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2009年12月 4日 (金)

「はやぶさ」は生きて帰還できるか?

「はやぶさ」と言えばこの間の小惑星糸川への着陸を成功させ、今、日本に向け帰還の途中にあります。しかしこれまで燃料漏れなどの数々の危機を切り抜けて来ての奇跡のようなものです。帰還中と言えども、いつまたトラブルに見舞われ、途中で断念するとも限らないからです。しかし今までも、もうダメだと思われるような危機にも負けず、一路地球へ向かっているのですから、何とか帰ってきてほしいと願うのは、技術者などの関係者だけではないと思います。はたして無事地球に戻ることが出来るのでしょうか?

今までの経緯を振り返ると、2003年鹿児島からM5ロケット5号機で打ち上げられ、04年5月には地球重力を利用して加速、いわゆるスイングバイをし、05年9月には小惑星イトカワ近くに到着、10月には姿勢制御装置リアクションホイール3基中、2基に不具合が発生、ガス噴射エンジンを代用、これで何とか凌ぎ、11月にはイトカワに2回着陸岩石の資料取得を試みるが成功したかどうかは不明、さらにガス噴射エンジンが燃料漏れを起こし、姿勢制御が困難となり通信が途絶えました。しかし06年3月に奇跡的に通信が復活07年4月地球に向けイオンエンジンを再点火するも1基が故障。09年11月にはさらにもう1基エンジンが故障、変則的な運用で加速再開と、まさに故障の連続にもかかわらず曲がりなりにも地球へ帰還中です。このまま大きな故障なく行けば10年6月には大気圏に突入し、資料カプセルがオーストラリアに落下し、回収するという段取りです。

こうしたトラブルにもかかわらず、幾多の危機を乗り越えて来たのですが、特にエンジントラブルは致命的な故障で、地球への帰還が絶望的なものになるところでした。しかしある工夫をしていたことから切り抜けることが出来たのです。普通、こうした衛星などには2重3重の安全策が取られるのは常識で、ひとつの回路がダメになっても別の回路がその代わりをするように作られているのですが、このはやぶさには重量制限500kgと言う制約があったため、バックアップ系を用意していなかったのです。

4基あるエンジンのうちAは03年の打ち上げ直後に、Bは07年に故障、CもDも出力が低下してしまったのです。地球へ帰還するには2基同時の運転が必要なのですが、それが出来なくなってしまっていたのです。ところが、エンジンはイオン源と中和器からなっていて、両者が同時に噴射する必要があるのですが、何と言う幸運というか、停止したのはAはイオン源、Bは中和器が故障していたのです。そこでそれぞれ生きている部分を組み合わせて使うことにしたのです。この方法を可能にしたのは、電源系に組み込んだ小さな部品だったのです。一つの小さな部品が奇跡を生んだのです。それはあらかじめ異なるエンジンを組み合わせて動かせるようにするものだったのです。

とは言っても地上で試験をしていないため、実際に動くかどうかは分からなかったのです。そして送信機を再起動すると速度のデータがぴょこんと跳ね上がったそうです。動いた瞬間でした。順調に行けば地球に帰還できる見通しだそうです。まさに動いているのが奇跡のような「はやぶさ」です。まるで本物の隼が、怪我をしたけれど満身創痍で家に帰っているかのようです。このまま何とか帰ってきてほしいですね。

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