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2009年8月 8日 (土)

温暖化に隠れたセミの習性

本格的な夏の襲来とともに、セミが一斉に鳴き始めています。最近では、クマゼミがどんどん北進して、アブラゼミがいる場所が少なくなくなったという話はすでに知っていますが、その原因が温暖化にあるということも知るところです。

現に大阪で、アブラゼミとクマゼミのどっちが多いかという聞いた感じでは、1950年代にはアブラゼミが主役(70%以上)で、クマゼミの割合は55%くらいと思っている人が多かったのですが、2000年にはクマゼミが60%くらいなのにアブラゼミは40%にまで下がってしまいました。北上ラインも2008年には石川県と関東平野のラインまで上がってきています。こうして見ると温暖化の影響は明らかな感じがします。

しかし最近の調査では、どうもそれだけでは説明のつかないこともあるということです。和歌山や福岡、鹿児島県の複数地点でセミの生息状況を調べたところ、場所によってはアブラゼミの方が多い所があったということです。しかしこれらの地域はいずれも大阪より南にある温暖な地域で、温暖化説で行けばアブラゼミが目立つということはないはずです。にもかかわらずアブラゼミが多い所があったということは、温暖化説だけでは説明がつかないということになります。それ以外の原因があると思われるのです。

例えば、大阪でクマゼミの比重が高まった原因は、温暖化の影響が大きいかもしれないがそれだけではないと言うわけです。それは都市緑化がゼミの分布変化に影響しているという考え方が出てきているそうです。大阪に限らずと都市では街角に樹木が植えられていますが、こうした都市緑化がセミの天敵であるヒヨドリなどの野鳥の増加を招いたからだという考えです。しかし野鳥が増えゼミが食べられるとしたらアブラゼミだけでなくクマゼミも食べられるのだから、アブラゼミが減ってきたという説明にはなりません。にもかかわらずアブラゼミだけがなぜ減って、クマゼミが増えているのでしょう。

さらによく見ると、それはセミが鳥から身を守ろうとするその行動に原因があるということが分かってきたそうです。アブラゼミは襲われそうになると近くの木に隠れるのだそうですが、クマゼミは遠くに飛び去っていくのだそうです。この習性の違いがその後の生存率に大きく影響していると言うわけです。つまり、都市では樹木がまばらにしかないので、鳥に狙われたときアブラゼミは逃げる場所がないのと同じで、結局、鳥に食べられてしまっているが、クマゼミは遠くに逃げてしまうので、樹木がまばらでも食べられる確立が少ないということだったのです。

それを裏付けるかのように、セミの死骸を集めて原因を調べてみたところ、市街地では、9割以上のアブラゼミが鳥に食べられて命を落としているということが確認されたそうですが、反対にクマゼミは郊外のほうが鳥に捕食されて死んでいる比率が1,2割高かったそうです。これ以外にも温暖化の影響がよくわからない青森などでも、市街地でアブラゼミの減少が報告されているそうです。これらのことも都市緑化がセミの分布に影響を与えているということを裏付けている根拠になっているそうです。

こうして見ると生物の生態系というのは複雑にいろいろなことが組み合わされて成り立っているわけで、このセミの例を見ても自然界の複雑さの一端が分かるような気がします。それだけに自然というものは大切にしたいですね。

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