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2014年1月15日 (水)

倫理と救命のはざまで悩む間にもゲノム解読の技術はどんどん進んでいる!

青いプラスチックの桶に張られたせ氏39℃の温かい「羊水」。その中には羊の胎児が漂う。へその緒の代わりに管を繋ぎ流れる血液に酸素を送り込んでいる。母体に代わって胎児を育てるのは人口の胎盤と子宮。これは未来の話ではありません。何十年も失敗が続いたのですが、東北大の研究チームが血流量の調整などの難題を解決。羊の胎児を50時間以上育てることに成功したのです。つまり女性の体を全く介さずに人間の子どもが人口の容器から次から次に生まれていく、まるでSF映画のような世界なのです。そんな将来が視野に入ってきたのです。

 

生命の源となる受精卵も「皮膚の細胞から卵子や精子を試験管の中で作れるようになる」と斉藤京大教授は言います。すでにマウスの体細胞をさまざまな組織に変わる万能のiPS細胞にしたのち、卵子や精子のもととなる始原生殖細胞に変えることに成功し、ヒトの細胞で実験する準備も進んでいるのです。こうした研究はか弱い生命を救い、多くの人に恩恵をもたらすでしょう。「目標は500グラムの超低体重児も助けること」と言う。小児科医で東北大准教授の松田淳教授は語ります。妊娠や出産に伴う様々な不利益や生命にかかわるリスクから女性を解放するかもしれません。しかしそれは同時に倫理問題も絡むのです。

 

しかし「新生児医療はいつもグレーゾーン」。松田は社会の受け止めに気をもむ。人口胎盤が育む羊の写真も、その印象によっては冷静な議論を妨げていけないと考え、撮影を許可していないそうです。人工的に卵子や精子を作っても受精、誕生と突き進んでいいのか。ルールの整備はこれからだと言うのに研究だけが先行していく現実。はたして、これでいいのかと問いかけている。米国で進化論を信じる人は4割に過ぎないそうだ。生命工学の人間への応用を「神の摂理への挑戦」と見なす拒否反応も根強い。

 

心配されることは悪意のある権力者がこれらの新技術を用いれば、とんでもない災厄を人類にもたらしかねないという事です。自らのクローンや「人間工場」で兵士の量産をするという事すらできてしまうのです。技術を善用するための法整備や倫理的な検討などの英知が問われます。しかしいくら法整備が進もうが悪意の権力者にかかれば、それとて完全ではないし、倫理にだけに頼ることもできません。研究者の中にも自己の好奇心や名声のためにそれを無視して研究を進めるかもしれません。

 

米国などの研究によると、すべての人は平均150の遺伝子に異常があると言います。藤田保健衛生大の宮川教授は「数年後にはゲノム(全遺伝子情報)を10万円程度で解析できるようになり、健康診断と同様にみんなが受けられる検査になる」と予測しています。唾液を送れば99ドル(約1万円)で病気のリスクなど約250項目がわかる遺伝子の簡易検査を申し込んだニューヨーク在住の日本人駐在員夫婦は、夫はアルツハイマー、妻はパーキンソン病のリスクが平均より高いことを知ったと言います。こうした情報は病気の予防につながる半面、第三者に知られれば不利益を被る可能性が高くなります。

 

米国は09年施行の遺伝子情報差別禁止法で雇用や医療保険に入る際の遺伝子情報による差別を禁じました。裏を返せば自分の遺伝子情報を知られれば、それを理由に保険に入るのを拒否されたり、雇用面での差別を生みかねないという事です。さらには結婚するときに遺伝子調査をするようになり、遺伝子情報に結婚生活にとって将来不利益な異常が見つかった場合には、結婚もできなくなる差別が生じるようになるかもしれません。

 

このようにゲノム解読技術は神の領域に踏み込みつつあり、その恩恵と悪夢をどう制御するのか、越えるべき課題は多くしかも重いのです。

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