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2010年7月23日 (金)

心臓の脈動に学んだパイプライン

パイプラインと言うのがありますが、その中を流れるものはいろいろなものがあり、水を流すとか石油あるいはガス、空気などを流しているのですが、例えば水道水は水を流すときになるべく速度を変えないで流す方が良いと考えられてきました。そのほうが効率的だということだったのです。つまりそれが常識だったのですが、最近はその常識破りとも言える発見があったそうです。それは流れの速度を変えて脈動させた方が良いという、今までとは全く反対の考えなのです。なぜそのような常識破りのようなことが分かったのかと言うと、人間の体と言うか生物の体の仕組みにヒントがあったのです。

人間の血液の流れ方を見ると、ドックン、ドックンと流れていますがこれがヒントだったのです。もし人間も血液をスムーズに流すのに一定の速さで流れるほうが良いということであれば、血液は川のように流れ、脈拍もないと言うことになります。拍と言うのは一定のリズムを打つと言う意味なわけで、だからドックンドックンとリズムを持って流れています。これが人間にとって一番良いという、生物としての長い歴史の中で勝ち取った仕組みだと思います。こうしたことはかなり昔から分かっていたことですが、パイプで液体を流すときに血管の仕組みを参考にするということがなかったようで、水も一定の速さで流すということが今日まで常識として来たわけで、これが常識破りと言われるゆえんです。

そして今回、発見者も心臓が血液を送り出すように脈動させた方が無駄が少ないと気付いたというわけです。それなら石油や天然ガスの長大なパイプラインからエアコンや湯沸かし器の配管に至るまで液体や気体を流す技術にはまだ改良の余地が大きいと言うことになります。試算では脈動させると最大で約58%も流体の輸送にかかるエネルギーを節約できるそうです。これは大きいですよね。6割近くもの節約が出来ると言うのですから単に液体や気体を流すだけと思われていたことが、実はそう簡単な話ではなかったということが分かった、と言うことの発見は大きいと言うわけです。

実際には流体力学なるものがあるのでそちらで研究はされていたと思うのですが、配管を流れる水は菅の中心付近で流れが速く、菅の内壁に近い場所ほど流速は遅くなると言うことだそうですが、これは当然と言えば当然で内壁に近ければ近いほど遅くなると言うのは、内壁との摩擦が発生するので流れが遅くなると言うのは理解できます。しかしこれが全体としてゆっくり流れるというならこの違いは問題にはならないのです。ところが流れが速くなると中心と周辺との流れの速さの違いが大きくなって、渦ができ流れが乱れてしまうのだそうです。

となると、乱流摩擦抵抗と呼ばれる抵抗力が生じポンプに余計な力がかかってしまうのです。このため菅の内壁に小さな突起を付けたり流体に化学物質を混ぜたりして流れをよくする工夫がされてきたのだそうです。しかし今回の発見で、適切な脈動を与えればほとんどどんな流れでも乱流をおきにくくし摩擦をぐんと減らせると言うわけです。実際には流体などによって、適切な脈動の周期や脈の打ち方(パルスの形)は異なるのですが、計算で最適な脈動パターンを割り出すことが可能だと言います。後はポンプの動きを上手く制御し最適な脈動で流体を送れば新たに配管やポンプを取り替えなくても大幅な省エネルギーが実現するそうで、これは大きなことだと思います。

今回の発見はスーパーコンがあって初めて発見できたことで、誰も予想しなかった現象の発見で今度はなぜそんなことが起きるのか、流体の理論の側に謎が投げかけられているそうです。

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