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2010年8月30日 (月)

環境都市マスダールの野望!

アラブ首長国連邦(UAE)最大の産油国・アブダビ首長国が太陽光発電など新エネルギーに対する投資を加速しています。将来の石油資源の枯渇に備え、石油に依存した経済構造を見直す必要があると判断しているためで、アブダビではすでに化石燃料を使わない都市の建設も急ピッチで進んでいるそうです。そのため世界最大の太陽光発電で電気の7%をクリーンエネルギーで賄うというものです。そして将来的には世界の優れた技術をアブダビの壮大な実験都市に最高水準の太陽光発電を集め太陽光発電のメッカにし、いずれは環境技術輸出立国になると言う壮大な計画を立てているのです。

アブダビ国際空港にほど近い砂漠地帯に東京ドーム43個分がすっぽり収まる総面積6.5平方キロメートルの敷地の一角に、紫色のパネルの列があり、8万8000枚もの太陽光パネルで発電出力は1万キロワットであり、一般家庭3300世帯分の電気を賄えるということです。2015年の完成を目指して、都市の電力すべてを太陽光など再生可能エネルギーで賄う経済特区「マスダールシティー」つまり環境都市です。総事業費は220億ドル(約2兆円)、完成後は約1500社の企業と5万人が居住する予定です。さらに特区完成時にはビルの屋上にも太陽光パネルが配置され、合計20万キロワット分の出力を太陽光発電が賄うそうで、世界でも例をみない環境対応型の特区建設を足がかりに、将来はエネルギー需要の7%を新エネで賄うというわけです。

同政府は既に、最先端の環境技術を研究する人材を育成する「マスダール科学技術研究所」を、米マサチューセッツ工科大学の協力を得て設立しています。さらに、マスダールシティーは、無税・無関税の経済特区にし、環境技術を持つ企業1500社を世界中から呼び寄せるもので、完成後には、居住者4万人に加えて、通勤者が5万人に達する見通しだそうです。2008年2月に着工し、昨年5月には1万kWのメガソーラーが稼働した。太陽光パネルは、米ファーストソーラーと中国サンテックパワーのもので、15年の完成に向けて、慌ただしく工事が続いているそうです。しかしソーラパネルと言えば最先端を走っているのがシャープだと思っていたものがいつの間にか大きく後れを取っていて、あっという間に中国やドイツなどに追い抜かれていて、ここでも技術的に優位と言われていた日本企業はいつのまにか後れを取っているのです。

UAEの原油生産量のうち9割程度をアブダビから産出していて日量297万バレルと世界8位の生産を誇っています。まさに原油はアブダビにとって富の源泉であって、05~07年の平均GDP778億ドルのうち、59%が石油・ガスから生み出されているのです。それにもかかわらず、アブダビが石油需要の減少につながりかねない新エネの導入拡大を進めるのは、同国内で残り100年といわれる石油枯渇後をにらんでのことなのです。マスダールのジャベルCEOは「経済の根幹は石油だが、新エネの開発を進め、技術の輸出を進めることが国の将来のために欠かせないことだ」と言い切っています。だからこそ新設する特区に海外の先進的な太陽電池などの技術を取り込み、そこで吸い上げた技術を応用発展させ、関連事業育成や技術輸出を目指すということなのです。

将来の石油資源枯渇後のことを考え、クリーンエネルギー技術の育成によって、30年にはGDPに占める石油依存度を36%まで引き下げる計画であり、原油で潤う今のうちに、将来の経済ビジョンを明確にし、石油枯渇後に備えた次の“国家100年の計”の布石を今、打っているのです。こうしたことができるのも首長の権限が強いためであり、強力なリーダーシップのもとにすばやく行動できるからこそできるのです。

こうした計画は太陽電池や風力発電など新エネルギーで世界の先頭に立つ技術を持つ日本企業にとって、有望な市場であることには違いありませんが、期待とは裏腹に日本企業にとって有利かと言えば決してそうでもないようです。太陽光発電ではありませんが、例えばアラブ諸国初となる原子力発電所の建設を、韓国電力公社を中心とする韓国企業連合に発注することに決まったのです。技術的には決して劣るどころか世界でも最も先進的な技術を持っているにもかかわらず、日立製作所とGEを中心とする日米企業連合は敗退したのです。これには韓国大統領自らが何度も足を運んだからだと言う話で、かならずしも最先端技術を持っているものが勝つとは限らない好例であり、そんな例は他にもいくらでもあり技術優位に慢心していればそんなものはあっけなく吹っ飛んでしまい、いつの間にかトップから転落してしまう時代なのです。だから太陽光エネルギーにおいても同じことが言えることで、積極的に海外に打って出なければどんどん抜かれていってしまう時代なのです。20年後には全世界の4割がクリーンエネルギーになると言われているのです。

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