ワニと言うとご存知、川や沼などに生息し最強のハンターとも言われ、大きなものでは6メートルもの大きさになります。ということで一般的には淡水で生活というイメージがあると思います。ところが最近、海で泳ぐワニというのが発見されています。今までの私達のイメージからするとちょっとそぐわないですが、川から大海原へ予想外の行動をとっていたのです。ワニが海を泳いでいる姿を想像しても変な感じがします。
オーストラリアにはカカドウ国立公園と言う所がありますが、今回の舞台はここのワニについてです。カカドウ国立公園はダーウィンの東約220kmに位置し、世界でも最大の国立公園だそうです。その面積は日本の四国とほぼ同じというのですから、その大きさが分かろうというものです。ここには台地や熱帯雨林の丘陵地、サバンナ、湿原地などからなっていて、アリゲータ川をはじめとして4本の川が流れていています。そしてマングローブの根が堤防となって、広大な干潟を形成しています。この辺りにはツルやシギ類、ワニが生息し、丘陵地帯にはエリマキトカゲも見ることができ、このほかにも貴重な動植が少なくないそうです。ここはもともとアボリジーニの地でもあったので、アボリジーニの文化遺産も残っています。1980年、湿地や水鳥を保護する「ラムサール条約」、1981年には「世界遺産」に登録されています。
今回の主役はイリエワニです。寿命は70年と言われており、死ぬまで成長する最大の爬虫類です。ワニの一番の武器といえば噛み殺してしまうことですが、その力何と2トンと言うのですから、噛みつかれたらまず逃れることはできません。カササギカンなどは丸呑みだそうです。カンガルーさえも食べてしまうほどで、何でも食べるそうです。縄張りの範囲は2kmだそうですが、ここには何十万頭ものワニがいるので、狭い川の中で縄張りがかち合って喧嘩しないのかと疑問になってしまいます。
2億年以上も前に恐竜と同じ祖先から枝分かれ、恐竜が死んだあとも生き続けているわけです。そしてワニは川の王者でもあります。恐竜とワニはどこが違うと思いますか?それは足です。足が哺乳類のように真っ直ぐ伸びているか、あるいは鍵型に曲がっているかが大きく違うのです。恐竜の足は真っ直ぐですが、ワニの足は鍵のように曲がって付いています。つまり「がに股」と言うわけです。ここが最大の違いになっています。恐竜は真っ直ぐついているので、速く走れるようになったのです。さらに言えば足の膝下が長いほうが速いのです。
今回ワニの生態調査ということで、GPSをワニの体につけて行動範囲を調べました。ワニは夜ライトを当てると光るので探しやすいのだそうで、16頭のワニにつけたそうです。11月は雨季の始まりで5ヶ月続くそうですが、普段は縄張りをあまり動かないのですが、この時期は13kmも移動したそうです。というのもワニの目当てはダムの下に溜まるボラだそうです。ボラが産卵のためにやって来るところを食べようと言うわけです。その数60頭もいたそうです。しかし上流はもともと食べ物が少ないのですがなぜ来るのでしょう?
恐竜が全滅後、強そうなのは哺乳類ばかりになり、他に見当たらなくなってしまったのですが、水辺だけはワニがいたから哺乳類は王座につけませんでした。たとえばチーターが獲物を取ってもワニは簡単に奪い取ってしまうそうです。ということでチーターも手も足も出ないのです。それなのになぜ上流へ?さらに川から海へ出て行ったものもいるそうです。んんー海へも?実は10年前からダ-ウィンの街では相次いで見るようになったのだそうです。10歳前後の若いワニが雨季になると続々海にも出て行くのです。
実はこれは縄張り争いの結果なのです。先ほども書きましたが縄張りは2kmですが、ワニが多くなると、狭い川だけではそんなに広い縄張りを確保できなくなります。縄張りをもてない若いワニが、縄張りを求めて続々海にも出かけるようになったのです。その結果沖合いの島にも行くものが出てきたそうです。名前がイリエワニというように河口近くに行くのは分かっていましたが、こんな遠くまでワニが行くとは思われていなかったのです。
それは人間がワニを乱獲し、9万頭もいたものが3000頭に激減したため、縄張りを探す必要がなくなったため、今まではそういう行動を取らなかったのです。しかし保護政策もあって数が増え、本来の行動を見せるようになったと言うわけです。しかし生存競争に勝ったワニは川で繁殖し、数頭の雌と1回で50個の卵を産むのだそうですが、卵がかえるまで巣の近くで母親が守っているのです。3ヶ月間見守り、口で赤ちゃんワニをくわえ川に持って行きます。ワニは太古の昔からこういう行動を取っていたのです。
ワニが海を泳ぎ、それもかなり遠くまで泳ぎ、若いワニは自分の縄張りを求めて行くというのが、ワニの本来の姿だったのです。意外でしたね。ワニに対するイメージが変わりました。
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