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2010年12月16日 (木)

生命の定義を覆す発見

この間、NASAなどの研究グループがヒ素を食べる細菌を発見したとして大きな話題になりました。なぜ大きな話題になったかと言えば、今までの常識を覆す発見だったからです。誰もヒ素と言う猛毒を食べる生き物がいるとは考えもしなかったからです。生物に必須の元素はリンと言われていたのでまさか猛毒を食べる生き物いるとは考えもしなかったのです。こう言うことはビジネスの上ではよくあることで、今まで他の人が考え付かなかったようなアイデアを思いつきそれが発明に繋がったり、商品になったりするようなことです。しかし今回のような大発見で最先端科学の常識を覆すと言うことはそうはないのです。

これで地球以外の環境の非常に厳しい惑星でも生物の存在する可能性が広がったことで、例えば土星の衛星タイタンにはメタンの海があると言われていますが、ひょっとしたらそのメタンを食べて生きている生物がいると言う可能性も否定しきれなくなったと言うわけです。それは土星に限らず他の惑星についても言えることです。ついこの間も地球に似た惑星を発見したと言うニュースがありました。それも約20光年と地球にかなり近いところにある惑星だったのです。この惑星には生物がいるのはほぼ確実と言われているのです。と言っても今の技術ではとても最も近いと言われても行って見て来るわけには行かないので、あくまで可能性での話になってしまうところが残念なところでもあります。

そんなわけで、これまで地球上で見られなかった新しい生命体を発見したのですが、ということはあらゆる生命体が持つ設計図のDNAを形作る物質が置き換わることもあるということです。つまり生命の定義を変えなければならなくなったと言う事です。今まではDNAは炭素、水素、窒素、とリンなどから出来ていると言うのが常識だったのです。そしてあらゆる生物にはDNAと言う生命の設計図があり、その形はらせん形状をした2本の鎖でできていることが分かったのですが、それが分かったのは1953年のことです。

DNAの骨格にはりん酸と糖が順に並んでいるのですが、糖から塩基が延びて2本の鎖を繋いでいて、塩基にはアデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)の4種類があるのです。遺伝情報と言うのはこの塩基の並び方を指すのですが、この並び方をもとに体を構成するたんぱく質が作られると言うわけです。ところが今回の発見でリンがヒ素に置き換わることも可能と言うことになったから大変、今までの常識が通用しない生物がいると言うことで大騒ぎになっているのです。生命の根幹を成す必須の元素と言うのは水素に、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄の6つなのです。これが今までの大原則だったのですが、それが今回の発見で覆されることになってしまったのです。

実はヒ素はリンと非常によく似た元素なのです。だから生物がリンとヒ素を間違えないようにわざわざ猛毒になっていると言うのです。だからまだ似た元素で置き換われる生物がいるかもしれないと言うことが言えるかもしれません。生命の起源は6億年前の1つの共通の祖先に行きつくそうです。だから同じ仕組みのDNAがあるのですが、今回の発見で生命の出現が1回とは限らない可能性が出てきたことになります。つまり別の仕組みの生物と言うのもあると言うわけです。例えば、今回の菌の遺伝子を他の生物に導入すれば、猛毒のヒ素で成長する新しい生物が出来る可能性があると言うことに繋がります。

しかしこうしたことが出来たとしても果たしてそれが人間にとって、地球にとって有益なことだという保障は何処にもありません。もし有害な生物だったらどうするのでしょう?科学も進歩すればするほど人間の手を離れ神の領域に手を入るような状況が、果たして人類にとって良いことなのかどうか誰にも分からないのです。人間が智を追及するのはすばらしいことですが、それをいかに利用するかと言うことのほうがはるかに難しいことなのです。映画のエイリアンのようなものが出てきたらどうします?誰が責任をとるのでしょう。

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