

 対照的に、米国の家電市場はこの3年、平均で6.1%という伸び率を確保。安定した市場シェアを持つGE買収によって、ハイアールは米国最大のメーカーの一角を占めることになるでしょう。ユーロモニターのフェン・チャン氏によると、ハイアールは冷蔵庫などの部門に強みを持っており、食洗機や調理器に強いGEの事業を補強できるとみています。

 

 ハイアールはまた、将来的にアジアで展開できる由緒ある西洋のブランドを手に入れたことになり、GEブランドは確実に高級部門への足掛かりとなるでしょう。(ソースWSJ

2016年1月20日 (水)

大手米銀株がなぜボロ株のように扱われるのか!

米大手金融機関の株式は、悪材料で株価が数セントに暴落し乱高下する「ボロ株」のように取引されるべきではない。しかし新年入りしてようやく2週間という現時点で、大手銀行の株価のほとんどが10%超下落しています。

 

 KBWナスダック銀行株価指数は年初来で13%落ちました。大手保険会社の株式も同様で、メットライフが13%、プルデンシャルが15%、それぞれ1月に入って値下がりしています。

 

 シティグループは15日、事前予想を上回る1012月期決算を発表したものの、株価は一時7%近い大幅安となりました。今年に入ってこれまでに19%下がっており、一株当たり純資産(BPS)より40%近く割安に取引されています。

 

 ゴールドマン・サックス・グループ、モルガン・スタンレー、JPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカの各行も株価がBPSを下回っています。ただ、15日にやはり事前予想を上回る決算を発表したウェルズ・ファーゴも株価は下げましたが、まだBPSは上回っています。もっとも、オプションの現時点での価値を示す本源的価値に対するプレミアムは12月以降、大幅に下落しました。

 

 とはいえ、各行とも状態がひどいというわけではありません。自己資本はここ数十年で最も手厚くなっています。当局による検査もかつてなく厳しくなっており、ストレステスト(健全性審査)では、大手行は世界的な厳しいリセッション(景気後退)が起きても現在の配当を維持できるであろうとの結果が出ました。

 

それではなぜ一部の金融機関の株価が、市場の平均的な下落率を上回って値下がりするのでしょうか。

 

 市場の混乱時には、経費節減とリスクへのエクスポージャーを管理して単に利益を出すだけでは足りないのです。投資家は資本コストをかろうじて上回る利益が、良い買いの理由になるとは考えません。それを達成できなければなおさらです。

 

 言い換えれば、成長株を物色している投資家にとって銀行株を売却することは非合理的ではないのです。米大手銀の株式を買うことは米国および世界経済に対する投資とも言えます。企業業績が2四半期連続して不振となるなかで、銀行株はうま味のある買いとはなりません。

 

 コモディティー(商品)相場の下落や中国経済の減速懸念が一部の投資家にはこの傾向をさらに悪化させています。例えば、新興市場国の成長に対する疑念は、世界各国へのエクスポージャー比率が他行より高いシティグループの株価により悪影響を与えました。実際、多くの投資家はシティ株を米国の経済成長予測を表す指標としてみています。このため原油安や中国の減速からのリスクを限定的にしたいと考えるポートフォリオ管理者がシティ株を売るのは自然なのです。

 

この急落に反射的な売買が作用しているのは間違いありません。大量売却によって銀行の企業価値が脆弱になるにつれ、投資家は将来の利益見通しをさらに引き下げ、それがまた銀行株価を下押ししています。ボラティリティ(価格変動)がボラティリティを生むといった状況です。

 

 この状況に何か救いは見い出せないのでしょうか。大量売却は、銀行の破たん懸念からではありません。投資家が、銀行の置かれた状況が直ちに目に見えて好転はしないだろうとの考えからです。

 

 これは投資家にとってはわずかな慰めかもしれませんが、それでも慰めではあります。そして買いの好機がすぐ訪れる可能性があることを意味しています。(ソースWSJ

2016年1月19日 (火)

世界最大級の恐竜、米国自然史博物館で公開!

Tレックスやバロサウルスよ、ちょっとどいて場所を空けてくれ。新しい前史の巨大恐竜がニューヨークの町にやって来る。今週、アメリカ自然史博物館で公開されます。

 

 ティタノサウルスという用語で知られるこの恐竜は、週末15日に一般公開されます。同博物館で展示される最大の恐竜であり、これまで発見された世界最大級の恐竜です。全長は122フィート(約37メートル)、背丈は20フィート(約6メートル)で天井に届くほどです。地球上を闊歩していた1億年近く前の体重は推定約70トン。アフリカ象の少なくとも10頭分です。

 

 復元骨格模型と並んで、最近発見されたティタノサウルス化石から最も良く保存されている骨の一部も展示されます。それには長さ8フィート(約2.4メートル)の大腿骨も含まれています。

 

 ディエゴ・ポル氏は、2014年にアルゼンチンでこれまで知られていなかった恐竜を発掘した古生物学者の1人です。同氏は「あらゆるものが極端に大きかった」と述べ、「作業を開始して数日後、それが巨大だと気付いた」と語っています。

 

 ティタノサウルスの最初の発見は、ある農民からの電話で始まりました。彼はアルゼンチンのパタゴニアにある遠隔の砂漠地域で化石を発見しました。ポル氏と、同国トレレウ市の古生物博物館の同僚たちが急いで調査した結果、相当重要な発見ではないかと考えました。ポル氏は「時には何の成果にもつながらない断片の発見があるし、時には、幸運にも素晴らしい一連の骨を見つける場合もある」と述べています。

 

発掘チームの別の古生物学者ホセ・ルイス・カルバリド氏によれば、この恐竜が完全に輝かしい姿を現すにはしばらく時間がかかったといいます。同氏は「(発見場所への)最初の訪問はエキサイティングで、大腿骨を発見した」と述べました。しかし同時に、「この発見の重要性を本当に知るのは、2度目ないし3度目の訪問の時だった」と語っています。

 

 ポル氏によると、現場から発掘された200個以上の化石は、これまでに知られていない種(しゅ)のものだったのです。それらは、これまで発見されていなかった史上最大の生き物の存在についての手掛かりを提供するといいます。この恐竜は、発見されてまだ新しいため、正式な名前が付けられていません。

 

 ニューヨーク古生物学会の会長で、ニューヨーク大学の講師を務めるドン・フィリップス氏によると、「ティタノサウルス」という言葉は、実は同じような構造や大きさを持つ巨大な恐竜の一群のことを指すといいます。フィリップス氏は「これらは、皆さんが良くご存じのように、長い首と尾を持つ極めて大きい恐竜だ」と述べ、「これまでに存在した中で最大の地上動物だ」と話しました。

 

 ティタノサウルスは草食動物だったと考えられています。このためフィリップス氏は「われわれがその時代に戻って生きていたとしても、彼らは恐らくあまり脅威ではなかっただろう」と述べました。ただし「上から足で踏みつけられない限りはだ」とも付け加えました。(ソースWSJ

2016年1月18日 (月)

原油相場、底打ち時期の判断方法とは!

