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2010年10月10日 (日)

夢のエアロ・トレインで時速500km

今回の主人公は東北大学の応用流体力学の小濱教授です。流体力学とは連続体力学の一部であり、流体の変形や応力を扱う物理学だそうです。特に水を対象とする水力学(水理学)や空気を対象とする空気力学という専門分野に分けて扱われることがあるそうですが、今回でいくと空気力学が専門と言うことになるのでしょうか?流体力学といえば高校の物理の授業でベルヌイの定理を習いました?が,「流速の早いところは圧力が下がる」とか「風圧は風速の2乗に比例する」というものです。これなら聞いたことがあると思うのですがいかがでしょう。この方の研究で新幹線の形状を変えただけで速度が50キロメートルも速くなったと言います。

現在の新幹線では最高速度は350kmが限界と言われており、世界各国の新幹線も主力は最高速度が350kmで走っているところが多くなっています。そういう点では日本の新幹線は若干それより劣り、最近の高速列車の進歩には目を見張ると同時に、日本の新幹線技術に対して長らく対抗相手がいなかったこともあって、国鉄が民営化されてからと言うもの速度競争に遅れをとってしまった感じがあります。やはり長らく日本の新幹線は世界一だと言う慢心が気がつけば世界にいつの間にか追いつかれ追い越されてしまったと言うのも今の日本経済の姿と似ているところがあります。

ちょっと余談になりますが今回、日本人が2人ノーベル賞を受賞しましたが、このところの立て続けの日本人ノーベル賞受賞者が出ていることに日本中が興奮しています。しかし冷静に考えて見ればこれらの研究対象となった業績と言うのは今から20~30年前の業績に対しての受賞であり、最近における業績に対しての受賞ではありません。もちろんノール賞が短期的な業績に対して送られるわけではないのでそれはそれで意味が違うかもしれませんが、今後続けて日本人からノーベル受賞者が出るには、今の若い人にこれらに匹敵するような論文がたくさんでなければ、今後20~30年たったとき日本人からノーベル賞受賞者が出ることがなくなるかもしれません。現に、中国は10年以上、2日本の特許庁,世界知的所有権機関(WIPO)、2米国特許商標局(USPTO)に後れを取っていたが、2005年にUSPTOを、2006年にはWIPOを、そして2008年には初めて日本の特許庁を月間ベースで抜き、今年年間ベースで化学特許の発行件数が世界一になることがわかったそうで、CASでは、この傾向は今後も続くと予測しています。

だからこう言う研究をしているのを聞くと日本もまだ頑張っているのだと嬉しくなります。これは飛行機のような格好のもので短めの翼の浮力で10センチほど浮き上がり最高速度500キロメートルで走行すると言うのが最終目標です。速度は新幹線の2倍、リニア並みの500kmと言うのが目標です。しかもリニアは超伝導で浮かすため新幹線の3倍もの電力が要りますが、この「エアロトレイン」の消費電力は新幹線の3分の1以下という夢の乗り物です。しかも翼がある(と言っても浮き過ぎないように短くなっている)のでさらに減らせるとも言います。3両編成で350人を乗せる予定だそうです。今は実験中なので自動車で押していますがもっと実験が進めばボディにプロペラを付け加速し、飛行機のように超高速で走行するようになります。エアロ・トレインは、地上10cmほどを浮上し、翼を安定させる「ガイドウェー」建設だけで済むので建設費もリニアより格段に安く抑えられるというメリットもあります。

この計画は小渕内閣のときに近未来計画と言うことで1億円の予算がついて発足し人を乗せて実験に成功しています。しかし国の予算がなくなると壁に当たってしまったのです。この計画に対して資金援助してくれるところが現れなくなり行き詰ってしまったのです。そして2003年にリニアが581kmと言う記録を出し成功したことでエアロとレインは忘れ去られようとしていたのですが、4年後一人の救世主が現れたのです。それは同じ研究者で分野の違う先生からの話でした。エアロのために難燃性マグネシウム合金ができたのでこれを使ってくれと言う話が来たのです。この特徴は軽いのだけれど燃えやすいと言う欠点があったのですが何とこれを克服したのです。そしてこれでエアロのボディを造り直すことになったのです。

これで、2人乗りで200kmと言う走行条件にすることで資金も得ることが出来たのです。しかも今まで物より軽くて丈夫なものができたのです。長さ8,5m、重さは356kgと今までのものより40%も重量を減らすことが出来たのです。これでついに3号機が完成したのです。問題は走行中の揺れをいかに制御するかと言う事です。そのためこうしたロボットの研究をしている小菅先生に制御装置の助言を頂き実験の目途が立ったのです。5ヶ所のセンサーで車体の揺れの状況を把握し軌道の修正し機体を安定させるというものです。そして今年9月にその実験をしたのです。これに失敗すると研究資金が途絶えるということが心配されたのですが、スピードが100kmを超えたところで制御装置が働きだし姿勢が安定しだしたのです。これで来年3月には2人乗りで200km走行することを目標に実験の計画をしているそうです。頑張ってほしいですねこれが実用化されれば成田、羽田間を10分ほどで結ぶことが出来ると言います。

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コメント

30年間超電導の仕事をやってきたものですが、
小濱教授のエアロトレインのアイデアに賛成です。
リニア中央の超電導は極低温に冷却しなければならず、どうしても超電導が常電導に転移するときに発生し、大焼失するクエンチという致命的な特性が付きまとい、なんの前触れもなく1秒以内で磁気消失が発生する危険な代物です。また地上側に膨大な常電導浮上、推進用マグネットを敷き詰めなければならず莫大な予算が必要だ。莫大な空力抵抗を伴うため、原発(これも放射線漏れで大反対)を増設しなくてはならない。また臨時急停車は困難を極め、脱線転覆の可能盛大だ。製造物責任法で損害賠償するとなると日本全国を揺るがす事態になる。JALの倒産どころではない。

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