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2010年12月 9日 (木)

iPS細胞でサルの脊髄損傷治療に成功!

人間の皮膚細胞から作った新型万能細胞(iPS細胞)を利用した治療により、脊髄損傷で首から下が麻痺したサルが歩けるようになるなど運動機能を回復させることに成功したと慶応大教授が発表しました。岡野教授らの同様の方法では脊髄損傷のマウスの治療に成功していたのですが、人間に近い霊長類のサルでの成功でiPS細胞による治療の臨床応用に一歩近づいたとしています。そのときはマーモセットで実験をしているのですが、人間の皮膚細胞に4種類の遺伝子を導入してiPS細胞を作製し、これを神経前駆細胞に分化させ、遺伝子の運び屋にはウイルスを使ったそうです。

この実験では、マーモセットに人為的に脊髄損傷を起こして首から下を麻痺させ9日目にこの神経前駆細胞を移植し、6週間で歩き回れるようになったそうです。後ろ足で立ったり手の握力が回復したりするなど運動機能が著しく改善したそうです。さらに観察を続け約3ヶ月間、経過を観察したけれどがん化は見られなかったそうです。なおこのときに拒絶反応を抑えるために免疫抑制剤を使っているそうです。この実験の成功で交通事故やスポーツなどで脊髄を損傷して歩けなくなったりしたものが直る可能性がでてきたのです。ヒトiPS細胞で治療効果を確認したのは世界で初めてのことであり、脊髄損傷患者の治療につながる成果だと言います。しかしまだ根本的な治療法は開発されていないのが現状だそうです。

iPS細胞は、人工多能性幹細胞と訳され、2006年に京都大学の山中伸弥教授らのグループによって、世界で初めて作られた。ES細胞のように受精卵を使うのではなく、成体の体細胞に、数種類の遺伝子を導入することにより、ES細胞のように様々な細胞に分化できる分化万能性と自己複製能を持つ細胞になるのです。体細胞に遺伝子を導入してES細胞のような細胞を作るという、そのメカニズムは、いったいどのようになっているのでしょう。

「受精卵が細胞分裂を繰り返していく過程の中で、未分化性(どのような細胞に変化するのかまだ決まっていない性質)を維持するためのタンパク質は作られなくなっていき、その代わりに細胞に特定の性質を与えるタンパク質が作られるようになっていきます」。「ただ、遺伝子自体は、個体の出発点となる受精卵も、そのなれの果てである大人の細胞でも同じものが存在しています。こうした遺伝子を受精卵と同じように働かせる、つまり未分化性を維持するようにすれば、ES細胞の性質を取り戻せるのではないか、というのがiPS研究のスタート時点での考え方だと言っています。

「様々な研究を重ねた結果、未分化性を維持するための遺伝子情報をピックアップすることができました。それをウイルスを使って、成体の遺伝子の中に組み込むのです。そうすることによって、封印されていた未分化性を再び発揮することができるようになります」
材料となるのは、細胞分裂をしてタンパク質を作ることができる細胞であれば、何でも大丈夫だそうです。皮膚の細胞でも肝臓や胃の細胞からでも作れるし、自分の細胞から作れるので、拒絶反応も倫理上の問題もクリアできると言うわけです。

この研究の先には、自分の細胞を使って、心臓や肝臓などの臓器や神経や皮膚などを作る夢があります。がんに侵された臓器や、事故で損傷した神経や臓器を、取り替えることも理論上は可能です。将来的にはサイボーグの世界の話のようになることもありうるわけですが、まだ研究は始まったばかりです。現時点で最も実用化として近いのは、難病の研究や薬剤開発への貢献などだそうです。

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