原油相場に底値はないのだろうか。もちろん、底値はあります。とはいえ、産油国は難癖をつけるかもしれませんが、現在の原油価格は底値を示唆するような不合理な水準からは程遠い。底値をつけたかどうかを判断するには先物価格に目を向ける必要があります。

 

 供給過剰が続く中で世界全体の原油在庫は過去最高水準にあり、明らかに原油保管料は非常に高い。事実、最も高くつく保管場所である巨大な原油タンカーを使った場合のコストは依然として割高です。

 

 一方、国際石油取引の指標油種であるブレント原油の先物価格は、原油市場の下落余地がまだ大きいことを示唆している。原油先物では普通、受け渡し時期が先の限月ほど価格が高くなる「コンタンゴ(順ざや)」と呼ばれる現象が見られますが、目下のところ、期近物の20163月限と173月限の価格差はわずか8.1ドル程度です。

 

これほど小さい価格差では巨大タンカー(VLCC)のリース料はとても穴埋めできません。原油を陸上で保管すればトレーダーは価格差の大半を利益として確保できるため、原油備蓄のインセンティブが生じます。一方、期近物より期先物の方が極端に高い「スーパーコンタンゴ(極度の順ざや)」になれば、貯蔵設備が全ていっぱいでこれ以上の備蓄が不可能であることが示唆され、この時点で現物価格は底を打ったに等しいと考えられます。

 

 例えば、CMEグループによると、092月初めに米原油先物の指標銘柄であるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエイト)の093月限が33.98ドルをつけた際、103月限は55.95ドルでした。

 

 092月までに現物価格は8カ月間で約80%下落していました。当時は現物市場で原油を購入する好機だったわけですが(現物価格は実際、その後1年で150%上昇した)、原油備蓄に絶好のチャンスでもあったのです。トレーダーは最もコストのかさむ保管場所を選んでも、103月限をすぐに売却すればたちまち利益を手にすることができたはずです。

 

 足元の原油相場は13年ぶり安値に沈んでいるものの、まだ世界の終わりを意識させる水準まで暴落したとは到底言い難い水準です。(ソースWSJ

2016年1月17日 (日)

金融でも先駆者だったデビッド・ボウイ!

英国の世界的ロック歌手で10日に死去したデビッド・ボウイさんは音楽やファッションの新境地を開いたことで人々の記憶に残るだろう。だがそれだけでなく、ボウイさんは金融面での先駆者でもあった。

 

 ボウイさんは1997年に、作品の将来の売り上げに対する権利を売却し、5500万ドル(約65億円)の資金を調達した。いわゆる「ボウイ債」と呼ばれるこの債券の画期的な発行は、ミュージシャンが作品の知的財産権の使用料(ロイヤルティー)を証券化した初めての例だった。他の多くのアーティストと違い、ボウイさんはロイヤルティーを完全に所有していた。

 

 そのタイミングは絶妙だった。米金融業界ではちょうど、変わった金融商品に対する人気が急騰していた。しかも、音楽ファイル共有サービスのナップスターなどによってCD販売額が地に落ちる前だった。

 

 ボウイ債の発行後、ロックのロイヤルティー証券化というニッチ分野を築き上げた投資銀行家のデービッド・プルマン氏は、「デビッド(ボウイさん)は最初、自身の楽曲の売却を検討していた。しかし、楽曲は自分の子供たちのようなもので、売りたくないと悟った」と話す。

 

ボウイさんがマンハッタンのミッドタウン地区にあるプルマン氏のオフィスを訪れたとき、同氏は斬新な金融工学の一つを提案した。ボウイさんの最初の25のアルバムからの売上高を一つの金融ビークルとして発行する債券の担保とするやり方だ。つまり、自身の作品に対する権利を譲り渡すが、それは一時的だ。

 

 プルマン氏は「彼(ボウイさん)の最初の反応は『証券化とは何だ?』というものだった」と話す。「しかし、私が説明すると彼は一瞬たりとも躊躇(ちゅうちょ)しなかった。彼は新しいことにトライすることが重要だということを自ら具現化してみせた」と振り返る。

 

 米金融・保険大手のプルデンシャル・ファイナンシャルがプルマン氏の会社から直接この債券を購入した。10年債で利回りは7.9%だった。私募だったため、金額的な条件ははっきり分かっていない。

 

 需要はものすごかったとプルマン氏は思い出す。そして、同氏の会社にも同様な案件が幾つも舞い込んだ。中には、ジェームス・ブラウンさんやマーヴィン・ゲイさんといったアーティストもいた。

 

 ボウイ債の営業では、通常とは違った質問も多かった。

 

 「投資家会議で、投資会社や保険会社、格付け会社から決まって最初に聞かれる質問は『デビッドに会ったのか?』というものだった」とプルマン氏は話す。「その次には『(ボウイさんの妻でスーパーモデルの)イマンさんに会ったのか?』と聞かれた」という。

 

ボウイ債は、資産担保証券という急成長市場の記念碑ともいうべき存在になった。資産担保証券は石炭工場からスポーツチームに至るまで、あらゆる主体が生み出す資産を裏付けとして発行される証券。

 

 資産担保証券へ投資するファンドのポートフォリオマネジャーで、ボウイさんのファンでもあるロンドン在勤のロブ・フォード氏は「革新的だった」とし、「最終的には、全ての種類の資産に関連する証券化の基本形になった」との見方を示した。

 

 ボウイさんは、楽曲のダウンロードがCD販売を侵食し始めた時期に、過去の作品を利用して利益を得た。ボウイさんは2002年のニューヨーク・タイムズ紙とのインタビューで、10年後に著作権が存在しているとは思わないと話していた。音楽は「水道や電気のような」ありきたりのものになっている可能性が高いだろうとも語っていた。(ソースWSJ

2016年1月16日 (土)

グーグル自動運転車のニアミス、14カ月で13回!

Googleの自動運転車は優に1年以上にわたり、カリフォルニア州マウンテンビュー付近の道をおおむね無事に走り続けてきましたが、いざというときには即座に運転を替わる人間をまだ必要としています。

 

 カリフォルニア州自動車局が20161月第2週に公開したレポートによると、Googleの自動運転車は少なくとも13件のインシデントで、人間のドライバーが介入しなければ何かにぶつかっていたといいます。

 

 このレポートによれば、201511月までの14カ月間において、カリフォルニア州内でのテスト中に人間が運転を替わる必要が生じたのは341回で、そのうち272回は、その丸味を帯びた形の車に搭載された自動運転技術の不具合によるものだったそうです。

 

 これらの不具合の大半を占めるのは、ソフトウェアまたは認識のエラーだった。また、そのような不具合が発生したすべての事例で、テストドライバーは車から警告を受け、手動運転に切り替えていました。何が問題だったのかを解明するために、すべてのインシデントは記録され、後にシミュレータで再現されています。シミュレータでの検証の結果、人間の介入がなければGoogleの自動運転車は衝突していたと思われる事例は、記録されたインシデントのうち13回だけだったといいます。

 

 Googleの自動運転車が起こしたニアミスのうち2件は、道路に置かれたコーンをよけようとした際に発生したもので、テストドライバーが代わりに運転したため、他の車からぶつけられずに済んだケースも3件ありました。後になってGoogleのエンジニアがシミュレータでこれらの状況を再現してみたところ、人間のドライバーが関与しなければ、自動運転車は他の車にぶつけられていたことがわかったそうです。

