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2015年3月 4日 (水)

愛が育てる赤ちゃんの脳!

20年ほど前、米国カンザス大学の児童心理学者たちがある研究を行った。低所得層から高所得層までを含む42の家庭を対象に、親子の会話のやりとりを録音し、子どもが生後9カ月から3歳に成長するまで追跡調査したのです。

 

その結果、驚くべきことがわかりました。両親が大学教育を受け専門職に就いているような裕福な家庭では、子どもは1時間当たり平均2153語の語りかけを耳にしていたのに対し、生活保護を受けている家庭では平均616語と大差があったのです。低所得家庭の親は、子どもにかける言葉も「だめ」「下りなさい」など短い命令調のものが多く、生活に余裕のある家庭では、ある程度長い会話が交わされることが多かったそうで、低所得家庭の子どもは、いわば言語発達のための“栄養”が不十分だということだそうです。

 

さらに、親の語りかけの量が大きな違いを生むこともわかってきました。親との対話が多かった子どもは、3歳の時点でIQがより高く、9歳と10歳のときにも学校の成績が比較的良かったと言います。

 

子どもに多くの言葉を聞かせるだけで済むなら、話は簡単だと思うかもしれません。しかしテレビやCD、インターネットやスマートフォンでいくら言葉を聞かせても、あまり効果は期待できないようです。ワシントン大学の神経科学者パトリシア・クールらは、生後9カ月の赤ちゃんを対象とした調査で、このことを実証したのです。

 

クールたちは、英語を話す家庭の生後9カ月の赤ちゃんに中国語を聞かせる実験を行ないました。中国語を母語とする保育士たちが遊び相手をし、本を読み聞かせたグループの赤ちゃんは、「保育士によく懐きました」とクールは話す。別のグループには、同じ保育士たちが中国語を話す映像をビデオで見せました。第3のグループには映像は見せず、録音した音声だけを聞かせました。すべてのグループに12回のセッションを受けさせた後、中国語の似通った音声を聞き分けられるか、脳磁計を使ってテストしました。

 

事前の予想では、ビデオを見たグループも、保育士と顔を合わせたグループと同程度の成績になるだろうと考えられていましたが、実際には両者の成績には大きな差があったのです。生身の触れ合いがあったグループは、中国語を母語とする人たちと同様に音声を聞き分けられました。ところが映像や音声だけで見聞きし、実際の触れ合いがなかった二つのグループは、中国語の音声をまったく判別できなかったのです。

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