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2015年9月12日 (土)

最新研究で見えてきた「生命の星」地球のレシピ!

太陽系をつくる実験をしたとしましょう。生まれて間もない太陽系の内部の熱や気候、水などの成分をほんの少し変えてみるだけで、地球をはじめとする惑星は、現在とはまったく違った歴史をたどる可能性があります。
 たとえば、生命は地球ではなく、金星で誕生していたかもしれないし、どちらの惑星にも存在しなかった可能性があります。これまで一般的に、地球に生命が誕生したのは、太陽からの距離と地球の質量が“ちょうど良かった”ために、生命にとって快適な気候がもたらされたのが原因だと考えられてきました。
 しかし、最近の研究で、快適な気候を作り出すのに別の要因が関わっていたらしいことが分かってきました。鍵を握るのは、惑星がたどってきた歴史です。「どうやって現在の位置にとどまることになったのか? どのようにして誕生したのか? どのように発達してきたのか? それらを知ることが大切です」と、米ライス大学の惑星科学者エイドリアン・レナーディック氏は説明しています。
 カナダ、ブリティッシュ・コロンビア大学のマーク・ジェリネック氏は、「ネイチャー・ジオサイエンス」誌に論文を発表し、地球にとって大きな転機となったのは、隕石が激しく降り注いだ初期の頃であるとの見解を示しました。隕石の衝突によって、熱を発生させる放射性元素が地表から剥がされたことで地球の温度が下がり、それと同時に、地球内部にあって、温度調節をしてくれるプレートテクトニクスの働きが活性化したのではないかというものです。これらにより、地球に快適な気候がもたらされたのかもしれないといいます。
 しかし、生命の生存を支える環境が永遠に続くとは限らない。
 火星で発見された河川の跡や干上がった湖床は、この乾ききった惑星にかつて水が存在していたことを示唆しています。ひょっとすると、その水の中に生物が生息していたとも考えられます。さらにレナーディック氏は、「金星にも、かなり長い期間にわたって生命が存在することのできる環境があった可能性があります」と話しています。
 では、どうすれば生命を育む惑星はできるのか。最新の研究に基づいたレシピを紹介しましょう。
金星は、地球とほぼ同じ大きさで、太陽からの距離もさほど変わらず、地球とよく比較される惑星です。しかし、穏やかな地球と違って、その表面温度は470℃という高温で煮えたぎっています。地球のように多様な生物が誕生するには、その惑星が「ハビタブルゾーン(生命居住可能領域)」と呼ばれる領域の中に存在している必要があると、科学者たちは長いこと考えてきました。このゾーンは恒星から遠すぎも近すぎもせず、液体の水が地表を流れるのにちょうど良い温度が保たれることです。
「ある程度までは、そのことに異論を唱える専門家はいません」と、レナーディック氏。考えてみれば当然のことです。高温の恒星に近すぎれば惑星は燃え尽きてしまうし、遠すぎれば凍りついてしまいます。しかし、実際はもっと複雑です。例えば、恒星からどれだけ離れていればハビタブルゾーンなのかは、その恒星がどれほど熱いかによって変わってくるからです。
 惑星の大きさも関係します。小さすぎれば、重力も小さくなるため惑星の大気が宇宙空間へ飛び散ってしまいます。逆に大きすぎれば、大気が濃くなりすぎて、海王星や天王星のような氷の巨星になる可能性があります。生命が存在可能な惑星を探そうと、NASAは2009年にケプラー宇宙望遠鏡を打ち上げました。この望遠鏡の成果を基に、惑星の半径が地球の1.5倍までなら生命は存在できるだろうと、カナダ、マギル大学の惑星科学者ニック・コーワン氏は言います。
 ケプラー望遠鏡はこれまでに1030個の太陽系外惑星を発見しました。そのうち、大きさも恒星からの距離も生命誕生にちょうど良い条件のものは一握りですが、「ケプラー452b」と名づけられた惑星が地球に最も似ていると考えられています。しかし、大きさや恒星からの距離がちょうど良いだけでは、生命が存在するとは限らないのです。レシピはもっと複雑なはずだと、多くの研究者が考えています。(ソースナショナルジオグラフィック)

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