 

 「このような出来事はめったにないもので、当社のエンジニアがこうしたシミュレーションでの衝突について慎重に調査し、ソフトウェアを改良して自動運転車が安全に走行できるようにしている」とGoogleはカリフォルニア州自動車局のレポートの中で述べています。ソフトウェアの「修正」は長距離のシミュレーション走行によるテストを経た上で、実際の路上でもう一度テストされると同社は説明しています。修正がうまくいったことが確認されれば、全車にその修正が適用されます。

 

 Googleによれば、自動運転車の走行距離が増えるにつれて、シミュレータでの再現を必要とする問題事例の数は減少するといいます。ただし、こうした事例がめったに起きないがゆえに、傾向を把握するのは難しかったようです。Googleの自動運転車がカリフォルニア州の公道を走行した距離は合わせて424331マイル(約68km)で、20154月以降はニアミスに1件も遭遇していないそうです。(ソースCNET

2016年1月15日 (金)

自動運転で出遅れたトヨタ、ギアチェンジの裏側!

20159月、トヨタ自動車・東京本社にある豊田章男社長のオフィスに3人の幹部が入りました。3人には、トヨタも、無人運転の可能性も含む自動運転車を作るという目標を受け入れる必要があると考え、社長に抜本的な変化を求めようとしていました。カーレースの熱狂的ファンで、自らもハンドルやアクセルを操作するのが好きな豊田氏は長く抵抗してきました。

 

 3人は社長室で豊田社長と向き合った。参加者の1人は当時を振り返り、ミニカーやレース用ヘルメットが飾られた豊田氏のオフィスが、まるで10代の少年の部屋のようだったと話しました。彼らは社長を説得するのに長時間を費やす覚悟だった。

 

 ただ、豊田氏はすでに考えを変えていました。参加者の1人によると、豊田氏は「何を難しく考えているのだ」と語たり、「とにかく色んな人が、自由に移動できることが大事なのだ」と。

 

 北米国際自動車ショーが開かれているデトロイトでインタビューに応じた豊田氏は、自分自身の中に大きな考え方の変化があったと話しました。この変化は1年以上前、格好良い自動車に乗りたがっているパラリンピックの選手たちと会った時に起こったといいます。同氏は心境の変化を公にしたのはそれから随分後のことだったのです。

 

 豊田氏は「トヨタにも自動運転に対する参加意義、それから参加する大きなリソースがあると思う」と語りました。トヨタの創業者の孫である豊田氏の方針転換は業界革命の一翼を担うものです。安価なガソリンや米国での記録的販売など、自動車会社の事業は好調さを示しています。とはいえ、自動車メーカーにはテクノロジーの変化の波に飲みこまれかねないという不安がつきまといます。

 

 世界市場で一歩先んじようとする競争が繰り広げられる中、伝統的な自動車各社はソフトウエア会社が自動車の魂と収益性の両方を奪い取ってしまい、自分たちはスマートフォン(スマホ)を受託生産する中国の工場のような地位に追いやってしまうのではと恐れています。

 

 米グーグルの親会社アルファベットは自動運転車を開発中で、アップルは2019年までに電気自動車(EV)の出荷を開始する目標を設定したといいます。これらIT企業に加え、配車サービスの米ウーバー・テクノロジーズのような新興企業も未来の自動車に率先して向かっているのです。

 

 米テスラ・モーターズなどが生産するEVの台頭は、内燃エンジンと長年蓄積されたエンジニアリング技術を脇に追いやることで、自動車産業の参入障壁を引き下げました。

 

 世界的な自動車大手の中には新参者との間に架け橋を築く企業もあります。米ゼネラル・モーターズ(GM)が相乗りサービスを手掛ける米リフトに5億ドルを投じたほか、関係者によると フォード・モーターも自動運転技術の採用でグーグルとの提携を目指しているといいます。

 

 トヨタほどこの挑戦が克明に描き出されている企業はありません。トヨタは販売台数でも利益でも世界最大の自動車メーカーです。トヨタの販売台数は年間1000万台以上となり、純利益は20163月期に190億ドルになると見込まれています。ただ、同社の現旧幹部らによると、信頼性と生産能力という従来の強みの外の分野に競争の場が移っているという不安が、トヨタ内部でも徐々に強まってきたといいます。

 

 自動車排気系システム大手のフタバ産業に昨年異動するまでトヨタの役員を務めていた吉貴寛良氏は、「自分の土俵で勝負している限りは強くても、そこに対して全く別のところから思いもかけなかった形での参入者が来て、盤石だと思っていたゲームのルールが変わってしまう。そうすると、今まで古いゲームのルールで一番強かったところがすぐにやられてしまう」と話しました。

 

 過去4年間、トヨタの経営陣はグーグルからの極秘の申し入れを断り、一部でタブー視されている「自動運転」という言葉をどう扱うか頭を悩ませてきました。自動運転プロジェクトに関わった関係者らによると、社長をどう説得するかについて頭をひねらせたといい、というのも、豊田氏はロボット運転に対する不信感を包み隠さなかったからです。(ソースWSJ

2016年1月14日 (木)

原油10ドルに現実味?投資銀行が描くシナリオ!

主要投資銀行はここ1週間争うように、原油価格がこれまでみられなかったほど急落すると予想するようになっています。

 

各行はほとんど、基準シナリオでは原油価格は年内には現行水準から反発すると予測。ただ「最悪シナリオ」として、ますます低い水準を提示しています。ゴールドマン・サックスは昨年9月、原油価格が1バレル=20ドルまで低下するとの見通しを示し、トレーダーにショックを与えました。しかし、米国産標準油種WTI30ドルを割り込んでおり、今やかつてないほど20ドルの水準に接近しています。

 

 モルガン・スタンレーは11日、ゴールドマンに追随して「20ドル・クラブ」に加入。ただ、ゴールドマンが在庫増加を理由にしたのに対し、モルガンはドル高圧力を受けて20ドルに下落する可能性があると予想しました。

 

 一方で両社の予測は、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)やスタンダード・チャータードに比べると控えめです。RBSは先週、原油価格は16ドルに下がる可能性があるとの見通しを明らかにしました。スタンダードは12日、「10ドルまで下落する可能性がある」と述べました。

 

 これらの予想はいずれも、各行の公式見通しとは大きく違います。投資銀行12行を対象としたウォール・ストリート・ジャーナルの調査では、北海原油ブレントの今年の平均予想価格は50ドル、WTI48ドルとなっています。

 

 アナリストらは、現在の原油相場の急落の勢いも期間も予想できなかったことから、再急落について見通しを外したくないという気持ちが働いたとしてもおかしくはありません。価格が下落を続ければ、こうした「最悪シナリオ」の現実味は増してきます。

 

 しかし、トレーダーらは今も、ゴールドマンが2008年に原油価格が200ドルに達すると予想し、あまりに行き過ぎたことをからかいの種にしています。同様に、こうした原油価格急落の大胆な予想も大きく外れる可能性があります。そうなれば、買いのシグナルになるかもしれません。(ソースWSJ

2016年1月13日 (水)

テスラ、自動運転機能に制限 危険走行に対応!

