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2012年7月10日 (火)

冷泉家の土蔵の調査で、先人の知恵の凄さを科学が裏付けました!

立命館大学が取り組む歴史都市を守る「文化遺産防災学」の調査の一環として、京都市内の土蔵2棟の内部温湿度を2010年から1年間計測したそうです。そのうちの1棟は800年の歴史のある冷泉家の土蔵です。

 

冷泉家には上冷泉家と下冷泉家があり、明治時代になると、ほとんどの旧公家は明治天皇に従って東京に移住したことで、京都御苑内にあったほとんどの公家住宅が空家となり、治安維持のため取り壊され公園になりました。しかし、上冷泉家は今出川以北の京都御苑外に立地していたため、取り壊しを免れたのです。そのため御文庫を擁する上冷泉家が京都に残ったことで、結果として膨大な至宝は関東大震災と東京大空襲による被害から免れたのです。しかし下冷泉家の住宅は、東京に移住したことで、貴重な資料の大半は空襲で焼けてしまったようです。

 

しかし京都にある800年の歴史を持っている冷泉家の1棟の土蔵は現存で、今回の調査対象として1年間調査されました。春雨亭文庫と呼ばれ、応仁の乱などの戦火や天命の大火をも免れ、現在、国宝5件、重要文化財47件をはじめとする1000点以上の文化財を収納しています。調査は、比較のため土蔵と同じ敷地内に立つ住居なども含めて、合計10か所に計測器を設置し15分間隔で365日間、湿度の変化の度合いを計測したものです。

 

この計測で分かったことは、土蔵の内部の温度、湿度は、年間を通じて外気とほぼ同じような傾向で変化していたにもかかわらず、1日の変化をみると、土蔵内は安定しているこ とが分かったのです。外気温は通常、朝方は低く日中に高くなり夕方以降に下がります。その変化の幅を年間を通して平均するとセ氏約9度だったそうです。これに対して住居内は同5度、土蔵内は同1度とほとんど変化がないことが分かったのです。

 

また外気の湿度は1日のうち3050%も変化したのです。これに対して住居(土間)は20%床の間は10%でした。しかし土蔵内はさらに少ない約5%だったそうです。特に1日に20度近くも外気温が変化した日でも土蔵内部の温度変化は5度以下にとどまったのです。湿度の場合は、70%も変化しても土蔵内部の湿度はほとんど変化がなかったのです。ただ土蔵内の湿度は年平均約70%前後と高いのです。

 

なぜこんなに湿度が高くても冷泉家の貴重な資料は残っているのでしょう?博物館の収蔵庫は多くの場合、湿度は5560度に維持されていますが、それに比べると冷泉家の湿度は高過ぎます。それにもかかわらず重要文化財が長年にわたって維持されてきたことを踏まえると、湿度の高さだけで事の良しあしを論じられるのかと学芸部長は指摘しています。土蔵の利点はそれだけにとどまらず、扉を開けて内部の温度や湿度が変化しても、扉を閉めれば短時間で復旧したのです。また1時間にわたって扉を開けたところ、温度が2度、湿度が15%変化しましたが、扉を閉めると45分後には元に戻ったそうです。

 

東日本大震災では数多くの土蔵が被災し、取り壊されました。このように土蔵は日本の風土、環境、そして文化が生み出した独特の文化保存施設です。虫干し、風通し、そして修復など人手をかけ何代、何十代にもわたって保存、継承されてきました。高温多湿な日本列島に住む先人が作りあげた究極の省エネ型施設として再考する必要があると調査をしたチームは述べています。

 

しかしそれには虫干し、風通し、修復などの手間は欠かせません。そうしたことがなければいくら土蔵に品物を収納したとしても、無傷でいつまでも残っているとは限らないと思います。現代の博物館などでもそうしたことはされていると思います。それにしても先人の知恵はすごいですね。まさに温故知新ですね。

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