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2010年1月17日 (日)

オゾンホールが南極の温暖化を抑制

南極は地球が温暖化していると言っているのに、なぜか温度がそれほど上がらなかったので、その原因が長らく謎になっていました。そのため地球はほんとうに温暖化しているのかと、地球は温暖化していないと言う説の人々が、その根拠にしていたときもあったように思います。南極には地球上の氷の9割以上が存在すると言い、もし完全にその氷が解けたとすると、海水面は平均で約60メートルも上昇すると言うほど氷が多く存在します。実際ツバル諸島では海面上昇の危機にあっています。しかしその割に南極が温暖化していない理由が分からなかったのです。ところが今回その理由が分かったのです。それは南極上空にあるオゾン層破壊によって広がったオゾンホールが、南極の温暖化に歯止めをかけているというものです。

南極の氷山の多くは大陸の氷が張り出して海に浮かんだ状態の棚氷が崩壊してできるのですが、2002年に南極大陸西部にある南極半島の東側の棚氷で3250平方キロメートルが1ヶ月で崩れて消えています。そうした棚氷の崩壊や巨大氷山の出現などは温暖化の影響ではと注目されましたが、同じ南極大陸でも場所が違うと気温変化や氷の解け方が違うのです。南極大陸は東南極と西南極に分けることができ、東南極と言うのはインド洋やオーストラリア側で、西南極と言うのは南米よりの地域を指し、気温の上昇具合が両地域で一様でないのです。西側では高いところが多く、東側では低いところが多いのです。

地上観測に人工衛星のデータを加味した最近の調査では、西南極では10年当たり0.17度のペースで気温が上昇しているそうですが、特に南極半島の上昇幅が大きいのだそうです。そのため棚氷の崩壊や巨大氷山の出現といった異変は西南極で多いのだそうです。これに対して東南極は気温の上昇幅が小さく、内陸部など場所によってはむしろ気温が下がっているのだそうです。と言うことで南極大陸全体では気温上昇は10年当たり0.1度程度と推測されているそうです。と言うことで出現した現象だけを捉えて議論すると間違えてしまうと言う例ですよね。

地球温暖化の予測によれば、気温上昇は高緯度地域ほど大きくなるそうです。と言うのは氷が減れば太陽光線を反射しにくくなるので、温度がさらに上がるから上昇速度が加速されるからです。北極では予想通り温度が上昇しているのですが、南極にはこれが当てはまらないのです。氷がそれほど解けていないからです。なぜそれほど温度が上昇しなくて氷が解けないのかと言うのが謎だったわけです。それがオゾンホールだったわけです。

オゾンホールは南極上空の成層圏を東向き(時計回り)に流れていて、極渦と呼ばれる強い風によって隔離された冷たい場所にできやすいそうです。その原因は良く知られているフロンなどから出た塩素によるオゾン層の破壊です。そのオゾン層には紫外線を吸収するとともに空気を暖める効果があるので、オゾンホールが出来ると南極上空はますます冷え、極渦が強まりやすくなると言う関係があるそうです。すると南極の周囲から暖かい空気が流れ込むのが妨げられ上空は冷たいままになるということです。つまり南極は温暖化しにくくなると言うわけです。

こうしたことから南極の西側の中でも特に海側に突き出た南極半島で高温が目立つのは、この地域が極渦の影響下から外れたところにあるためだそうです。仮に今世紀末までに約3度温度が上がっても、南極の東側ではもともと十分に気温が低いため、氷が本格的に溶け出すには至らないとされています。むしろ気温上昇で降水(雪)が増えても氷の量はやや増えるとさえ言う意見もあります。一方南極の西側ではこれまで以上に温暖化の影響が強まり、氷が溶け出すことに直結することになると言います。

南極のオゾンホールはフロンなどの規制が奏功し、21世紀後半には消滅すると期待されています。しかしオゾン層破壊の問題は解決しても、今度はオゾンホールによって抑制されていた南極の温暖化が促進されかねないと言うジレンマに陥る可能性が出てきたのです。何と皮肉なことでしょう。

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