米電気自動車のテスラ・モーターズは、自社車両の自動運転機能に制限を加えました。自動運転機能付きの車両をオーナーが危険な状況で「手放し」運転している様子を撮影した動画が多く出回っていることが背景です。

 

 同社はインターネットを経由させたソフトウエアのアップデートで自動運転機能に制限を加えたほか、遠隔操作で自動車を自動駐車させる、もしくは目の前に呼び出すことが可能な機能を追加しました。遠隔操作が可能な範囲は最大39フィート(約12メートル)。

 

 テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は第3四半期決算の電話説明会で自動運転システムのソフトウエアをアップデートする方針であることを明らかにしていました。走行している間に運転手が後部座席に移動したり、読書をしながら運転したりといった、危険な状況で走行している動画が多数、ネットに掲載されていることが背景にあります。

 

 このアップデートにより、テスラの自動車は住宅街の通りや中央分離帯のない道路で自動運転機能が利用できないことになりました。また、自動運転機能を利用する場合、掲示されている制限速度を5マイル以上超える速度での走行が不可能になります。

 

 テスラは昨年10月に自動運転機能の搭載を始めました。この機能を使えば、渋滞中の道路から高速道路まで、あらゆる走行でハンドルやペダル操作が不要な運転が可能であり、縦列駐車も自動で行ってくれます。(ソースWSJ

2016年1月12日 (火)

サウジ、国営石油会社アラムコのIPO検討。埋蔵原油も上場対象に!

サウジアラビアは、国営の石油会社サウジアラムコの新規株式公開(IPO)を検討しています。同国は国営企業の民営化を広く進めていますが、現在エネルギー価格は低迷しており、微妙な時期でもあります。

 

 サウジアラムコがIPOに踏み切るとしても、その規模が限られるのはほぼ確実で、戦略的な生産資産は全て除外される可能性があります。しかし、同社の企業価値は世界最大級とされており、たとえ上場がごく一部だとしても調達額は数十億ドルになる可能性があります。これはサウジ政府の財政に大きな助けとなります。世界の原油価格はここにきて12年ぶりの安値をつけるなど、下落が続いています。

 

 サウジは石油収入の下落に備えてかなりの外貨準備を積み立てています。しかし、財政逼迫(ひっぱく)の兆しが多少見えており、歳出カットやエネルギー補助金の削減で節約に取り組んでいます。

 

サウジアラビア政府は国営石油会社サウジアラムコの新規株式公開(IPO)を検討していますが、埋蔵されている原油の少なくとも一部を資産に含める形で上場する可能性があるといいます。同社のハリド・ファリフ会長が11日、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで明らかにしました。

 

 ファリフ会長は「現時点で上場に向けた具体的な計画はない。調査を実施中だ。真剣に検討している」と述べました。その上で「本体の上場には上流部門が含まれる」とも語りました。サウジアラムコは、精製や石油化学など下流部門の子会社を上場する選択肢も視野に入れています。ファリフ会長は「これらの資産の多くに合弁相手がいるため、法的な合意を見直す過程も経なければならない」とし、「それには時間がかかる」と話しました。

 

 サダラ・ケミカル、サウジアラムコ・トータル・リファイニング・アンド・ペトロケミカル、ヤンブー・アラムコ・シノペック・リファイニングについては、それぞれ独立した企業として上場する用意があるといいます。サウジアラムコは国内の証券取引所を主な上場先とする計画ですが、「規模の見通しを踏まえると、今の段階では海外上場の可能性も排除しない」と述べています。

 

 サウジのムハンマド・ビン・サルマン副皇太子は先のインタビューで、IPOによってサウジアラムコの汚職をめぐる懸念に対応すると語っていました。だがファリフ会長は今回、汚職などの企業統治や透明性に関わる問題はないとしました。(ソースWSJ

2016年1月11日 (月)

中国の為替「操作」にまつわる神話!

年明け以降、世界の株式市場が急落し、多くの人が混乱の主因は中国人民銀行による人民元の切り下げだと主張しています。

 

 これまでも人民元が切り下げられると中国が卑怯な手を使っているという非難の声が上がりました。例えば、米大統領選の有力候補ドナルド・トランプ氏はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)への寄稿文で「中国の通貨の理不尽な操作」は「米国国民から数十億ドルの資本と数百万の雇用を奪っている」と主張しました。

 

 こうした誇張に切り込むには、中国の為替制度の仕組みとその影響を理解する必要があります。先週の株安があったからだけではありません。今年は環太平洋経済連携協定(TPP)など他の問題との絡みで人民元が議論されるからです。要点は3つあります。

 

 1つ目は、中央銀行は通貨発行という法律で認められた独占権限のおかげで、物価の安定や完全雇用といった政策目標を達成する手段として1つの名目価格を固定することができる、ということです。

 

 現在は名目金利の固定を選ぶ中央銀行が多い。米連邦準備制度理事会(FRB)は銀行同士が翌日返済の資金を貸し借りするときに払う金利フェデラルファンド(FF)レートを、欧州中央銀行(ECB)は翌日物の貸出金利「限界貸出ファシリティ」の金利を対象としています。名目為替レートを固定する中央銀行もあります。例えば人民銀行はこれまで米ドルと人民元の為替レートを固定していましたが、先月以降は13の通貨で構成されるバスケットに対して元相場を固定しています。

 

 通貨の切り下げも切り上げも独立した金融政策を行使しているにすぎません。第2次世界大戦後のブレトンウッズ体制下では、多くの国がドルに対して自国の通貨を固定し、FRBはドルの価値を金1オンス=35ドルに固定していました。

 

 分別のある人なら各国が金融政策を実施する方法について異議を唱えることもあるでしょうし、実際、異議を申し立てています。しかし、金融政策の実施そのものに操作というレッテルを貼ることは中央銀行の運営と目標を根本的に取り違えていることを白状するようなものです。人民銀行の周小川総裁が為替を操作しているというなら、FRBのジャネット・イエレン議長は金利を操作していることになります。

 

 2つ目の要点は、人民元の名目為替レートの動きが世界的な輸出入の動向や平均賃金など貿易を超えた幅広い側面に長期的な影響を与えることはほとんどないということです。貿易動向にとって重要な為替レートは実質為替レート、すなわち名目為替レートを貿易に関わる両方の国の現地通貨価格に対して調整した為替レートでなのです。

 

 実質為替レートは技術や、労働力や資本といった資源など比較優位という根本的な力を反映しています。こうした力は金融政策に関係なく貿易を動かしています。

 

 貿易に関わっている企業について考えてみると、人民元が切り下げられても、中国企業が元建ての価格を引き上げるためその影響は部分的に相殺されることが多いのです。多くの学術的な文献で繰り返し指摘されているように、ある国の輸出企業の間で利益競争が起きると、通常はその国の名目為替レートの変動の半分程度が相殺されます。現在はさらに多くの企業が世界的な供給ネットワークの中で活動しており、貿易と投資によってさまざまな国でさまざまな生産段階が結びついています。ネットワークに組み込まれたこうした企業では収入と費用の両方がさまざまな通貨で発生するため、企業の貿易競争力は1国の通貨が変動したところでほとんど変わりません。

 

