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2014年1月 4日 (土)

ロケットに車の技を取り入れ、コストを減らし競争力アップを図る日本のロケット!

三菱重工業は大型ロケットに搭載するセンサー類などの電気系部品に自動車部品を使う検討に入りました。すでにトヨタグル-プで車部品メーカー国内最大手のデンソーと技術交流を始めています。三菱重工は国産の主力ロケットH2Aを生産していますが、海外との商業衛星打ち上げ受注競争が激化しているため、トヨタグループが量産する部品を採用できればロケット製造コストが下がり、打ち上げ価格の大幅な削減が望めると考えているからです。

 

デンソーも航空宇宙分野参入への足掛かりにしたい考えで、厳しい宇宙環境で使われる部品の研究を通じ、技術の蓄積を図れる利点もあります。また三菱重工はデンソー以外にも、民生部品の技術者と意見交換を始めています。三菱重工とデンソーは1年ほど前から会合を持ち、宇宙機器の物作りや量産部品でも信頼性を確保する方法で、お互いの知見を寄せ合っています。ロケットに搭載可能な自動車部品として、トヨタ車でも使われているエンジンの温度や圧力を計測するセンサーやスイッチ類のほか、横滑り防止装置などに使われる加速度センサーの使用が考えられています。

 

三菱重工はH2Aを飛島工場で生産し、打ち上げ業務も国から移行され海外からの商業衛星打ち上げ受注に力を入れています。しかし、1回約100億円とされる打ち上げ価格はロシアなどに比べて高く、政府はH2A後継機となるH3(仮称)の開発費70億円を2014年度予算案に計上し、20年度の打ち上げを目指しており、三菱重工は引き続きH3開発を担いたい考えです。三菱重工は開発事業者に選ばれれば、宇宙向けに転用可能な民生部品の洗い出しを本格化させ、打ち上げ受注増のため、1回の打ち上げ価格を50~60億円と、H2Aからほぼ半減を目指しています。

 

三菱重工がトヨタグループのデンソーと技術交流を始めたのは、ロケット開発で民生部品の活用がコスト削減に有効と判断したからです。ロケットにも自動車生産のノウハウが生かせれば厳しさを増す商業衛星打ち上げの国際受注競争で優位に立てる可能性があるからです。ロケットは積み込まれたコンピューターが自分で考えながら飛行します。エンジンなどの温度や圧力を監視する各種センサーを始め、飛行制御装置や通信機器など膨大な電子機器が組み込まれています。

 

こうした部品は宇宙空間で機能するよう厳しい基準で作られるうえ、生産量が少ないため高価となっています。宇宙用で数万円するセンサーが、同等の機能の民生部品なら数百円で買えることもあります。電気系部品は、製造コストのうちエンジンに次ぐ比重を占め、低コスト化を狙う次期主力ロケットH3の開発では民生部品の活用がカギとなるのです。日本のロケット開発はこれまで、国家プロジェクトとして自前のロケットで自国の衛星を打ち上げるのが目標だったのですが、年間2,3回の政府需要ではロケット技術の維持は難しく、商業衛星の打ち上げに参入する必要があったのです。

 

ただ、課題は打ち上げ価格であり、受注トップのロシア・プロトンMは85億円ですが、日本のH2Aは100億円程度。JAXAから民間に移管されたのを機会に、点検整備の見直しなどで打ち上げ価格削減に取り組んでいますが、これ以上のコスト削減にはロケット自体の設計見直しが必要になってきたのです。H2Aは製造コストで前身のH2ロケットより半減したものの、ロシアのプロトンよりもまだ高いのです。それと製造コストは高いが実績と政府支援がある欧州のアリアン5にも受注で後れを取っているのが現状です。

 

というわけで、三菱重工は世界的な自動車産業の集積地である中部地方にロケット製造拠点を置き、この強みを生かして製造コストを下げ、国際競争に勝てる打ち上げ価格の実現につなげていきたいと言うのが考えです。日本の自動車産業と日本製ロケット産業が力を合わせて、ロケットの製造コストは下げることに成功するのでしょうか。

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