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2012年8月30日 (木)

電力損失を50分の1以下に減らす半導体を開発!原子力発電所八基分の節電効果!

東京工業大学や産業技術総合研究所のチームは、変電所やエコカー、鉄道車両などの電力損失を50分の1以下に減らす新型の半導体素子を開発したと日経新聞に載っていました。それによれば、省エネルギー技術の中核を担う次世代パワー半導体の一つで、人口ダイヤモンドで作ったところに独自性が発揮されており、2020年の実用化を目指すそうです。

 

今、電力不足が叫ばれているし、エネルギーの争奪戦もますます激しくなって来て、今後も化石燃料はますます資源としての価値が上がってくる時代に入っています。そんなとき、作り出した電力の損失を極力減らし、効率を上げる技術がますます重要になってくることは必然であり、それが日本で、従来の電力損失を50分の1に減らすことができる半導体素子を開発したことは、資源の少ない日本にとっては大変画期的であり重要な技術だと思います。

 

パワー半導体は電気を交流と直流で変換したり、電圧や周波数を変えたりするのですが、次世代のパワー半導体は炭化ケイ素や窒化ガリウムといった最先端の材料に期待をかけてきました。しかし今回の開発ではそれとは違って、人工合成したダイヤを使うことで最先端の材料よりもさらに10倍以上の高電圧に耐え、動作時に熱で失う電力が大きく減ることを突き止めたのです。しかも、ダイヤは入手しやすいメタンで作ったそうで、将来は炭化ケイ素や窒化ガリウムより安価に作れるとみています。

 

現在、普及するシリコン製のパワー半導体をすべてダイヤ製に替えると、少なくとも100万キロワット規模の原子力発電所八基分の節電効果が見込めるとの試算もあるそうで、もし試算どおりに行けば、原子力発電所のような危険なものを作らなくても安価でしかも電力損失を防ぐだけでできるのです。反対に言えば、同じエネルギーを使っていてもそれまでの50倍もの利用価値が上がることと同じことになるわけで、そしてもっとクリーンなエネルギーに転換する絶好の機会を与えてくれることになるのです。とは言ってもまだ8年後の実用化を目指すという事ですので、すぐと言うわけにはいかないところが残念なところです。

 

この人工ダイヤは電気特性が違う二種類のダイヤを張り合わせ、パワー半導体としての動作を確かめたものだそうです。熱の伝わりやすさはシリコンの10倍以上もあり、しかも冷やすための装置がいらず、エコカーなどに組み込んでも場所を取らないといった利点がたくさんあるそうです。もしこれが全世界で使われるようになれば、それこそエネルギー革命がおこるのではないでしょうか?そうなれば「沈みゆく日本」などという事を言われなくなるかもしれません。パワー半導体の世界市場は20年時点で45千億円と、ここ10年で2倍以上に広がると予想されています。

 

しかし問題もあります。こうした研究成果をどうやって日本の利益に結び付けることができるかという事が問題です。今までも良い技術があってもガラパゴス携帯と言われるような状態になってしまっては、果実をよその国に取られてしまうかもしれません。スマホにしてもアップルの独創的な発想で作られていたと思っていたものが、実は今回のサムスンとの裁判で、何と日本の技術からヒントを得ているとサムスンは言っており、アップルの独自デザインではないと、その独自性に疑問符がついてしまったのです。結局、日本は技術や他にも良いものを持っているのですが、それを果実として取ることがうまくできませんでした。その果実はアップルが持って行ってしまっていたのです。

 

シャープの例を見ても、日本はオンリーワンではなく、新しい飯の種をどんどん作っていくことが大事であって、コモディティ化する前に次の商品を出さなければ、結局は、後ろからやってくる企業に負けてしまうという事が、今回の電機業界を見れば明らかです。今回の研究の成果は「もったいない」精神につながるような技術で、いかにも日本的な技術のような気さえします。頑張ってほしいですね。

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