 名目為替レートの長期的な変動は多くの場合、世界の貿易動向の進化とは関係ありません。ブレトンウッズ体制の崩壊後、ドルは日本円に対して下落を続け、固定相場時代には360円だった1ドルの価格は1995年には平均でたった94円になった。この間、米国は対日貿易で大幅な黒字に振れたでしょうか。答えはノーです。

 

 米国の対日貿易赤字は1970年には12億ドルだったのが、1995年にはその50倍の591億ドルにまで増加しました。同じように、2004年から2014年までの間にドルは人民元に対して約25%下落しました。この10年間で米国の対中貿易赤字は1619億ドルから3426億ドルに急増したのです。

 

 3つ目の要点は、中国が多くの資本規制を緩和するにつれて、強い力が人民元の価値を押し下げることです。中でも最も強い力は中国の世帯や企業の間でうっ積していた中国以外の資産への投資需要でしょう。

 

 中国ではこの35年間で所得と富が急増しましたが、海外の資産には投資する機会はほとんどなかったのです。そのおかげで国内の不動産価格は高騰し、家計の貯蓄率も上昇しました。資本流出に関する規制が緩和されれば中国国内で中国以外の資産に対する需要が拡大し、中国以外の通貨への需要も膨らむでしょう。

 

 世界が一部の中国の経済政策に関して抱いている懸念は正当なものです。中国にはあまりに多くの貿易障壁や投資障壁があります。地元企業を優遇しすぎているし、知的財産の保護も脆弱すぎます。しかし、米国やその他の国の指導者が人民元の問題で中国を脅せば脅すほど、米国に多くの雇用と多額の賃金という犠牲を強いている政策の不足を克服するよう働きかけることは難しくなるのです。(ソ-スWSJ

2016年1月10日 (日)

中国市場を窮地に追い込んだ習主席への権力集中!

中国の習近平国家主席の人となりを表す特徴の1つは、何でもコントロールしたがるという性質です。

 

 故毛沢東主席は神のように超然とした態度で支配しました。故鄧小平氏は細かいことは下っ端に任せました。対照的に、習主席は全てを一手に引き受ける。過剰なコントロールがやめられない指導者です。

 

 先週、中国市場が再びパニックに陥るなか、官僚機構の混乱ぶりが目立っています。中央銀行と証券当局との認識が共有されていないことは明白です。中銀が大幅な元安誘導を突然決めたことで株式市場のパニックに拍車がかかり、投資家は金融当局が経済の現状に焦りを感じ始めたと受け取りました。

 

 問題の一端は政策決定のボトルネック状態のようです。習主席は鄧小平氏から受け継いだ集団指導体制を破棄し、自らに政策決定の権限を集中させました。しかし、習主席は手を広げ過ぎました。主席が今抱えている責任だけでも、軍の再編、腐敗取り締まりの主導(同時に、官僚に反省を促すため儒教式の新たな道徳律を定めようとしている)、南シナ海での米国との対立、今週の台湾総統選への対応などがあります。

 

 当然、経済についても指揮を執っています。習主席が基盤としているのは自ら創設し、議長を務める「中央全面深化改革指導小組」です。従来、「中央財経指導小組」が財政や経済に関わる問題の調整役を務めていましたが、全面改革小組の登場で影が薄くなってしまいました。

 

 その結果、李克強首相の職務は縮小しています。李氏の前任者は経済運営を担当していましたが、李氏が歴代首相ほどの自主性を発揮することはありません。しかし、事態が極端に悪化する場合、李氏は責任転嫁される可能性があります。

 

 一方、日常的な危機や国際紛争への対応にも習主席の残りの時間が奪われています。例えば、習主席は先週、国際社会から北朝鮮の水爆実験への対応を求められました。従来の分析であれば、中国の株式市場は実体経済とは大して関わりがなく、そのために直近の株価急落についてもあまり気をもむ必要はないというところです。

 

 しかし、この分析は最も重要な点を見落としています。中国の長期的な経済的課題の重大性を考え、また、課題の解決に何一つ失敗は許されないことを知っていることから、投資家が当局による市場対応のまずさを懸念するのは当然です。尽きることがないように思えた地方からの労働力流入や中国製品への国外からの需要も含め、成長のけん引役は全て失速しつつあります。中国は環境破壊や多額の債務など以前の成長モデルからの負の遺産に立ち向かいながら、製造業全体を改善する必要があるのです。

 

 ところが、私たちは滑稽なほどの技量不足を目の当たりにしていて、直近の例で言えば、株式市場の乱高下を抑えることを目指したサーキットブレーカーの導入がそうです。サーキットブレーカーは昨年の株式市場の混乱を受けて証券当局が大急ぎで導入した制度ですが、発動後たった4日で停止された。狙いとは逆に株価の乱高下を助長したからです。エマージング・アドバイザーズ・グループの上海在住のエコノミスト、ジョナサン・アンダーソン氏は、これについて「素人芸」と評しています。

 

 皮肉なことに、昨年初めに急激に悪化したように見えた実体経済はわずかながら持ち直しています。そして重要なことに、住宅用不動産市場は反発しています。そのため、中銀による先週の人民元安誘導はますます不可解です。経済はやっと安定の兆しを見せ、人民元高を誘発し中国の輸出競争力を損なうドル高はやっと解消されつつあります。

 

 当局の混乱は、経済政策を決定する中枢部の矛盾を映し出しています。中国の指導部は一方で、消費者主導の経済成長への移行を乗り切れるように市場の効率化を図りたいと考えている一方で、中国政府は実際には自由市場を信頼せず、規制で市場を誘導するほうを好んでいます。最大のダメージをもたらしかねないのは、安易に打ち出され、まともに実行されないこうした官僚的介入です。

 

 喫緊の問題は、過去最高の水準にある資本の逃避が加速することです。株式市場や外国為替市場での信頼感の危機は、まだぜい弱な実体経済に飛び火しかねません。さらに厄介なことに、中国の指導者たちは短期的な成長を犠牲にしてまで、長期的な見通しを確かなものにするために必要な経済改革を進めることにますます慎重になるでしょう。

 

 経済が手に負えなくなるのを阻止したければ、習主席はコントロールをあきらめることを学ぶ必要がありそうです。(ソースWSJ

2016年1月 9日 (土)

中国経済、実態把握が一段と困難に!

