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2011年1月24日 (月)

驚異の吸収力「水前寺海苔」がレアメタルを!

北陸先端科学技術大学院大学の岡島麻衣子博士の研究チームは、日本固有の生物「水前寺海苔」から抽出した全く新しい多糖類を2006年に発見、これを「サクラン」と命名。名前の由来は、学名の一部、サクルム(神聖な)にちなんでいるそうです。岡島さんは7年前までは日本女子大学卒業の普通の専業主婦だったそうですが、研究者となった今でも、昼休みは研究室を抜け自宅に帰って旦那さんのためにお昼ご飯を作っているそうです。

しかし生物化学の研究者であるご主人の影響を受け、自分も何か人の役に立つ研究をしたいと、主婦業のかたわらバイオ資源について独学で研究し、7年目で論文を提出。東京工業大学大学院理工学研究科 有機・高分子物質専攻博士号を取得したのです。そして2006年にサクランを発見したのです。発見したきっかけは水前寺海苔を入れたビーカーを洗おうと思いしばらく置いてあったそうで、しばらくしてから見に行くとそこにドロドロになった水前寺海苔があったのです。これは何かと調べたところサクランだったのです。

水前寺海苔は、九州の限られた湧水でのみ育ち、江戸時代から将軍家献上の高級食材として珍重されてきました。それが熊本県水前寺公園の池で発見され、現在は、福岡県の中南部の朝倉市甘木地区を流れる黄金川でのみ採取される希少種で、最近では環境省の絶滅危惧種レッドリストに掲載されています。尚、水前寺海苔は、食用に使われている。スイゼンジノリは日本固有の淡水性藍藻(らんそう)で、最近では、2010年サッカー・ワールドカップ日本代表チームが「高地では特に鉄分が必要」という理由で、スイゼンジノリとヒジキを南アフリカに持っていったことから、ミネラルの豊富な食品として話題になりました。

スイゼンジノリの学名は、アファノテーケ サクラムといい、明治時代にスイゼンジノリを世界に紹介したオランダの学者スリンガー氏が、スイゼンジノリの美しい生息環境(熊本市、水前寺・江津湖)に驚嘆し命名したものと言われています。しかし現在スイゼンジノリは、水質の悪化と水量の減少により、絶滅の危機に瀕していて、野生株はほぼ絶滅したとみられています。しかも養殖である福岡県黄金川のスイゼンジノリも、生産量が激減しています。熊本県嘉島では、地下水(湧水)を利用した養殖も行っています。

あらゆる物質は、目に見えないほど小さい原子という粒がいくつも結びついてできた分子というものでできています。サクランは、砂糖に似た物質ですが、サクランの1個の分子 は、砂糖の分子10万個が鎖のようにつながったくらい大きな分子 です。これは、今までに発見されているどんな物質の分子 よりも大きいものです。サクランは、鎖のようにつながった大きな分子で水をとりこんでいるため、たくさんの水を吸収できると考えられています。水前寺海苔というノリから取り出したサクランという物質は、自分自身の重さ の6000倍もの水を吸収することがわかりました。

しかしスポンジはよく水を吸収しますが、それでも、スポンジ自体の重さの10倍くらいまでの水しか吸収しません。というわけで「サクラン」の構造分子は世界最大の炭素や水素などの分子が大量に繋がった構造をもっているから、その分子の隙間に水を取り込むのです。自然界ではもっとも水の吸収力がある物質とされています。1gのサクランで6リットルの水が保持できるそうです。さらにもうひとつの特長があります。それはレアメタルの付着によりゲル化する性質があることも分かりました。

この2つの性質を利用することで、1つ目は保水力を利用した砂漠の緑化とか、化粧水の保湿剤などに利用したり、介護などのおむつなどに使うと言うことも考えられます。これに目を付けたのがポリマーのメーカーでポリマーの15倍の保水力があり、しかもポリマーは水を放すと言う欠点がありますが、サクランは押しても水がこぼれないのです。サクランは、人間が食べることができるスイゼンジノリから取り出した物質なので、安全性も保証されています。

2つ目がサクランには金属を吸着するという性質があって、世界的にも注目されています。そこでレアメタルの回収に使うというものです。例えば工場廃水などに投入し、レアメタルを回収するとか、携帯電話などの製品からレアメタルを回収するなどです。あるいは、液晶ディスプレイなどに、ごくわずか使われている貴重な金属を、リサイクルなどのために回収するときに役立つだろうと考えられています。サクランはマイナスイオンが3万個程度集まった巨大分子で、プラスイオンを持つ金属はサクランに強力に引き寄せられます。こうしてレアメタルとくっつくのです。これを利用して99,9%の濃度のインジウム回収に成功したのです。こうなると金属とくっついたサクランは水を吸わなくなるそうです。

サクランは、スイゼンジノリという藻の一種から取り出されます。しかもきれいな水でしか生きられないスイゼンジノリの環境は、どんどん減っています。サクランを発見した岡島先生は、「スイゼンジノリのような生き物がずっとわたしたちの周りに残ってくれるように自然環境を大切に守ることが、人間のためでもあるということを心にとめておいてください。わたしたちをふくめ、すべての生き物はつながっているのですから」と言います。

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