最近のトラックバック

無料ブログはココログ

« 水族館の2020年問題 | トップページ | 環境都市マスダールの野望! »

2010年8月29日 (日)

先を見据えた目標がほしい日本の宇宙開発

小惑星探査機「はやぶさ」の成功で日本の宇宙開発がかつてないほど注目されているそうです。月以外の天体を往復する世界初の探査技術に勢いづき、新たな科学探査や有人飛行でも計画が大きく膨らみ始めたようですが、これだけの成功を収めたことで日本の探査技術、ひいては日本の宇宙技術が注目されたとしても不思議ではなく、また日本自体の宇宙計画をも活気づかせた「はやぶさ」の成功には大きな意義があった証でもあります。

しかし、この1度の成功だけで先を行く米ロに追いつけたのかと言えば、その通りとはとても言える段階ではないことも確かです。しかも米ロを猛進する中国、インドの間に入って、日本が存在感を高めると言うのも容易でないことも分かります。ましてや中国はすでに有人飛行に成功していて、決して歴史が浅いと言っても侮れない競争相手であることも確かです。それには日本のあるべき姿と言ったものを明確にし、それに向って計画を確実に実行していくことでさらに経験を積む必要があります。

今回の成功で、「はやぶさ」の後継機開発の方針が決まったそうですが、それによると、日本版有人宇宙船の開発計画が公表されたそうです。それは直径約4メートルの円筒形の機体に最大4人の飛行士が乗り込めるようにすると言うものです。日本がこうした有人飛行の計画を公式に検討すると言うのは始めてのことです。この原型になるのが国産無人宇宙輸送機「HTV」です。これは2009年9月には通知上げに成功し、国際宇宙ステーションに実験装置を運んだもので日本独自の技術を使ってのドッキングに成功した宇宙船でもあります。

これを、打ち上げごとに使い切る現行の打ち上げ方式とは違って、まず物資だけでも地上に持ち帰る「HTV-R」に改良し、少しでもコストを引き下げるというか、効率を高める工夫をしたものを16年度にも打ち上げる計画で、このときの船室が将来の宇宙船になるというものです。と言うことはまだ有人飛行に達するには少なくとも「HTV-R」で6年かかり、それにプラス有人化計画までに数年いると言うことになると、そこに行くまでに少なくとも10年くらい先の話になるのでしょう。

しかし問題は開発費が捻出できるかどうかにかかっています。今までの日本なら技術も資金も潤沢に使えたと思いますが、現在では国の財政は借金まみれで財政的余裕はないし、技術的にも中国インドなどの追い上げが激しく最先端技術を多く持っていると言えども遅れを取り始めているのも現実です。物資を持ち帰るだけなら開発費は数百億円くらいですみますが、有人飛行ともなると数千億から1兆円もの開発費がかかると言われています。それなのに今の日本の宇宙開発の年間予算は3400億円と桁違いに少なく話しになりません。これではいくら優秀な技術を持っていても宝の持ち腐れのようなものです。

それに「はやぶさ」を帰還させた技術への自信が有人往復機の開発議論を勢いづかせたけれど、友人宇宙開発で何を目指すのか全体像がはっきりしないまま計画が先行しても効率的な開発に結びつかず、今までも身の丈にあう宇宙戦略の構想力が乏しく右往左往してきたのが現実です。ましてや財政難の今の日本では野放図に予算が使えるわけでもありません。当初日本は、日本人の月面着陸も想定し米国との協力を得ながら開発費を抑えながら技術を得るはずだったのですが、オバマ政権で月探査計画の廃止が決まり有人計画は棚上げ状態になっていたのです。

しかし今回の「はやぶさ」の成功に勇気付けられ後継機の開発の継続に繋がってきたのですが、ある宇宙開発委員は日本が有人宇宙開発に挑むなら火星に人が行くくらいの最終目標がほしいと言っています。日本が明確な目標を定めれば国際協力で得る成果と日本独自でやれる課題が自ずと分かってくると言うわけです。それに、このままではJAXAは有人開発部隊の存続と言う組織維持が目的との批判もあるそうです。先を見据えた目標を描くことが今の日本には重要なようです。

« 水族館の2020年問題 | トップページ | 環境都市マスダールの野望! »

宇宙・サイエンス・科学技術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 先を見据えた目標がほしい日本の宇宙開発:

« 水族館の2020年問題 | トップページ | 環境都市マスダールの野望! »