中国の経済成長を遠くから追跡しようとしている投資家は、細切れの情報をジグソーパズルのようにつなぎ合わせるのに慣れてしまっていますが、そのパズルはこれまで以上に複雑なものになろうとしています。

 

 今週は人民元安の加速が世界の市場に飛び火し、世界の経済成長をめぐり懸念が高まっています。これは、世界第2の規模を誇る中国経済をしっかり読み取ることがますます難しくなっていることを浮き彫りにしているのです。

 

 ルーミス・セイレスの新興国投資責任者、ピーター・マーバー氏は電子メールで「経済と金融市場の純然たる大きさから、中国は注目すべき重要な国の一つになっている」と指摘しました。「だが、経済が不透明で金融システムはゆがんでいるため、投資家にとって何を注視すべきか正確に把握するのは非常に難しい」とも述べています。

 

 今週は製造業およびサービス業の景況調査、国内投資家が牛耳る中国株式市場、そしてオンショアとオフショアの為替市場の動きというレンズを通して中国経済の実態が垣間見えたことを受け、市場は激しく反応しました。

 

 中国の公式国内総生産(GDP)成長率にはかねて疑いの目が向けられているため、投資家は実際の成長率に近いとされる代替指標に注目しています。外交公電の漏えいで明らかとなった李克強首相の発言に基づく「李克強指数」がその一つです。李首相は遼寧省党書記時代、公式のGDP統計は人為的だとした上で、鉄道貨物量、電力消費量、銀行の新規融資額の3つの方が経済成長の実態をより正確に表していると述べていました。

 

 マーバー氏によれば、これらを指数化すると、上記3指標の年間成長率は昨年11月末時点で2.38%となります。一方、7-9月期の公式GDP成長率は6.9%です。ただ、この3指標は主に製造業の要素を反映するもので、重要性を増しつつあるサービス部門は李克強指数に表れていないと同氏は指摘しました。

 

 Tロウ・プライスのチーフ国際エコノミスト、ニコライ・シュミット氏によると、サービス部門は運輸業、国際商品(コモディティー)価格や輸入などの「代替」指標に影響しない傾向があるため、これらから同部門の規模を測るのは一層難しく、その上、サービス業の公式指標はそもそも製造業より少ないのです。

 

 シュミット氏は「中国のサービス業について実際に知りたいなら、現地に行ってよりしっかりと感触をつかむ必要がある」と述べました。

 

 このデータ不足のため、投資家はある重要な疑問に回答する必要に迫られるでしょう。それは、コモディティーブームに寄与し、世界成長を後押ししてきた中国の製造業が減速する中、中国のサービス部門は他国の経済見通しにどの程度まで重要なのか、という疑問です。中国のサービス業が成長しても、コモディティー価格や関連する金融資産の大きな支えにはならないかもしれません。

 

 中国人民銀行(中央銀行)は景気減速を背景に、本土市場で元安を誘導しています。6日に5年ぶり安値を更新した元の下落があらゆる種類の投資家の不安をあおっています。

 

 ブラックロックの運用担当者、アマー・ビサット氏は「ここ数日の元安には驚いており、これこそ市場がここまで不確かになっている理由の中心だ」と述べています。(ソースWSJ

2016年1月 8日 (金)

北朝鮮の水爆実験、危険な新段階に-威力に疑問も!

北朝鮮の水素爆弾(水爆)実験は、もし確認されればですが、同国の核開発プログラムにとって画期的な出来事になり、過去に実験してきた原爆以上に強力な兵器を生み出す可能性があります。

 

 しかし疑問は残ります。北朝鮮が6日に正確には何を実験したのか、その重要性はどの程度かという疑問です。北朝鮮北東部にある既知の実験場に近い地下で行われた今回の爆発実験の威力は、2013年に実験した爆発装置の威力とほぼ同じだったもようで、水爆よりも弱かったと考えられています。

 

 水爆(専門的には「熱核兵器」として知られる)は通常、小さな一次的原子爆発を利用し、はるかに大規模な二次的爆発を引き起こします。第1段階、つまり一時的原子爆発は、核分裂(原子を分裂させる)に基づいており、第2段階は核融合(原子を結合する)に基づいています。後者では原子が融合する際により大きなエネルギーを放出するのです。破壊力を増すために追加的な段階を加えることも可能です。

 

 その結果、水爆は、核分裂だけを基にした単一段階の爆発を使った初期の核兵器よりもはるかに強力になります。初期核兵器は「純粋分裂」装置として知られ、北朝鮮による過去3回の核実験で使われたと考えられています。北朝鮮はこの過去3回の実験は原子爆弾だったと述べています。

 

 米国の手で初めて製造され、戦争で唯一使用された原爆(1945年に日本を標的に投下された)はすべて「純粋分裂」型でした。冷戦時代に、この種の核兵器の威力は急速に増したのです。

 

米国は1952年、太平洋上のエネウェタク環礁で最初の水爆実験(アイビー・マイクと呼ばれた)を行いました。ソ連は翌53年、シベリアで試験的な爆発実験を行って米国の後を追いました。英国は1957年に太平洋中部のマルデン島に水爆を投下し、「水爆クラブ」に加わりました。中国は1967年にロプノール実験場で最初の水爆を破裂させました。フランスはその1年後、南太平洋で同じく水爆実験を行ったのです。

 

 核専門家によれば、国連安保理常任理事国5カ国(米国、英国、フランス、ロシア、中国)によって今日配備されている核兵器は、大半が熱核兵器と考えられています。

 

 1998年、インドは一連の核実験を実施しましたが、そのうちの一つは水爆だった可能性があります。しかし専門家の中には、それは水爆とみなせるほど威力が十分ではなかったとの見方もあります。

 

 北朝鮮の今回の実験でも同じような疑問が取りざたされています。今回の実験では地震の揺れが観測されており、米地質調査所(USGS)はマグニチュード5.1と推定しています。

 

 中国外務省とつながりを持つシンクタンクである中国国際問題研究院(CIIS)の北朝鮮専門家、楊季雨氏は「相反するシグナルが存在している」と述べ、「北朝鮮は水爆だと言ったが、そうだとすれば爆発ははるかに大きくなっていたはずで、理論的には爆発はもっと大きく、地震の震動ももっと大きくなるべきだった。本当にミステリーだ」と語っています。それでも同氏は、北朝鮮はしばらく水爆を開発していたとの見方を示し、「それが誇張であったにしてもそうでなかったにしても、北朝鮮の声明は水爆開発の方向に進んでいることを示唆している」と語っています。

 

 外国の多くの専門家は、昨年12月に北朝鮮の最高指導者・金正恩氏が水爆を開発したと発言したことに懐疑的でした。一部の専門家は、北朝鮮は「ブースト型核分裂爆弾(これまで実験してきた核分裂爆弾の強力バージョン)」を準備しているのではないかと指摘していました。

 

 北朝鮮は、6日の実験の威力がどれほどだったかをまだ発表していません。核爆発の「威力」は、爆発性のトリニトロトルエン(TNT)のトン数で表現するのが通常です。北朝鮮の2006年の最初の核実験は、推定1キロトン未満で、マグニチュード4.1の揺れを観測しました。09年の第2回実験は推定2-6キロトンで、マグニチュードは4.7でした。13年の第3回実験は、約7キロトンで、マグニチュード5.1だったといいます。

 

 ちなみに、米国が19458月に広島に投下した原爆の爆発力は約15キロトン。同じく米国の第1回水爆実験は10400キロトン(10.4メガトン)でした。これまでで最大の水爆実験は、ソ連が1961年に実施した「ツァーリ・ボンバ(爆弾の皇帝)」でした。威力は50メガトンだったと推定されています。(ソースWSJ

2016年1月 7日 (木)

2016年のテクノロジー業界、5つの予測!

「テクノロジーのことになると、筆者は年がら年中、批判していることで知られている。だが2016年は今までとは違うものになると確信している。厳しいながらも、波乱に富んだ面白い1年になるだろう。」と言っています。以下5つの予測を述べています。

 

予測1:流血は避けられない

 

 非上場IT(情報技術)企業の評価額が微調整されているが、これで実態に見合った水準になったと考える人には、電子商取引の新興企業ジェット・ドット・コム(Jet.com)の未公開株をお薦めする。来年は、新興企業の勝ち組と負け組が相応の場所に選別されるだろう。真のユニコーンとデカコーン(評価額がそれぞれ10億ドル、100億ドルを超える新興企業)はさらに資金を集め、その他の多くの企業は評価額が下がるだろう。

 

 これは悪いことではない。それどころか素晴らしいことだ。市場原理が働いているからだ。このシステムに欠陥があると、新興企業の未公開株市場は比較的流動性が低くなり、こうした企業の真の能力や可能性について入手できる情報が限られてしまう。 

 

 パワーポイントのスライドと、従来とは異なる投資家の新規資金による巧妙なトリックを見破るという嫌な役目を担うアナリストがその役目を果たせば、膨大な数の有名新興企業の評価額が引き下げられるだろう。

 

 しかしそれはまだ序の口だ。一部の新興企業は来年、現在の地位を失う可能性がある。食品デリバリーや広告技術、フィンテックなどあらゆるセクターが破壊と統合の時期を迎えている。前回のハイテクバブルの教訓は、創造的破壊は既存企業だけの話ではないということだ。「ニュー」ニューエコノミーの浸透過程では同士討ちが相次いで起きる。そうした中から次のIT大手が誕生するだろう。

 

予測2IT大手がメディア資産を取得

 

 ITで財を成した人が従来型メディアに取って代わりたいと思うのはよくある話だ。フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)はかつて、自身の目標の1つは世界で最も素晴らしい新聞をつくることだと語った。そのコンテンツを提供するのは誰になるだろうか。ジェフ・ベゾス氏の米紙ワシントン・ポストや、阿里巴巴集団(アリババグループ)の馬雲(ジャック・マー)会長の香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)はどうか。

 

 メディア業界では今年、非常に多くの買収が行われたため、残り物は少なくなっている。だが、CEOたちをあらゆる業界の征服に駆り立てるようなエゴは、インクをたるで買って初めて獲得できる支配力を求めている。

 

予測3:将来の予測があきれるほど容易に

 

 ビッグデータの成果である予測アルゴリズムは至る所に存在するため、われわれはそれが当たり前だと思っている。最も先進的な金融機関が顧客の信用リスクが低いことを知っているのは予測アルゴリズムを利用しているからで、天気予報の精度が上がったのも予測アルゴリズムのおかげだ。これらのアルゴリズムの背後にあるコードと、アルゴリズムの利用に必要な知識が広がるにつれて、われわれは正しいデータを集めれば、ビジネスの多くの部分の動き(内部構造から顧客の行動に至るまで)について有効な予測を探り当てることができる世界にどんどん入り込んでいる。 

 

 だからといって、CEOたちは水晶玉に何でも予測してもらえるというわけではない。ビッグデータで気を付けなければならないのは、どのような要因によって望ましい結果が予測されるかが分からないことだ。しかし、あなたの会社がデータサイエンティストを雇っていないのなら、雇っている競合他社に食われてもいいのか自問自答した方がいい。

 

予測4:仮想現実(VR)との愛憎入り交じった関係 

 

 韓国のサムスン電子はホリデーシーズンに間に合うように、かなり上質で価格も比較的手頃な初の消費者向けVRヘッドセット「ギアVR」を発売した。残念ながら、サムスン製スマートフォンにしか対応していないが、フェイスブック傘下のオキュラスや台湾の宏達国際電子(HTC)などの多数の製品が16年初めに発売される予定だ。つまり来年はわれわれの多くがVRを初めて体験する年になるということだ。

 

 はっきり言おう。VRはすごい。一方で、使用すると吐き気を催したり、少なくとも方向感覚を失ったりすることも多い。これは、ヘッドセットを装着すると大半の人がいつか経験することだ。VRで何時間もゲームをしようとしても、あなたの体質にもよるが、それは不可能かもしれない。残念ながら、こうした状況が変わることは当面なさそうだ。

 

予測5:テクノロジー予測には代金を支払う価値

 

 私は今年、ほぼ年間を通じてコラムを書き、アナリストたちの発表する「Xの将来市場」などに関するグラフが後から考えればいかに間違っているかを論じた。 

 

 テクノロジーは直線的に成長したり減速したりするものではなく、予測不可能な選言のゲームだ。次に自信に満ちた数値予測を見かけたら、そのことを覚えておくといい。なぜなら、それに添付されているグラフはその他の一連の前提よりも当該予測の方が妥当性が高いことを示すものではないからだ。 

 

 とはいえ、競争上の優位性としてのデータ分析を筆者が高く評価していることを考えれば、マイケル・デル氏がビッグデータは次の「1兆ドル」産業になると言うのに異論を挟む資格が私にあるだろうか。デル氏はスケジュールを提示していないため、同氏の予測が当然の帰結となるまで、そのグラフのX軸を解読する必要はない。と述べています。(ソースWSJ

2016年1月 6日 (水)

ドローンが変える米空軍の文化、下士官も操縦士に!

ここ数年、米空軍ではドローン(無人機)需要の高まりを受け、「パイロット文化」が変化を余儀なくされています。航空機のコックピットではなく、砂漠に配備されたハイテクトレーラーの中から遠隔操作でドローンを操縦するパイロットが増えているのです。彼らの白いスカーフは家に置かれたままだ。

 

 中東の過激派組織「イスラム国」(IS)の台頭をはじめとする様々な脅威を背景に、ドローンとそのISR(情報、監視、偵察)活動への必要性が一貫して増すなかで、米空軍はさらなる文化的変革に乗り出しました。一部のドローンを対象に、将校(士官)だけでなく、下士官にも操縦を初めて認めることにしたのです。

 

 米空軍はこれまで、ドローンのパイロットにも将校の階級を義務づけてきました。しかし、今月、米空軍のデボラ・リー・ジェームズ長官は 攻撃能力を持つ主力の「MQ-1プレデター」と、その性能を向上させた改良機「MQ-9リーパー」などのドローン操縦員を対象に、規定の一部を緩和する方針を明らかにしました。

 

 下士官にもドローンの操縦を認めることになるこの動きは、以前から予想されていたものでした。ジェームズ長官はほんの小さな第1歩を踏みだし、来年までに下士官による偵察機「RQ-4グローバルホーク」の操縦が可能になると発表しました。全長50フィート(約15メートル)の同偵察機は1機が13000万ドル(約1565000万円)です。

 

 これはドローン操縦で下士官がこれまでより大きな役割を担う道を開く動きだと政府関係者は言います。

 

 ジェームズ長官は最近のインタビューで「私が知る限り、下士官は適切な訓練を受けさえすれば、あらゆることができる」と述べました。

 

 限られた数のドローンパイロット(全員が士官)がより多くの作戦に駆り出されるようになり、米空軍は能力の保持やモラル面、訓練面での課題に直面することになったのです。また、今回の動きは防衛費の削減と人員カットに米軍が取り組む中で発表されました。 

 

 一方で、下士官へのパイロット職開放の動きには抵抗もあるようです。志願者を引きつけることにすでに苦労している空軍で、下士官がドローンを操縦するようなことになれば、職務に対する人々の敬意がさらに薄れかねないと指摘する声が関係者の中から出ています。

 

 士官たちの多くはF-15 F-16、もしくはより新しい戦闘機の操縦を夢に描いて空軍に入隊します。しかし、イラクやアフガニスタンの戦争に加え、北アフリカやさらに遠くの東南アジアでの作戦により、ドローン操縦員の需要が大幅に高まりました。こうした土地への地上部隊の派遣があったとしても非常に少なくなるなか、ドローンの必要性は高まるばかりだったのです。今や軍の司令官のほぼ全員が、ドローンの能力向上が不可欠だと口をそろえています。

 

 米空軍は近年、F-16戦闘機など従来機の操縦資格を持っているパイロットたちをラスベガスから約80キロ離れたクリーチ空軍基地などにある暗い建物に押し込め、イラクやアフガンの上空に遠隔操作でドローンを飛行させてきました。

 

 米空軍の航空戦闘司令部(ACC)で報道官を務めるショルティス大佐は「需要が減退せず、一方で軍の規模を抑える圧力を受け続けるのであれば、別の方法を検討しなければならない」と話します。「(偵察機の)グローバルホークの操縦を下士官のパイロットに認めるというこの一歩がそれです」。

 

 現在、MQ-1MQ-9のドローンパイロットは約970人、RQ-4は約200人います。

 

 米空軍は向こう半年の間に給与体系などを整えていく見通しです。空軍の報道官は電子メールの中で、「持続可能な職務の領域を維持するため、適切な報酬について検討を続ける」方針を明らかにしました。

 

 デービッド・デプチュラ元空軍中将は適切な訓練を受ける限り、下士官にドローン操縦の職務を開放することに賛成だと話します。2010年に退任するまで、デプチュラ氏はISR(情報、監視、偵察)の活動本部を率いていました。在任中は高中高度ドローンの操縦員の需要が650%増えたと指摘しています。

 

 デプチュラ氏はまた、下士官に門戸を開くことは空軍将校が有人機の操縦に戻るひとつの方法であり、戦闘機パイロットのイメージとそれに伴う全ての魅力を回復することだと言います。「自尊心のあるパイロットは誰も白い絹のスカーフを巻いたりしない」と冗談を飛ばしました。(ソースWSJ)

2016年1月 5日 (火)

maccun(マックン)のDTMによる自作曲。MySpace編

 久しぶりの自作曲です。今回はmyspaceでの公開ですが、一部youtubeでも公開しています。
ただ、youtubeは動画にしなければならないので、その分ハードルが高くなり、すべての曲を公開していません。その点、myspaceは動画にしなくてもいいこともあり、今までの曲をすべて公開しています。ということで、今回もmyspaceでの公開になています。
 これは秋に川縁の桜並木を散歩しながらいろいろ物思いにふけりながら散歩しているというイメージの曲です。どちらかというと曲は短調のものが多いため、この曲もやはり短調となっています。
 本当はいろいろな曲を作りたいと思っているのですが、頭に浮かんでくる曲が短調ばかりなので、なかなか思うように長調の曲ができないところが悩みの種です。
 よろしければ聴いてみてください。ついでに他の曲も聴いてみていただければ嬉しいです。
秋の散歩道

https://myspace.com/maccun/music/songs?sid=114085706

2016年1月 4日 (月)

腹筋運動は時代遅れ、米軍が体力測定から除外へ!

両手を頭の後ろで組み、肘が膝に当たるまで上体を起こす――このようにジムのマットの上でもがいたことのある全員にとって朗報がある。標準的な運動としての腹筋の支配が終わるかもしれないのです。

 

 著名なインストラクターや軍の専門家らは、体力テストの基本要素である腹筋が背中を痛める非常に大きなリスクを抱えていると論じています。

 

 米海軍専門誌「ネイビー・タイムズ」は最近掲載した論説で、海軍兵士が毎年2回パスしなければならない体力測定から腹筋運動を除外するよう要求しました。論説には「時代遅れの運動は現在、腰回りを痛める主要な原因だと見なされている」と記されていました。また、カナダ軍は最近、けがにつながる可能性と実際の軍の仕事との関連性が低いことを理由に、体力テストから腹筋を除外しました。

 

 米国で人気の高いエクササイズビデオ「P90X」シリーズを制作したトニー・ホートン氏は、もう腹筋やクランチ(腹筋運動の一種)はしていないと話します。同氏は「伝統的で古風となったクランチの時代は去り、今は変化の時だと本当に信じている」と述べました。

 

 カナダのウォータールー大学で脊柱バイオメカニクスを専門とするスチュアート・マッギール教授は、腹筋運動をすれば脊柱に過重な圧力が加わる可能性があると指摘する。同氏は腹筋で加わる力が、屈曲運動の繰り返しと相まって椎間円板(椎間板)を狭める可能性があることを発見しました。この組み合わせが最終的には椎間板の突出を引き起こす原因となり、神経を圧迫して背中の痛みにつながり、潜在的に椎間板ヘルニアを発症させる恐れがあるといいます。

 

 伝統的な腹筋運動の態勢から腹部を鍛えたいという人のために、マッギール氏は自身が開発した「修正カールアップ運動」を提唱しています。これは両手を腰の部分に敷き、両肩を床からわずかに離すというやり方だ。

 

 クランチやバランスボールを使った運動など、腹筋はさまざまな方法で鍛えることができます。こうした腹筋運動でけがをするリスクは正しい動作をしているか、または個人の肉体的制限に依存しています。しかし、インストラクターの中には修正された腹筋運動でさえ捨て去る人もいます。

 

 「プランクポーズ」と呼ばれる動きはヨガ教室から派生したもので、腹筋に代わる運動として広く活用されています。プランクポーズは腕立て伏せの上がった状態に似ており、かかとから肩までの部分を水平に保つ。また、肘を床につけた格好で行われることも多いそうです。専門家によると、プランクポーズは胴体あるいは体幹の前部と側部、背部の筋肉を使うが、腹筋運動は筋肉のほんの一部しか必要としないといいます。

 

 米海軍兵学校の体育学部でエグゼクティブオフィサーを務めるデービッド・ピーターソン中佐は、海軍が体幹を鍛える運動を体力測定に残す場合、カールアップの代わりにプランクポーズを取り入れることを提唱しています。2013年に雑誌「ストレングス・アンド・コンディショニング・ジャーナル」に掲載された記事で、同氏はプランクポーズの方がけがにつながる可能性が低く、海軍の実務により関連すると主張しました。

 

米海軍が20歳から24歳までの男女に課している体力測定の科目とその最低ラインは、最長2分間でのカールアップと腕立て伏せの回数、約2.4キロのミニマラソンの完走時間だそうです カナダ軍は昨年から段階的に体力測定の全面改定を行っており、約20キログラムのサンドバッグを3分半の間に30回持ち上げるという実用的な動作に力点を移しています。

 

 米軍兵士1500人を対象に実施したある調査によると、3部門に分かれた軍の体力測定から発生したけがの56%が腹筋運動に関連していたそうで、3.2キロのミニマラソンに絡むけがは全体の32%、腕立て伏せが11%だったそうです。(ソースWSJ

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